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『2012年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』まとまる(2012/2/24発表 第12019号)

食品用途を始めとした各種容器・包装資材市場を調査

2015年予測〜「調理の簡便化」や「環境対応」で成長する品目
レトルト用パウチ:223億円(11年見込188億円)11年は震災支援物資や備蓄需要が急増
バイオプラスチック容器・包装:16億円(同13億円)環境取り組み訴求し各種パックで採用増

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、食品を筆頭に様々な物品の輸送・保管・販売などにおいて欠かすことのできない各種パッケージングマテリアル(ボトル、容器、包装資材、物流資材など)の国内市場(一部品目は輸出含む)を調査した。その結果を報告書「2012年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」にまとめた。

 この調査では、飲料缶やPETボトルなど「ボトル・びん・缶」、A-PET食品容器やOPS食品容器など「食品容器」、輸液バッグやSP(ストリップ包装)・分包など「医療包装」、FOSBやエンボスキャリアテープなど「電気・電子」、軟包装フィルムやラップフィルムなど「軟包装」、段ボールやプラスチックコンテナなど「物流・重包装」、緩衝材や粘着テープ・ラベルなど「その他関連資材」の計62品目について、市場トレンドや研究開発動向、高齢化や環境への対応状況、参入メーカーの国内外戦略などを分析し、今後の方向を明らかにした。

調査結果の概要
 2011年見込2015年予測11-15年
平均成長率
数量1,523万トン1,538万トン0.2%
金額3兆8,357億円3兆9,542億円0.8%
 パッケージングマテリアル市場は、2008年のリーマン・ショックによる景気後退の影響を受けて2009年に縮小したが、2010年は需要が回復し拡大に転じた。
 2011年は東日本大震災によって、原材料の調達から生産・供給に至るまで短期的な支障が生じた。しかし、現状では概ね復旧しており、市場への影響は限定的に留まっていることから、前年比0.2%増の3兆8,357億円が見込まれる。また、支援物資として保存食などを用途とするパッケージングマテリアルの需要が急増したほか、調達への不安などから一時的に需給のひっ迫も見られた。
 採用素材の内訳(2011年、数量ベース)は、段ボールが大半の用途となっている紙が60%、プラスチックが24%と見込まれる。さらにプラスチックを樹脂別に見ると、PP、PE、PETとそれ以外(PS、ナイロンなど)が市場をおよそ4分している。
 2012年以降の市場は緩やかな成長が続く見通しで、2015年には3兆9,542億円、2011年から2015年までの平均成長率は0.8%と予測される。
 日本の総人口が減少に転じ国内需要が頭打ちとなる中、食品や医薬品用途を中心としたパッケージングマテリアルも厳しい市場環境が予想される。成長維持には、市場の需要や社会環境の要望に応えた製品開発が求められる。
 今後高成長が見込まれる品目のキーワードとして、「調理の簡便化」「環境対応」「新規用途開拓」が挙げられる。
 「調理の簡便化」(主な該当品目:バリアフィルム、レトルト用パウチ)は、単身世帯の増加や高齢化の進展を背景に需要が高まっている。「環境対応」(同:レトルト用パウチ、バイオプラスチック容器・包装、耐熱紙器)は、廃棄物量削減やバイオマス化を実現する。「新規用途開拓」(同:発泡緩衝材、セロハンフィルム)は、液晶パネル用マザーガラスなど用途の広がりで市場が拡大している。
注目市場
1. バイオプラスチック容器・包装【食品容器】
 2011年見込2015年予測11-15年
平均成長率
数量3,200トン4,000トン5.7%
金額13億円16億円5.3%
 バイオプラスチックは、バイオマス(トウモロコシなどの植物)を原材料としたプラスチックである。PLA樹脂のバイオプラスチックを採用した各種容器・包装を対象とした。
 バイオプラスチックは植物を原材料とすることから、枯渇の恐れがある化石燃料の使用抑制や二酸化炭素の排出量削減など、地球環境への負荷軽減に貢献する。このため、環境対応の素材として注目を集めている。また、100%バイオマス由来ではなく部分的にバイオマスプラスチックを採用することで、高コストや低耐熱性などの欠点を補えるため、用途も広がっている。
 バイオプラスチック容器・包装は、食品容器分野において2011年から2015年までの平均成長率が最も高い品目とみられる。2011年の市場は13億円が見込まれ、2015年には16億円が予測される。
 主要用途は、サラダパック、カットフルーツパック、鶏卵パック、いちごパックなどの透明容器である。コストは上昇するものの、環境への取り組みを訴求して採用が広がっている。環境に対する意識の高まりを受け、潜在需要もあるとみられる。バイオプラスチックは発展途上にあり石化由来樹脂に比べコスト競争力は低いものの、販売量増加や技術向上によって価格差は徐々になくなってきている。
 なお、2011年にはバイオPE(本調査対象外)が上市され、PLA以外の樹脂の選択肢が増えた。バイオPEは既存のPEと同等に扱えることから多数のメーカーが参入している。今後、バイオPET(本調査対象外)も本格的に市場が立ち上がる見通しである。バイオプラスチック市場の活性化に繋がり、PLAにも相乗効果が見込まれる。
内容の詳細につきましては『2012年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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