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『2022 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2022/11/11発表 第22118号)

通信機器、通信サービスの国内市場を調査 IoTやDXに関連した機器/サービスが好調

2026年度予測
通信機器の国内市場 3兆3,292億円
ネットワークの増強/増速やIoTへの対応によりネットワーク関連製品が伸びる
通信サービスの国内市場 10兆8,786億円
インターネット接続サービスはFTTHの普及拡大で伸長。移動体通信サービスは縮小
CPaaS(Communications Platform as a Service) 520億円
顧客体験向上への投資拡大、社内DXの進展などにより伸長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、ARPU(1ユーザー当たりの平均売上金額)の停滞や、端末買い換えサイクルの長期化などにより移動体通信関連が低調な一方、DXやカーボンニュートラル、また「IOWN構想」などを踏まえた新たな展開がみられる、国内の通信機器と通信サービス市場を総合的に調査、分析した。その結果を「2022 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。
 この調査では、通信機器(ネットワーク関連製品10品目、音声関連製品5品目、会議関連製品2品目、移動体通信端末3品目、移動体通信基地局関連製品5品目)計25品目、通信サービス(インターネット接続サービス4品目、移動体通信サービス2品目、固定データ通信サービス5品目、音声関連サービス5品目、その他サービス7品目)計23品目の市場について現状を調査し、将来を予想した。

