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『デジタルサイネージ市場総調査 2019』まとまる(2019/6/13発表 第19040号)

一段と注目高まる国内 デジタルサイネージ 市場を調査、市場は2025年に2017年比2.2倍の3,186億円へ

  • 短期的には東京五輪を見据えた新設・追加・リプレース案件の増加
  • 長期的にはデジタルサイネージ広告の伸びが市場をけん引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2020年開催の東京五輪を見据えて新設や追加、リプレースといった案件の増加、また、訪日外国人のための多言語対応やAIロボットなどの活用、ディスプレイの大型化や高解像度化、多様化も進んでいるデジタルサイネージの関連ビジネス市場を調査した。その結果を報告書「デジタルサイネージ市場総調査 2019」にまとめた。
 この調査では「システム販売/構築」「コンテンツ制作/配信サービス」「デジタルサイネージ広告」といったビジネスの市場をデジタルサイネージ市場として調査・分析した。また、デジタルサイネージ関連/周辺のソリューション、デジタルサイネージを構成する製品/システム、デジタルサイネージの需要分野の動向についても調査・分析した。

調査結果の概要
デジタルサイネージの国内市場
デジタルサイネージ市場総調査 2019:デジタルサイネージの国内市場グラフ
 デジタルサイネージは、2000年代に入りディスプレイの大型化や薄型軽量化が進んだことで金融機関や交通機関の情報表示用途から市場が形成されてきた。以降、ネットワーク環境の整備や低価格化の進行により、小売店舗/商業施設や公共施設をはじめ、一般企業、教育機関など幅広い分野で導入が進んだ。当初はシステム販売/構築といったビジネスが中心であったが、設置数の増加や配信ニーズが多様化するにつれ、コンテンツ制作/配信サービスやデジタルサイネージ広告といったビジネスが広がりをみせている。
 近年では2020年開催の東京五輪を見据え、首都圏の交通機関、公共施設、大型商業施設を中心に新設や追加、リプレースといった案件が増えている。また、訪日外国人の増加で多言語対応システムやAIロボットなどを活用したシステムに対するニーズが高まっているほか、ディスプレイの大型化や高解像度化、多様化も進んでいる。
1. システム販売/構築
2018年見込2017年比2025年予測2017年比
699億円117.7%986億円166.0%
 クラウド型配信サービスを利用する中小チェーン店が増加していることから、スタンドアロンタイプ(配信非対応ディスプレイ)より、配信サービスに対応する配信システム(配信対応ディスプレイ含む)が伸びている。配信システムは、東京五輪の開催を控えていることから2019年と2020年は好調を維持し、2021年こそ微増にとどまるものの、2022年から2025年は多言語対応ソリューションや防災/減災ソリューション、行動分析/販促ソリューションなどといった関連/周辺ソリューションとの連携が一層加速し順調な伸びが予想される。
 サイネージ向けディスプレイ『大型モニター』のサイズ別・解像度別動向
 2018年見込2017年比2025年予測2017年比
サイズ別50インチ未満49,200台105.1%53,500台114.3%
50インチ以上51,800台147.2%83,500台2.4倍
合計101,000台123.2%137,000台167.1%
 2018年見込2017年比2025年予測2017年比
解像度別FullHD/HD96,690台119.7%21,200台26.2%
4K以上4,310台3.6倍115,800台96.5倍
合計101,000台123.2%137,000台167.1%
 システム販売/構築ではサイネージ向けディスプレイの大型化や高解像度化などが進んでいる。2020年開催の東京五輪を見据えて公共施設や官公庁施設、交通機関などでは、特に、大型モニターを中心に新設や追加、リプレースが進むとみられる。
 大型モニターは各サイズ帯とも伸びているが、50インチ未満の市場構成比は低下する一方、50インチ以上は上昇しており、低価格化に伴う大型化ニーズ増大が鮮明となっている。解像度別ではこれまでFull HDが中心であったが、4KパネルがFull HDパネルの価格を下回ってきていることから、2019年以降4K以上の大型モニターが急速に市場構成比を高めていくとみられる。8Kの大型モニターは2020年の東京五輪の開催を契機にパブリックビューイングを兼ねた情報表示用途で導入が徐々に増加していくと予想される。
2. コンテンツ制作/配信サービス
2018年見込2017年比2025年予測2017年比
285億円110.0%400億円154.4%
