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『2012 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2012/6/20発表 第12058号)

世界の半導体実装関連市場を調査

2020年予測
プリント配線板の世界市場は11年比21%増の5兆1,853億円
全層タイプのビルドアッププリント配線板やフリップチップ基板の伸びが拡大を牽引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、このほどプリント配線板とその主要材料、実装関連の製品及び装置など、半導体実装関連の世界市場を調査した。その結果を報告書「2012 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。

 この報告書では、プリント配線板7品目、プリント配線板材料14品目、その他実装関連製品17品目、実装関連装置13品目の市場動向とその将来を予測した。また、同時にパッケージ関連製品8品目の市場分析と実装関連の主要メーカー14社の戦略を分析した。

調査結果の概要
半導体実装関連世界市場
 2011年前年比2020年予測11年比
プリント配線板4兆2,758億円103.5%5兆1,853億円121.3%
プリント配線板材料1兆9,593億円102.0%2兆3,280億円118.8%
その他装関連製品1兆3,053億円101.5%1兆3,658億円104.6%
実装関連装置5,313億円92.2%5,444億円102.5%
 実装関連装置市場がマイナス成長となったが、プリント配線板、プリント配線板材料、その他実装関連製品の市場が前年比プラス成長となった。スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンの市場は今後も継続的に成長すると見られることから、半導体実装関連市場もそれに伴い拡大すると予想される。
 日系メーカーを追う立場であった韓国や台湾メーカーの技術水準は、今や日系メーカーと肩を並べるまでに向上しており、高機能分野においても韓国や台湾メーカーの製品の採用が拡大している。2011年も日系メーカーが全体市場の35%を占めたが、プリント配線板とプリント配線板材料市場では台湾メーカーが日系メーカーより高いシェアを獲得した。
プリント配線板
 2011年の市場は、前年比3.5%増の4兆2,758億円となった。白物家電や自動車、AV機器市場の拡大に伴い片面、両面、多層のリジッドプリント配線板が、また、携帯電話やタブレット端末市場の拡大に伴いビルドアッププリント配線板、フレックスリジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板が伸びた。
 今後も市場は、全層タイプのビルドアッププリント配線板やフリップチップ基板(FC−BGA/FC−CSP)の伸びが牽引し、拡大していくと見られる。
プリント配線板材料
 2011年の市場は、前年比2.0%増の1兆9,593億円となった。銅張積層板は、紙基材、ガラス基材、コンポジット基材とも全て拡大しており、特にコンポジット基材がLED照明を中心とする放熱用途で拡大している。また、フレキシブルプリント配線板がAppleやSumsungEl.のスマートフォン向けを中心に伸びていることから、それに伴いFPC(フレキシブルプリント配線板)用フレキシブル銅張積層板などの材料も大幅に伸びている。2層のFPC用フレキシブル銅張積層板やガラス基材銅張積層板については長期的な伸長が期待される。
その他実装関連製品
 2011年の市場は、前年比1.5%増の1兆3,053億円となった。リードフレームや導電性ペーストなどが減少している。一方、導電性接着剤やダイボンドペーストなどは大幅に伸びている。
 高価な金属を使用していた製品は、低価格化を背景に廉価な金属に代替しているため、数量ベースでは増加するが、金額ベースでの伸びは小さくなる。これにより今後の市場は横ばいと見られる。
実装関連装置
 2011年の市場は、前年比7.8%減の5,313億円となった。プリント配線板用全自動露光装置では直描露光装置がコンタクト露光装置の代替で急激に伸びたが、欧米での不況が波及し、基板メーカーや実装メーカーの設備投資が減退したため2011年はマイナス成長となった。しかし、今後は半導体実装関連市場が長期的に拡大していくことから、連動して拡大していくと見られる。
注目市場
1. 全層ビルドアッププリント配線板
2011年前年比2020年予測11年比
839億円134.7%1,843億円219.7%
 ビルドアッププリント配線板は、絶縁層と配線層を積層して1層毎に加工を行い、任意に穴あけ加工が可能なプリント配線板である。構造によりベースタイプと全層タイプがあるが、ここでは全層タイプを対象としている。
 2011年の市場は、前年比34.7%増の839億円(112万m2)となった。全層タイプを使用するAppleとHTCのスマートフォンの販売台数が大幅に伸びたことが、拡大要因となっている。
 2010年からビア(穴)を銅めっきでフィリングするフィルドめっきタイプの全層ビルドアッププリント配線板が急激に増加しており、AppleやLG El.、パナソニックモバイルコミュニケーションズで採用が増加している。フィルドめっきタイプの全層ビルドアッププリント配線板は高密度実装が可能であり、基板の小型化が容易なため、リチウムイオン電池のスペースを大きく確保することが出来、スマートフォンで採用が拡大した。また、デジタル一眼レフカメラにおいても基板の小型化ニーズが強く、採用が増加している。
 その一方で、ベースタイプと比較すると製造難易度が高く、高価なことから、ノートパソコンやポータブルオーディオでは一部ベースタイプに回帰する傾向も見受けられる。
 今後もスマートフォンやタブレット端末ではリチウムイオン電池のスペースを確保するトレンドが続くため、基板の微細化と小型化が進展し、全層ビルドアッププリント配線板の需要も高まっていくと推測される。
内容の詳細につきましては『2012 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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