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『2014年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの将来展望』まとまる(2014/8/20発表 第14057号)

高機能添加剤、ハイブリッドマテリアルの世界市場を調査

2017年の世界市場予測(2013年比)
汎用添加剤14品目 1兆5,169億円(14.0%増)
ガラス繊維、流動性改善剤など自動車部材用途で好調
高機能性付与剤17品目 5,490億円(12.9%増)
炭素、カーボン系などがけん引
グラフェン 75億円(75倍)
塗料、潤滑油、樹脂、ゴムなどの機能性付与剤として需要拡大に期待

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、樹脂などへ添加することで各種機能を付与する機能付与材料と、機能付与材料の添加などにより複合的な機能を発現するハイブリッドマテリアルの市場を調査した。その結果を「2014年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの将来展望」にまとめた。

 報告書では、汎用添加剤15品目および高機能性付与剤19品目の機能付与材料34品目、コンポジットやコンパウンドなどと、それらのアプリケーションを含めたハイブリッドマテリアル21品目、合計55品目の市場トレンドおよび材料の訴求動向、応用事例について明らかにした。また、新しい概念の次世代ハイブリッド開発動向として6品目を紹介し、高機能添加剤・ハイブリッド化技術の今後の方向性を明確化した※1

※1 世界市場を対象とし、中空セラミックビーズ、制振フィラー、遮熱塗料は国内市場を対象とした。

調査結果の概要
機能付与材料の世界市場
 2013年2017年予測2013年比
汎用添加剤※21兆3,309億円1兆5,169億円114.0%
高機能性付与剤※34,864億円5,490億円112.9%
※2 ガラス繊維、難燃剤(臭素系)、難燃剤(リン系)、難燃剤(三酸化アンチモン)、難燃剤(水酸化物)、紫外線吸収剤、耐衝撃改質剤(モディファイヤー)、摺動性付与材料、流動性改善剤、相溶化剤(オレフィン用添加剤)、相溶化剤(エンプラ用添加剤)、粘着性付与剤(タッキファイヤー)、光拡散剤、シランカップリング剤の14品目を対象とした。
※3 抗菌剤、靱性付与パウダー(PES)、帯電防止剤(低分子、高分子、導電性高分子)、帯電防止剤(無機系)、導電性カーボンブラック、CNT、グラフェン、銀粉、銅超微粉、導電性コアシェル微粒子、熱膨張性マイクロカプセル、メソポーラスシリカ、制振フィラー、近赤外線吸収材料、炭素繊維(PAN系)、炭素繊維(ピッチ系)、ポリシラン・シルセスキオキサンの17品目を対象とした(制振フィラーは国内市場が主体のため世界市場として捉え集計に含めた)。
 汎用添加剤14品目の市場は2013年に、1兆3,309億円となった。汎用的に使用される添加剤であるため、緩やかな市場拡大にとどまる品目もあるが、品目によっては新規用途の開拓などで需要の大幅な増加が期待される。ガラス繊維はFRTP(熱可塑性樹脂)の強化材料として用いられ、自動車部材の軽量化を目的とした樹脂化の進展により好調である。流動性改善剤は、現状ではOA機器の筐体の材料用途で着色改善や成形性向上に使われることが多いが、今後は自動車部品の塗装レス化や、PC樹脂を利用したCFRTP(炭素繊維熱可塑性複合材料)の添加剤用途などで市場は拡大するとみられる。
 高機能性付与剤17品目の市場は2013年に、4,864億円となった。2017年は2013年比12.9%増の5,490億円が予測される。市場構成比の高い銀粉が、太陽電池材料での使用量削減やPDP材料需要の減少により低調なため、市場は緩やかな拡大が予測される。一方、航空機における軽量化や耐熱の部材用途、環境規制の強化による自動車部材用途での採用などにより、市場拡大が後押しされる品目もみられる。ポリシランは、炭化ケイ素繊維の原料として用いられ、航空機などの耐熱部材やディーゼルエンジン排気触媒としての利用が拡大するとみられる。靭性付与パウダー(PES)は、航空機向けのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)用途で利用されており、今後は自動車向けのCFRP用途での採用も期待される。CNT(カーボンナノチューブ)は樹脂添加剤用途を中心に利用されてきたが、今後はリチウムイオン二次電池用導電助剤また燃料チューブやフューエルポンプなど自動車部品の部材用途での採用が拡大するとみられる。炭素繊維(PAN系)は、CFRPやCFRTPで用いられており、2013年までのような急激な市場拡大は難しいものの、航空機や風力発電部材用途における需要拡大や、軽量化ニーズを受けた自動車ボディなどでの採用により堅調な需要が期待できる。
注目市場
グラフェン【高機能付与剤】※4
2013年2017年予測2013年比
1億円75億円75倍
※4 グラフェンインクベース
 グラフェンは、炭素からなる同素体の一種でもあり、非常に薄い層で構成されている。グラフェンの応用アプリケーションとして、透明導電性フィルムやリチウムイオン二次電池部材、キャパシターや色素増感型太陽電池の電極、最終的にはトランジスタへの応用も期待される。
 2013年は、本格的な採用事例は少なく、研究開発中の事案が多いため、市場は1億円にとどまっている。塗料や潤滑油、包装用フィルムなどへの展開から本格的に市場は立ち上がるとみられ、その後ゴムや樹脂成形品関連で強度を要求するアプリケーションを対象に需要が増加すると考えられる。
 2014年以降に、塗料やコンパウンド用の添加剤、フレキシブルデバイス用途の電極材料として市場は急拡大するとみられる。将来的には、プリンテッドエレクトロニクス用途の電極材料での採用も想定され、アプリケーションの広がりにより、2017年の市場は75億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2014年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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