 配信システムの稼働数増加に伴いコンテンツ制作/配信サービスの需要が増えており市場拡大が続いている。特に、スタッフの作業負担増を敬遠する傾向から医療機関における委託比率が高い。また、金融機関や交通機関ではオンプレミス型システムを構築しているため、一部コンテンツについて外部の配信サービスを利用するケースが多い。一方、小売店舗/商業施設などではサーバーやプラットフォームの利用料のみ支払い、コンテンツは自主制作するなどクラウド型サービスによる導入が増えている。今後も中小規模チェーン店の導入増に加え、Webベースサイネージの増加で気軽にプラットフォームのみ利用するケースが増えるとみられる。また、東京五輪が開催されることから、多言語対応を含め告知や案内の必要性が増すため、2019年から2020年にかけては官公庁施設、公共施設でコンテンツ制作を一時的に委託するケースが増加すると予想される。
3. デジタルサイネージ広告
2018年見込2017年比2025年予測2017年比
675億円115.4%1,800億円3.1倍
 デジタルサイネージ広告は交通広告、ビルボード(屋外ビジョン)広告、インストアメディア広告他の3つに分けられる。
 これまで市場をけん引してきたのは交通広告である。デジタルサイネージ設置数は、鉄道では先行してきたJR東日本が圧倒的に多く、広告収入も大きい。地下鉄や私鉄でも設置数/広告収入が増加している。新型車両への切り替え、駅構内やコンコースの改装などのタイミングに、インフォメーション用とは別に設置されている。また、タクシーへの設置が急増しているほか、空港も安定した設置需要があることから、広告も伸びている。鉄道や空港、タクシーに加え、バスや道路サービス施設での設置がさらに増加していくことで、今後も交通広告はデジタルサイネージ広告市場をけん引していくと予想される。
 ビルボード(屋外ビジョン)は、駅前や繁華街などにおける新規設置は減少しているが、家電量販店やショッピングセンターなどの店舗壁面、高速道路や幹線道路沿いの設置は増加しており、市場も拡大している。
 インストアメディア他は、スーパーや家電量販店などを中心に設置されてきたが、2017年以降はコンビニエンスストアや自治体施設で大きく増加した。今後も店舗や施設の属性に応じたターゲティングメディアとして新規設置の増加が予想されるほか、デジタルサイネージ向けにオンラインで広告を配信するデジタルサイネージアドネットワークの普及拡大などにより、媒体価値の向上や効率化が進み、既存システムの一部広告枠活用の進展などによって、市場は交通広告以上の伸びが期待される。
注目市場
関連/周辺ソリューション
 デジタルサイネージの訴求力や利便性、サービスを向上させるためのソリューションである。既存サイネージベンダーが付加価値化や差別化の一環として提供しているほか、異業種からの新規参入もみられる。
 インバウンド/多言語対応ソリューションや防災/減災対応ソリューションは、インバウンド対策やサービス向上を目的として、また、顔認識/画像認識ソリューションや行動/購買分析ソリューション、チャットボット/音声認識ソリューション、SNS連携ソリューションは、マーケティングツールやコミュニティーツールとしての活用が広がっている。これらのソリューションは、既存システムの機能向上と新規システムの付加価値提案になり販売単価上昇につながることから、参入ベンダーの注力度が高く新規参入も増加しており、高い伸びを示している。
 また、行動/購買分析ソリューションやSNS連携ソリューションなどは販売/構築だけでなく、サーバー利用料やライセンス使用料など月額料金を徴収できるため、特に、参入ベンダーの注目度が高く、新規参入も増加している。今後、競合の増加や普及拡大に伴い販売単価が低下すれば、さらに導入が進み、市場が拡大すると予想される。
 デジタル内装ソリューションやARソリューションは、建築物や空間デザインの一環として高級感や幻想的・独創的な雰囲気、アイキャッチ効果を期待する小売店舗/商業施設や公共施設でニーズが高まっている。デジタルサイネージアドネットワークは、参入ベンダーとデジタルサイネージ設置数の増加とともに市場を拡大させてきた。今後はインフォメーションや自社販促用として導入したユーザー(ロケーションオーナー)がレベニューシェアによるシステム維持費用の低減を目的にデジタルサイネージアドネットワークと連携させるケースも増えるとみられることから、市場はさらに拡大すると予想される。マンション/家庭内デジタルサイネージは黎明期であるが、高級マンションのエントランスに加え、今後は賃貸住宅や家具備え付けマンションなどへ広がり、市場拡大が期待される。
内容の詳細につきましては『デジタルサイネージ市場総調査 2019』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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