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『2017 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』まとまる(2017/1/17発表 第17002号)

CPU、マイコン、FPGA、DRAM、NAND、次世代メモリーなど半導体デバイスの世界市場を調査

NAND市場、スマートフォンの容量増とSSDの出荷増で大幅拡大
2020年に2015年比43.9%増の5兆2,740億円

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、IoTや自動運転などを実現する主要または先端、注目の半導体デバイスの市場を調査・分析した。その結果を報告書「2017 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この報告書では、半導体デバイス17品目はじめ、採用されるパッケージ3品目、前工程材料7品目、後工程材料6品目、製造関連の装置3品目、半導体デバイスのアプリケーション6品目の市場の現状と今後の動向をまとめた。

調査結果の概要
半導体デバイス16品目(省電力無線デバイスを除く)の世界市場予測
半導体デバイス16品目(省電力無線デバイスを除く)の世界市場予測:市場規模推移グラフ
 対象とした半導体デバイスの内、省電力無線デバイスを除く16品目の市場は2015年に26兆1,470億円となった。2020年には2015年比10.6%増の28兆9,127億円が予測される。品目別にみると、市場規模が最も大きいのがCPUで、以下、DRAM、NAND、汎用マイコンと続く。CPUはサーバーの仮想化やスマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けている。低価格帯のスマートフォンのウェイトが上昇することで相対的に単価が下がる可能性が高く、市場は2019年以降マイナスに転じると予想される。DRAMやNANDはスマートフォン向け、サーバー向けで容量が増加していることから、今後も市場拡大するとみられる。汎用マイコンは家電やIoT関連機器向けが増加するが、単価下落が続くため大きな伸びにはいたらない。
 その他では、FPGAが大きく伸びている。次世代メモリーも市場規模は小さいが伸びは大きい。車載SoCは従来用途に加えて1台当たりの搭載個数が増加するADAS向けの伸びが期待される。
注目市場
 2015年2020年予測2015年比
NAND3兆6,660億円5兆2,740億円143.9%
FPGA4,300億円7,550億円175.6%
車載SoC1,211億円2,563億円2.1倍
次世代メモリー274億円923億円3.4倍
 NANDはスマートフォンの容量増とSSDの出荷増で市場が拡大している。スマートフォンでは「iPhone7/7 Plus」で256GBモデルのメモリーに採用されたほか、低価格機でも平均搭載容量が増加している。SSDは低価格化が進み、昨年に引き続き出荷が増加している。NANDは大きくプレーナ型の2D NANDと積層型の3D NANDに分けられるが、特に3D NANDがSSD向けに加え、モバイル機器向けやリムーバブルメディア向けの採用も増加しており、2016年から2017年にかけて急伸するとみられる。
 FPGAは、製造後にユーザーが再プログラムできる集積回路である。民生機器におけるASSPやASIC代替により市場が二桁成長している。
 車載SoC(System on Chip)は、カーナビ向けで採用が拡大してきたが、現在はインパネ・クラスターのデジタル化やADASでの採用が進み、市場が拡大している。
 次世代メモリーは不揮発性のFeRAM、MRAM、PRAM(含む3D Xpoint)、ReRAMを対象とした。 MRAMからST-MRAMへの移行による微細化・低コスト化、EEPROMなど従来型メモリーが採用されていたアプリケーションにおけるデータロギング容量の増大、低消費電力化などを目的とした揮発性メモリーからの置き換えで市場が拡大している。一方で二つの市場成長阻害要因がある。一つ目は、新規参入するためには新たな装置が必要なことである。既存のメモリーでシステムが組めてしまうという状況の中で、数量の多いアプリケーションがなければ投資を回収できない。二つ目は、既存メモリーメーカーにとっては次世代メモリー事業が既存のメモリー事業と競合してしまうことである。
前・後工程材料12品目(2.5Dインターポーザーを除く)の世界市場予測
 2015年2020年予測2015年比
全体1兆8,925億円1兆9,702億円104.1%
 ウェハー8,841億円9,919億円112.2%
ウェハーは全体の内数
 市場は2016年以降、継続的な拡大が予想される。品目別にプラス成長が期待されるのはFO-WLP向けで需要の増加が期待されるバッファコート/再配線材料、化合物半導体ウェハー、CMPスラリー、半導体レジストなどである。シリコンウェハーも3D NAND向けなどで旺盛な需要が続き、また、大きな価格の下落がないとみられるためプラス成長が期待される。 一方、FCパッケージ基板や封止材料/アンダーフィルはマイナス成長が予想される。
 前・後工程材料市場の内、ウェハー(シリコンウェハー、SiC基板/酸化ガリウム基板、GaN基板/ダイヤモンド基板)の市場は、2015年に8,841億円となった。シリコンウェハーが市場の大部分を占める。メモリー、ロジック需要の増加がけん引し、今後もプラス成長が予想される。SiC基板はLEDやパワーデバイスに使用されている。いまだ数量は少ないが、2020年以降は自動車向けが本格化し、さらなる伸長が期待される。GaN基板は大部分がLEDやLD(レーザーダイオード)向けに使用されている。LED向けが増加しているほか、将来的には光半導体以外にも高周波デバイスなどのウェハーとしての採用も期待され、今後もプラス成長が予想される。
注目パッケージの世界市場予測
 2015年2020年予測2015年比
FO-WLP107億円1,363億円12.7倍
 2016年にAppleのAP(Application Processor)に採用されたことで大幅に市場が拡大する見込みである。APへ採用された背景に多ピン対応がある。従来FO-WLPは多ピン化が難しかったが、工法の改善により量産技術が確立された。2017年はさらに採用メーカーが増えるとみられ市場拡大が続く。
 FO-WLPの課題は製造コストである。FO-WLPはウェハー状で製造しているが、従来のFCパッケージは大型パネルでの一括プロセスによって低コストで製造できる。パネルでのFO-WLPの量産技術はいまだ開発途上であるが、多くのメーカーが取り組んでおり、将来的には確立すると予想される。
 また、現在はモバイル機器向けが中心であるが、自動車向けも期待される。今後信頼性の向上やコストダウン、多ピン化技術が進展すればモバイル機器以外の用途での採用も進むとみられる。
内容の詳細につきましては『2017 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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