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『2022 化合物半導体関連市場の現状と将来展望』まとまる(2022/8/30発表 第22091号)

化合物半導体とその関連部材・装置の世界市場を調査 MiniLED、MicroLEDの需要が増加

2030年予測(2021年比)
化合物半導体とその関連部材・装置の世界市場 17兆8,396億円(2.6倍)
6G通信対応やEVの本格的な普及、スマートグリッド需要の増加などにより市場拡大
MiniLED市場 1,559億円(5.1倍)
LEDディスプレイ向けを中心に、TVや一部の車載ディスプレイ向けなどが市場をけん引
MicroLED市場 1兆1,200億円
スマートグラスやスマートウォッチでの採用が期待され、急成長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、SDGsや低炭素社会の進展を背景に、それらを実現するアプリケーションでの採用が期待され、需要が増加するとみられる化合物半導体と関連部材・装置の世界市場を調査した。その結果を「2022 化合物半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、光デバイスやRFデバイス、パワーデバイス関連の化合物半導体24品目と関連部材・装置19品目のほか、有望アプリケーション6品目の市場を捉え、将来を展望した。

調査結果の概要
化合物半導体とその関連部材・装置の世界市場
 2022年見込2021年比2030年予測2021年比
化合物半導体8兆2,114億円129.3%14兆6,890億円2.3倍
光デバイス5兆1,550億円129.0%8兆3,090億円2.1倍
RFデバイス2兆7,581億円124.9%2兆8,350億円128.3%
関連部材・装置8,339億円137.8%3兆1,506億円5.2倍
合計9兆452億円130.0%17兆8,396億円2.6倍
光デバイス、RFデバイスは化合物半導体の内数
市場データは四捨五入している
 化合物半導体市場は、本格的な成長期を迎えており、欧米を中心としたインフレやゼロコロナ政策による中国経済の成長鈍化、ウクライナ・ロシア問題の長期化など経済環境が悪化する中でも堅調な拡大がみられる。従来はSi半導体の代替という位置付けであったものの、Si半導体ではカバーしきれなかった領域での採用が始まっており、その重要性が再認識され、需要が増加している。
 光デバイスは、5G通信の導入と普及による基地局やデータセンターへのインフラ投資を受けて好調なほか、次世代ディスプレイとして注目されるMiniLEDとMicroLEDの開発が活発化しており、今後の市場拡大をけん引するとみられる。RFデバイスは、5G通信普及による基地局への投資に加え、長期的には6G通信のインフラ導入により堅調な伸びが予想される。パワーデバイスは、EVのモーターやインフラの急速充電設備に採用されることから、EV市場の拡大に伴い急成長するとみられる。また、SDGsへの関心の高まりにより、スマートグリッド需要の増加が期待されるほか、衛星通信やマグネトロンなど工業分野での採用が増えるとみられる。
 関連材料・装置市場は、基板やLED用シリコーン封止材、有機金属、セラミックパッケージなどで構成され、7割以上を基板が占める。基板では、EVとスマートフォンの充電器需要が増加していることからGaN on Si基板とSiC基板の需要が増えている。SiC基板の伸びが大きく、今後市場をけん引するとみられる。
注目市場
MiniLED、MicroLED
 2022年見込2021年比2030年予測2021年比
MiniLED657億円2.1倍1,559億円5.1倍
MicroLED110億円1兆1,200億円
合計767億円2.5倍1兆2,759億円41.6倍
 MiniLED、MicroLEDは次世代のLED技術・製品として注目されており、従来のLEDチップ・パッケージと比較してサイズが極めて微小となっている。2021年にMiniLED、2022年にMicroLEDの市場が本格的に立ち上がっている。今後MicroLEDが市場をけん引し、2030年には2021年比41.6倍の1兆2,759億円が予測される。
 MiniLEDは、チップサイズが50μm〜200μm前後およびLEDディスプレイ向けでは200μm〜300μm品を対象とする。
 MiniLEDは、LEDディスプレイ向けとバックライトユニット向けが中心である。LEDディスプレイ向けが、2021年時点で数量ベースでは6割以上を占めており、アプリケーション市場自体が好調なほか、高精細化に伴う搭載LEDチップ数も増加していることから引き続き伸びるとみられる。バックライトユニット向けの主なアプリケーションはTVやタブレット端末、ノートPC、車載ディスプレイなどである。2021年にタブレット端末ではApple「iPadPro」、TVではSamsung El.やLG El.など主要なメーカーから採用モデルが発売されたことから本格的に市場が立ち上がった。発色性などOLEDと比べメリットは多いものの、現状ではコストが極めて高いことからハイエンドクラスでの採用が中心となっている。今後、出荷数量の増加に伴いコストも低下していくことが予想され、中小型製品での採用も進むとみられる。中長期的にはLEDディスプレイ向けを主用途に、TVや一部の車載ディスプレイ向けなどが市場をけん引するとみられ、2030年には2021年比5.1倍の1,559億円が予測される。
 MicroLEDは、チップサイズが50μm以下のRGB自発光デバイスおよび34×58μm品を対象とする。
 主なアプリケーションはTVやLEDディスプレイ、スマートグラス、スマートウォッチなどである。TVはすでにSamsung El.などから採用製品が発売されており、ラインアップが増加する2022年に本格的に市場が立ち上がるとみられる。ただし、依然としてMass Transfer技術をはじめ、欠陥補正やメンテナンスなど、生産技術が発展途上であることから製造コストが極めて高い。2022年時点では、一般消費者向けではなく富裕層向けのハイエンド製品に採用されており、普及期に入るには時間を要するとみられる。LEDディスプレイはシネマスクリーンなどで採用が期待されるが、生産技術・コストの観点から本格的な採用増加には至っていない。
 一方、大型と比較して生産技術・歩留まりの難易度が下がる小型ディスプレイを搭載するスマートグラスやスマートウォッチへの採用が注目されており、2023〜2024年頃にそれら向けの需要が増えるとみられる。現在、競合品であるOLEDとの価格差が大きいことから普及へのハードルは高いものの、量産によるコスト低下が、市場全体を押し上げる契機になると期待され、2030年には1兆1,200億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2022 化合物半導体関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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