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『2023年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望 ライフ・インダストリーフィルム編』まとまる(2023/3/15発表 第23030号)

エレクトロニクス分野以外の注目機能性フィルムの市場を調査

2026年予測(2021年比)
機能性フィルムの国内市場
 工業・自動車分野 128億円(130.6%)
EV・HVの生産台数増加に伴って関連品目が伸長
 エネルギー分野 1,633億円(2.1倍)
LiB用セパレーターやLiB用ラミネートフィルムが市場拡大をけん引
 容器包装分野 258億円(115.7%)
イージーピールフィルムや吸湿フィルムの採用範囲の広がりで市場拡大
EV・HVモーター用絶縁フィルムの世界市場 236億円(4.1倍)
自動車の電動化やモーター容量の大型化に伴って需要増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、EV・HVの生産台数増加に伴う蓄電池やモーターの需要増加、モノマテリアルや脱プラスチックといった環境対応ニーズの高まりなどの影響がみられる容器包装や工業用の機能性フィルム市場を調査した。その結果を「2023年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望 ライフ・インダストリーフィルム編」にまとめた。  この調査では、工業・自動車分野6品目、エネルギー分野5品目、ライフサイエンス分野5品目、建築・農業分野6品目、容器包装分野7品目、バリアフィルム分野5品目の機能性フィルムを対象に、市場の現状を明らかにし、将来を展望した。なお、機能性エレクトロニクスフィルムは、「同 エレクトロニクスフィルム編」でまとめており、調査結果の概要は2023年3月1日に発表した。

調査結果の概要
工業・自動車分野、エネルギー分野、容器包装分野の機能性フィルムの国内市場
 2022年見込2021年比2026年予測2021年比
工業・自動車分野108億円110.2%128億円130.6%
エネルギー分野1,020億円134.0%1,633億円2.1倍
容器包装分野240億円107.6%258億円115.7%
 工業・自動車分野は、自動車生産台数の回復により、市場の半分を占める自動車ウィンドウフィルムなど自動車関連のフィルムが好調である。
 2050年のカーボンニュートラル実現に向けた国内でのガソリン車販売の規制検討などを背景に、自動車の電動化が進むとみられ、EV・HV関連の品目が引き続き大きく伸長すると予想される。遮熱ニーズの上昇によって自動車ウィンドウフィルムは安定した需要が予想されるほか、ガソリン車の規制に伴うEV・HVの生産台数の増加でEV・HVモーター用絶縁フィルムが大きく伸びるとみられ、市場拡大に寄与すると予想される。
 エネルギー分野は、EV・HVの生産台数の増加によってリチウムイオン二次電池(LiB)の需要が高まっており、LiB用セパレーターやLiB用ラミネートフィルムが好調である。
 今後も引き続きEV・HVの生産は増えるとみられ、LiB用セパレーターやLiB用ラミネートフィルムが市場拡大をけん引するとみられる。太陽電池向けは、世界市場は拡大するものの、国内での生産は限られているため、国内市場は縮小が続くと予想される。
 容器包装分野は、食品包装や医薬品、トイレタリー向けなどで採用が多い。特に、食品包装ではフードロス問題の対策として、賞味・消費期限の延長に寄与するイージーピールフィルムや脱酸素フィルムの需要が増加していることなどから、2022年の市場は前年比7.6%増が見込まれる。
 今後はイージーピールフィルムが冷凍食品や冷凍弁当など電子レンジ対応食品での採用を進めるとみられるほか、吸湿フィルムの新規医薬品での採用増加や、各フィルムの認知度向上による他用途への展開を通じて、2026年に向けて市場拡大が予想される。
注目市場
EV・HVモーター用絶縁フィルムの世界市場【工業・自動車分野】
2022年見込2021年比2026年予測2021年比
105億円181.0%236億円4.1倍
 EV・HVの駆動用モーターに使用される絶縁材のうち、コイルとステーターおよび鉄コアの間を電気絶縁する絶縁フィルムを対象とする。なお、電動車の駆動モーターは、分布巻モーターと当該品が不要な集中巻モーターに大別されるが、主流は分布巻モーターである。
 自動車の電動化の進展とともに市場は拡大しており、2022年は前年比81.0%増の105億円が見込まれる。
 今後は、CO2排出量規制などの世界的な環境規制強化、欧州をはじめとする内燃車の撤廃などを背景に、EV・HVの普及がさらに進むとみられ、モーター用絶縁フィルムの需要増加が予想される。モーター容量(出力)が大きいEV・HVの普及に伴い、絶縁フィルムを使用する出力トルクが大きく電磁音も小さい分布巻モーターの採用が増えることも市場拡大の追い風となるとみられる。
ペイントプロテクションフィルムの世界市場【工業・自動車分野】
2022年見込2021年比2026年予測2021年比
854億円134.3%1,030億円161.9%
 自動車のボディに張り、小石などが跳ねた際につく汚れや傷を防止するフィルムを対象とする。
 2022年は、上半期に原料であるTPU(熱可塑性ポリウレタン)が不足したため、前年に比べて需要の伸びは鈍化するものの、北米や中国の需要が旺盛なため、市場拡大が予想される。特に、中国では高級車向けが伸びている。
 従来は、ボディの前面のみなど施工範囲を限定するケースも多かったが、近年ではフルラッピングが増えており、1台当たりの使用量が増加している。製品認知度の向上とともに、今後さらに市場は拡大するとみられ、2026年には前年比61.9%増が予測される。
太陽電池用バックシートの世界市場【エネルギー分野】
2022年見込2021年比2026年予測2021年比
5,624億円140.0%8,854億円2.2倍
 太陽電池の背面で太陽電池内部のセルや封止剤を保護するフィルムを対象とする。
 世界的な再生可能エネルギー導入推進施策を背景に太陽電池の需要が増えている。2020年から2021年にかけては中国で大規模な補助金支援政策が実行されたことにより、太陽電池の需要が大幅に増加したため、市場が急拡大した。2022年は米国や中東エリアの非住宅向けを中心に伸びており、前年比40.0%増が見込まれる。
 今後は、引き続き非住宅向けを中心とした太陽電池の伸びに伴い、市場拡大が予想される。特に、メガソーラーなど広大な土地のある米国や中東エリアでは大規模プロジェクトが進んでいることから、2026年に向けて市場拡大が予想される。
バリアコート紙の国内市場【バリアフィルム分野】
2022年見込2021年比2026年予測2021年比
2億円100.0%6億円3.0倍
 無機系顔料バリアコーティングと紙で構成されるバリア紙を対象とする。食品に多く採用され、コーヒーなど香りの強いものや菓子類の包装に使用される。
 脱プラスチックニーズを受けて、2020年前後からバリア包材領域における紙化が加速しており、食品包装用途を中心に需要が増えている。包装資材として紙マークを取得することが可能なことも追い風となり、市場は拡大している。
 今後も、食品メーカーを中心に、環境対応のためプラスチック素材を削減した紙マーク包材を使用する動きは増加するとみられ、市場拡大が予想される。
内容の詳細につきましては『2023年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望 ライフ・インダストリーフィルム編』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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