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『2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2022/3/15発表 第22025号)

デジタルトランスフォーメーションの国内市場(投資金額)を調査

2030年度予測(2020年度比)
DXの国内市場 5兆1,957億円(3.8倍)
交通/運輸、金融、戦略/基盤、製造などがけん引し、拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、ニューノーマル時代のビジネス変革として急速に広がり、注目されるデジタルトランスフォーメーション(DX)の国内市場を調査した。その結果を「2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編」にまとめた。
 この調査では、製造、流通/小売、金融、医療/介護、交通/運輸、不動産、自治体、社会インフラ/建設/その他業界、営業・マーケティング、カスタマーサービス、コミュニケーション、戦略/基盤の12業種と7種類のDXソリューション市場動向を市場編に、DX関連ソリューションベンダー50社のビジネス戦略や国内企業のDXの実施状況や推進体制、投資分野/予算、課題などを把握するために実施したユーザーアンケートをベンダー戦略編にまとめた。

デジタルトランスフォーメーションとは、AIやIoT、クラウドコンピューティングといった最先端のデジタル技術を活用し、業務やビジネスモデルの変革、新規ビジネスの創出や顧客価値創出を目指す取り組みである。
調査結果の概要
DXの国内市場(投資金額)
 2020年度2030年度予測2020年度比
製造1,620億円5,450億円3.4倍
流通/小売441億円2,455億円5.6倍
金融1,887億円6,211億円3.3倍
医療/介護731億円2,115億円2.9倍
交通/運輸2,780億円1兆2,740億円4.6倍
不動産220億円970億円4.4倍
自治体409億円4,900億円12.0倍
社会インフラ/建設/その他業界499億円2,078億円4.2倍
営業・マーケティング1,564億円4,500億円2.9倍
カスタマーサービス410億円802億円195.6%
コミュニケーション760億円2,290億円3.0倍
戦略/基盤2,500億円7,446億円3.0倍
合計1兆3,821億円5兆1,957億円3.8倍
 DXは企業の重要な課題として位置付けが高まっており、企業価値の向上につながる取り組みとして投資が行われている。現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響からリモート化や自動化などオペレーション改善を目的とする投資やWeb/スマートフォンを軸とする顧客接点改革への投資が積極的に進められている。変化への迅速かつ柔軟な対応を目的にシステムの内製化やマイクロサービスアーキテクチャを採用したシステムの実装も本格化しており、2030年度には5兆1,957億円が予測される。
 製造はOT(生産ラインやシステムの制御・運用技術)環境の可視化やリモート化、サプライチェーンの可視化、分析など事業継続に向けた投資が加速している。設計、開発、生産など生産現場の各プロセス内やバリューチェーン全体を包含したデータ連携やシステム統合などデータ活用に向けた投資、また、技能継承や人材不足といった課題に対する投資、さらにカーボンニュートラル化に向けたグリーンデジタルへの投資も拡大していくとみられる。
 流通/小売はスーパーなどの小売店舗における現場担当者の経験知がシステム化され、需要予測・発注業務が自動化されるほか、OMO(Online Merges with Offline)が進展し、実店舗とECの顧客購買データと行動データを活用したRaaS(Retail as a Service)ビジネスが普及するとみられる。また、販売業務の省人化と顧客行動データの取得・活用、購買体験の向上に向けてデジタル店舗技術が浸透し、市場が拡大するとみられる。
 金融は次世代の金融基盤構築に向けたAPI活用が進み、他サービスとの相互連携などによるシームレスな社会の実現を目指し、業務プロセス全体の効率化に向けた投資の拡大が進むとみられる。非対面需要に伴う店舗の無人化、省人化に向けた投資拡大が予想される。
 交通/運輸は危険運転や交通事故の防止、安全な輸送サービスの実現に向けた投資、交通情報のビッグデータを活用した事業最適化に向けた投資、故障の予兆検知やメンテナンス時期最適化実現に向けた投資が中心である。MaaS実現に向けたデータ統合プラットフォームの構築、さまざまなサービスの連携や、AIをはじめとした先端技術を活用することで、ユーザーの利便性を高めていくための取り組みを進めている。
 自治体は国内人口が減少に転じ、自治体の予算や職員数の減少が予想される中で、これまで以上の住民サービス提供が求められており、業務標準化、RPA/AIといったデジタル技術の活用による業務の効率化や柔軟な働き方の実現によって、人的リソースの有効利用が進むとみられる。また、オンライン行政手続きやチャットボットによる窓口対応など、住民の利便性/満足を向上させることを目的とした投資が活発になるとみられる。
 営業・マーケティングは、業務効率化や売上拡大の実現が期待され、投資が進んでいる。CRM/SFAの導入による顧客とのコミュニケーションの統合的管理、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)やDMP(データマネジメントプラットフォーム)の導入によるユーザーに合わせた顧客体験の提供によってCX向上が実現できる。また、オンライン商談ツールによる場所を問わない営業やデジタルマーケティング基盤の整理による営業/マーケティング活動の効率化によってコスト削減も可能となり、投資が活発化している。
ユーザーアンケート(インターネットリサーチ)
勤務先のDXの導入状況 N=624(シングルアンサー)
選択肢回答率
既に導入を開始しており、具体的な施策を実行している34.0%
導入を開始しているが、検討や実証実験段階である31.3%
今後3年以内に導入を開始する計画がある
(実証実験や具体的な施策検討までは行っていない)
9.5%
時期は未定であるが導入計画がある12.5%
今後導入予定であるが、具体的な計画はない12.8%
 DXの導入済みユーザーは34.0%(前回の2020年10月調査19.5%)、実証段階を含む3年以内の導入計画があるユーザーは40.8%(同29.9%)となり、いずれの結果も前回のユーザーアンケート結果より大きく増加した。
2021年度のDX導入予算の増減傾向 N=407(シングルアンサー)
選択肢回答率
大幅に増額した(前年度比+50%以上)8.8%
増額する見通し52.6%
同額の予算である見通し36.6%
減額する見通し2.0%
大幅に減額する見通し(前年度比−50%以上)0.0%
 2021年度は 98.0%のユーザーが増額、もしくは増額や同額の予算である見通しであり、引き続き高い水準が維持されるとみられる。
DXの導入を進める上で、ベンダー(パートナー)を選定するポイント N=624(シングルアンサー)
選択肢回答率
AIやIoTなどデジタル技術に精通している14.9%
自社の業界、業務に精通している25.3%
DXの実現に向けた課題解決力やビジネスデザイン、企画に優れている24.4%
総合的にDX化の支援が可能である17.8%
選定のポイントが分からない。どこに相談していいか分からない16.8%
その他0.8%
 「選定のポイントがわからない。どこに相談してよいかわからない」と回答した企業も一定数見られ、ユーザーに向けた積極的なDXのコンサルティングや営業活動が求められていると言える。
モダナイゼーション(基幹系システムの刷新、再構築)についての取り組み N=624(シングルアンサー)
選択肢回答率
既に刷新、再構築、移行済み12.3%
現在刷新、再構築、移行中27.6%
計画、検討中29.6%
分からない、予定なし30.4%
 取り組み済み、または検討中/現在移行中と回答した企業は69.6%となり、モダナイゼーションへの関心が高いことが明らかとなった。
内容の詳細につきましては市場編ベンダー戦略編をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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