調査結果の概要
通信機器の国内市場
 2022年度見込2021年度比2026年度予測2021年度比
全体3兆4,052億円95.3%3兆3,292億円93.1%
 ネットワーク関連製品5,500億円100.1%5,825億円106.0%
 移動体通信端末2兆1,577億円93.1%2兆959億円90.4%
ネットワーク関連製品、移動体通信端末は全体の内数
 2021年度は、4Gおよび5G通信ネットワーク構築のための通信キャリアによる投資が本格化したが、半導体不足による通信機器生産体制の不備や「GIGAスクール構想」関連の特需が終了したことから市場は縮小した。2022年度は移動体通信端末や固定電話端末の不振などにより、市場は前年度比4.7%減が見込まれる。今後、IoT関連の需要増加によりネットワーク関連製品は伸びるとみられるが、6割以上を占める移動体通信端末はコンシューマー向けの需要一巡や買い換えサイクルの長期化により苦戦するため、市場縮小が予想される。
 ネットワーク関連製品は、半導体不足の影響や「GIGAスクール構想」関連特需が落ち着いたことから、需要が減少している品目がみられるが、テレワーク環境の整備や大容量通信、ネットワークの増強/増速需要は底堅く、ルーターやPONシステムなどが伸びており、市場は拡大している。今後、半導体不足の解消に伴う不安定な製品供給の改善により、新たな需要が喚起されることが期待される。特に、IoTへの投資が増加していることから、IoTゲートウェイの産業やコンシューマー向けでの導入促進が期待される。
 移動体通信端末は、コンシューマー向け製品の需要が一巡しており、5G対応製品の発売やリプレース需要があるものの、今後も縮小が続くとみられる。なお、一部法人向けでは、DXソリューションとの連携を目的とした導入が進むとみられる。
 移動体通信基地局関連機器は、2021年度は移動体通信キャリアが5G通信対応のため基地局製品の調達を進めたことや、SA方式対応でEPC/5GC(5G通信のコア装置)の調達を進めたことなどから、市場は拡大した。また、ローカル5G/プライベートLTE基地局、ローカル5G/プライベートLTEコアは、製造業などのPoC案件の獲得などにより需要が増えた。今後は移動体通信キャリアがモバイルネットワークへの設備投資を抑制する方向であるため移動体通信基地局の需要は縮小するとみられる。一方、ローカル5G/プライベートLTE基地局などは、製造業やCATV事業者、プラントなどでの商用導入の増加、構内PHSシステムの代替需要獲得などで順調な伸びが期待される。
 音声関連製品は、働き方の多様化に伴う新たなコミュニケーション環境構築ニーズの高まりに対応して、ソフトフォンや、IPネットワーク上の音声通信で異なる端末やサービス同士を相互接続するSBCなどが伸びるとみられる。一方、呼制御装置や固定電話端末は設備/運用管理コストの削減によりクラウドPBXサービスやスマートフォンへの移行が進行するため縮小が予想される。
 会議関連製品は、ビデオ会議システムはWeb会議サービスへの移行により低調な推移となる一方、会議用マイクスピーカーはオフィス回帰が進むことから堅調な需要が期待される。
通信サービスの国内市場
 2022年度見込2021年度比2026年度予測2021年度比
全体11兆7,070億円98.1%10兆8,786億円91.1%
 インターネット接続サービス2兆8,282億円101.5%2兆9,920億円107.3%
 移動体通信サービス6兆8,029億円97.0%6兆550億円86.3%
インターネット接続サービス、移動体通信サービスは全体の内数
 テレワークの普及に伴い、インターネット接続サービスやWeb会議サービス、リモートアクセスサービスなどは伸びているが、使用料金の低廉化で移動体通信サービスが落ち込んでおり、市場は縮小している。今後、規模の大きい移動体通信サービスの縮小、また、音声関連サービスの需要減少などにより、市場縮小が続くと予想される。
 インターネット接続サービスは、テレワークや外出自粛に伴うWebコンテンツ利用に対応したFTTHサービス需要の獲得、また、ADSLサービスからFTTHサービスへの移行などにより伸びている。今後も通信の安定性や高速性などを背景にFTTHサービスへの移行が想定される。また、マンション全戸一括向けのFTTHサービスの需要が増えており、堅調な伸びが予想される。
 移動体通信サービスは、オンライン専用プランの開始やサブブランド展開の推進により低価格サービスが広がったことから、縮小が続いている。今後、携帯電話サービスは、少子化などを背景に主軸の個人向けで新規ユーザーの獲得が鈍化するとみられる。MVNOサービスは、小容量の低廉なプランにより小幅ながら伸びるとみられる。なお、携帯電話サービス、MVNOサービスともに車載やスマートメーター向けなどのIoT需要は堅調な増加が期待される。
 固定データ通信サービスは、クラウドシフトやネットワーク再構築の需要が増えたことから、小幅ながら伸びている。特に、インターネットVPNサービスやSD-WANサービスが好調である。また、各拠点から直接インターネットにアクセスするローカルブレイクアウトのニーズ増加に伴い、SD-WANサービスが大きく伸びると予想される。
 音声関連サービスは、コミュニケーション手段の多様化に伴う通話機会の減少により、レガシー電話サービスは縮小が続くとみられる。法人向けでは、移動体通信サービスとの連携をはじめとした勤務環境整備に向けて、クラウドPBXサービスやFMCサービスは堅調な伸びが予想される。
 その他サービスは、テレワークを支える業務インフラとしてWeb会議サービスやビジネスチャットサービス、リモートアクセスサービスの需要が増えている。また、企業ビジネスのデジタル化を支援するCPaaSの利用拡大、5Gインフラの整備を背景にインフラシェアリングサービスも急伸するとみられる。
注目市場
CPaaS(Communications Platform as a Service)
2022年度見込2021年度比2026年度予測2021年度比
88億円157.1%520億円9.3倍
 API(Application Programming Interface)を活用して通信機能に接続しメッセージ(SMS/チャット/メール)や音声通話(固定電話/携帯電話/WebRTC/SIP)、ビデオ通話などのコミュニケーション機能を提供するクラウドサービスである。ユーザーは短期間、低コストで自社システム/サービスにコミュニケーション機能が追加できる。ここではメッセージ系、音声通話系、ビデオ通話系のAPI、アプリケーションを対象とし、市場はCPaaSを利用する際の利用料金で捉えた。
 顧客体験(CX)向上への投資拡大や社内DXの進展(業務効率化/働き方改革)などを実現するため、Eコマースやカスタマーサービスを開発する際に、自社に適応した独自システムの開発で競合と差別化を図る取り組みが増えており、CPaaSの利用により短期間・低コストでシステム構築が実現できるため需要が増えている。
 メッセージ系は、開封率が高いSMSを活用し、問い合わせ内容/予約内容のリマインドや、ECサイトのパスワードの再発行関連、非常時の一斉通知などのサービスで利用されている。音声系は、テレワーク時の電話対応や従業員の業務負担軽減を目的に利用が増えている。今後、顧客満足度の向上やビジネス機会損失の防止につながるサービスの提供を目的に導入が進むとみられる。ビデオ系は、リモートショッピングサービスや商談システムの構築を目的に利用が増加している。アプリケーションは、AIや二要素認証の利用増加が伸びをけん引するとみられる。AI活用により顧客データ利活用の高度化や、業務の自動化が可能となるため、音声APIなどと組み合わせた利用が増加、また、二要素認証は不正アクセス防止への取り組みとしてECサイトなどへの導入が増えている。
SD-WANサービス
2022年度見込2021年度比2026年度予測2021年度比
56億円130.2%118億円2.7倍
 ソフトウェアによりアプリケーションの可視化、経路制御、CPE(顧客構内設備)集中管理などの機能を提供するWANサービスであり、CPEをレンタル提供するサービスを対象とした。
 2021年度は、テレワークの普及や業務アプリケーションの多様化に伴ってクラウドサービスの利用が増え、クラウドへの接続が可能なオープンネットワークへの移行が進んだことから需要が増加した。2022年度は、マルチクラウド化の進行やSaaS利用の増加が続き、トラフィック量増加への対応のため、各拠点からインターネットに直接アクセスするローカルブレイクアウトの需要が増えており、市場は拡大するとみられる。2023年度以降もクラウドシフトを受けた伸びが期待されるほか、ネットワークとセキュリティの機能をクラウド上で包含的に提供するSASE(Secure Access Service Edge)を実現するサービスとしても需要増加が予想される。
 新型コロナ流行が収束すれば、テレワークとオフィスワークのハイブリッドへの移行が進み、対応してネットワークの見直しや閉域ネットワークからの移行が徐々に進むため、既存VPNサービスからのリプレース需要の増加も期待される。
内容の詳細につきましては『2022 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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