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『2019年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』まとまる(2019/9/5発表 第19071号)

国内の容器・包装材料市場を調査

2023年市場予測(2018年比)
レジ袋 794億円(28.1%減)
ごみの減量化などを目的に使用量の削減が進み、市場は縮小
電子レンジ対応パウチ 181億円(2.2倍)
高齢化や単身世帯数増加などを背景に需要が増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、環境問題を背景に脱プラスチックが進む国内の容器・包装材料市場を調査した。
 その結果を「2019年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、飲料容器6品目、食品容器10品目、メディカル6品目、産業用包装6品目、軟包装・フィルム16品目、重包装10品目、関連資材8品目の容器・包装材料市場を調査・分析し、採用素材動向や製品ごとの環境問題対策の方向性を明らかにすることで将来を展望した。

注目市場
レジ袋
2019年見込2018年比2023年予測2018年比
1,098億円99.4%794億円71.9%
 レジ袋はごみの減量化などを目的に以前からマイバッグ持参運動、受け取りを辞退することでのポイント付与、有料化などの施策により使用量の削減が進められている。海洋プラスチック問題を背景とした脱プラスチックの動きが世界的に広がっており、2020年4月から全国のスーパーマーケット、CVS、小売店でレジ袋の有料化が決定したことで、使用量の多いCVSでの需要が半減するとみられる。
 採用素材は安価で強度のあるHDPE(高密度ポリエチレン)が主だが、近年需要が増加しているのが植物由来のバイオPE(ポリエチレン)をHDPEに一部添加したバイオPE配合製品である。
ストロー
2019年見込2018年比2023年予測2018年比
99億円99.0%97億円97.0%
 ストローは海洋プラスチック問題から脱プラスチックの動きが起こり、2018年以降急激に外食産業やホテルを中心に使用中止や素材の切り替えが進められている。近年伸びているCVSカウンターコーヒーでもストローの使用中止が打ち出されており、市場は微減で推移するとみられる。
 採用素材は主にPP(ポリプロピレン)であるが、紙や生分解性樹脂であるPLA(ポリ乳酸)やPLA/PBS(ポリブチレンサクシネート)への切り替えが進んでいる。
 海外ではストローの販売・使用制限が進んでいることに加え、ストローを使用せずに飲むことのできる容器の需要が増加している。
電子レンジ対応パウチ
2019年見込2018年比2023年予測2018年比
98億円119.5%181億円2.2倍
 電子レンジ対応パウチは電子レンジで加熱する前に開封作業が不要な自動蒸通パウチである。皿などに移し替えず加熱でき、高齢化や単身世帯数増加などを背景に需要が増加している。CVSの総菜類向けでの需要は若干落ち着いたものの依然としてニーズは高く、カレーやパスタソース向けなどを中心に今後も市場は拡大していくとみられる。環境問題対策としてバイオプラスチックフィルムやリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使用した製品が流通している。
パウチ(非食品用)
 2019年見込2018年比2023年予測2018年比
スパウトなし225億円98.7%220億円96.5%
スパウト付き42億円116.7%74億円2.1倍
合計267億円101.1%294億円111.4%
 洗剤や柔軟剤、シャンプー、コンディショナーなどの詰め替え商品で主に採用されている食品以外を内容物とする非食品用パウチを対象とする。
 プラスチック使用量削減やコストダウンなどを目的にプラスチックボトルからのシフトが進んでいる。複数回に分けて詰め替えが可能な大容量タイプのスパウト付きパウチは需要が増加しており、堅調に伸びるとみられる。しかし、スパウトがなく比較的容量の小さいパウチはスパウト付きに切り替えが進み縮小している。近年、バイオPETフィルムやバイオPEフィルムの採用が増加している。
PSP(ポリスチレンペーパー)食品容器
 2019年見込2018年比2023年予測2018年比
汎用PSP容器1,040億円100.1%1,042億円100.3%
耐熱PSP容器140億円106.1%169億円128.0%
合計1,180億円100.9%1,210億円103.4%
市場データは四捨五入している
 生鮮食品トレーやどんぶりなどに採用される汎用PSP容器とレンジアップ対応の耐熱PSP容器がある。汎用PSP容器は中食市場の拡大に伴い需要が増加しているが、PET系の容器へのシフトがみられるため市場は横ばいとなっている。汎用PSP容器はスーパーマーケットやCVSで店頭回収が行われ、食品トレーやベンチなどの原料としてリサイクルされている。耐熱PSP容器は中食需要や単身世帯の増加、高齢化などを背景としたレンジアップニーズの高まりにより市場が拡大しており、断熱性と軽量性に優れるためPP(ポリプロピレン)フィラー容器からの切り替えが進んでいる。
調査結果の概要
国内の容器・包装材料市場
2019年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望:国内の容器・包装材料市場グラフ
 飲料容器
 清涼飲料市場において、PETボトルが軽量かつリシール性に優れていることから需要が増加している。しかし、市場規模が最も大きい金属缶は減少しており、飲料容器市場は横ばいから微増で推移するとみられる。
 食品容器
 個食化や高齢者の増加、女性の社会進出などを背景に中食市場が拡大し、それに連動してレンジアップ対応容器のニーズが高まっている。また、プラスチック使用量の削減を目的とした容器の薄肉化、リサイクル原料などの使用や発泡容器への代替が行われている。
 メディカル
 利便性や安全性ニーズが高いプレフィルドシリンジが市場をけん引している。高齢化により医薬品市場は拡大しているが、薬価引き下げによる包装資材のコストダウンなどがみられることから今後も大幅な市場拡大は期待できない。
 産業用包装
 市場の大半を占める紙器は食品、医薬品、化粧品向けで需要が安定しているため、市場は横ばいから微増で推移するとみられる。
 軟包装・フィルム
 食品用は高齢化や単身世帯の増加によるレトルトやレンジアップニーズの拡大、非食品用は大容量タイプでの詰め替え需要などにより伸長している。ごみの減量化を目的に縮小するとみられるレジ袋に影響を受け、市場の伸びは鈍化する。
 重包装
 eコマースの利用拡大により国内の輸送量が大幅に増加すると共に、ドライバーや作業人員不足が課題となっている。そのため、作業効率の向上ニーズを軸とした採用する包装材料のシフトや需要の増加がみられ、プラスチックパレットなどが伸びている。
 関連資材
 PETボトル市場が伸長していることからPETボトルキャップの需要が増加している。また、自動車部品の需要増加やeコマースの利用拡大により搬送時に使用される緩衝材の需要が増加している。しかし、縮小している品目もみられることから横ばいから微増で推移するとみられる。
内容の詳細につきましては『2019年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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