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『2023 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』まとまる(2023/4/17発表 第23045号)

先端/注目半導体デバイスや関連装置の世界市場を調査

2028年予測(2021年比)
先端/注目半導体デバイス13品目の世界市場 55兆5,373億円(141.5%)
データセンター設置のサーバー、自動車関連の需要増加を背景に、市場拡大
半導体関連装置6品目の世界市場 8兆4,280億円(192.2%)
大手IDM(垂直統合型デバイスメーカー)やファウンドリーの生産能力増強が進む
サーバー向けアクセラレーター 5,123億円(3.5倍)
クラウドサービス事業者の需要が引き続き高まる

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、米中貿易摩擦に起因した一部の先端半導体デバイスや製造装置に対する中国への出荷規制などサプライチェーンの問題が顕在化する中、データセンターや5G通信、ADAS・自動運転での高速処理ニーズを背景に、微細化や高集積化が進みニーズが高まる先端/注目半導体市場を調査した。その結果を「2023 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、半導体を活用した部材である半導体デバイス13品目と半導体関連材料13品目、半導体関連装置6品目、その他部品材料4品目について市場の現状を明らかにし、将来を展望した。また、半導体の需要を左右するアプリケーション4品目の市場動向についても分析を行った。

調査結果の概要
先端/注目半導体デバイス13品目の世界市場
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
40兆389億円102.0%55兆5,373億円141.5%
 2022年はリモートワークの普及などに起因するセット機器需要が急拡大した前年の反動を受けてPC向けの需要が大幅に減少している。一方、サーバー向けアクセラレーターやイーサーネットスイッチチップ、MRAM(磁気抵抗メモリー)などデータセンターや、車載SoC・FPGA、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などEVに用いられるデバイスで前年比20%以上の伸長が予想され、市場は微増するとみられる。
 今後は、各種クラウドサービスの普及や高品質化を支えるデータセンターの需要増加に伴って、サーバー向けが増えることから、2028年の市場は2021年比41.5%増が予測される。また、EVやADAS・自動運転など高度な電装システムにおける需要増加も市場拡大に貢献するとみられる。
半導体関連装置6品目の世界市場
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
5兆8,630億円133.7%8兆4,280億円192.2%
 2022年は、市場の4割を占める露光装置がメモリーやアナログデバイス、パワーデバイス、センサーなど多様なデバイスで需要が増えており、伸長している。また、前年の需要急増を背景とした受注残分の出荷がずれ込んだことから、モールディング装置やフリップチップボンダーなどが伸びているため、市場拡大している。
 2024年以降は、大手IDM(垂直統合型デバイスメーカー)やファウンドリーの生産能力増強が進むとみられ、2028年の市場は、2021年比92.2%増の8兆4,280億円が予測される。
注目市場
サーバー向けアクセラレーター
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
2,073億円143.0%5,123億円3.5倍
 並列処理を集中して行うためのIC(集積回路)であり、主に、並列処理性能が低いCPUを補完する目的で用いられる。クラウドサービスの高速化・高品質化を目的としたデータセンターのサーバー向けが増加している。
 2022年は、米国政府によるNVIDIAの「A100」「H100」の対中国輸出規制が市場拡大のマイナス要因となっているが、高速化・高品質化によるクラウドサービスの差別化を目的とし、大手クラウドサービス事業者で需要が高まっているため、市場拡大が予想される。
 今後は、NVIDIAが輸出規制対象にならない代替製品を製品化する方針であり、長期的には対中国輸出規制の問題が解消されるとみられる。大手クラウドサービス事業者の需要も引き続き高まるとみられ、2028年の市場は2021年比3.5倍が予測される。
CPU(PC向け・サーバー向け)
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
9兆2,007億円108.2%10兆8,975億円128.2%
 2022年の市場は、前年比8.2%増が見込まれる。PC向けは、リモートワーク普及に伴ってセット機器需要が前年に急拡大した反動を受けて大幅に縮小している。サーバー向けは、上位メーカーの最新製品の投入遅延や、世界経済悪化に伴う大手クラウドサービス事業者の投資控えがみられたため、伸びは鈍化するとみられる。
 PC向けは2023年以降も出荷減少が続くと予想されるが、2025年以降は微増で推移するとみられる。また、単価の高いサーバー向けが堅調に推移することで市場は拡大し、2028年は2021年比28.2%増の10兆8,975億円が予測される。
車載SoC・FPGA
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
7,360億円135.3%1兆3,680億円2.5倍
 カーナビゲーションシステム、In-Vehicle Infotainment(IVIシステム)などの情報表示機器向けと、車載カメラやミリ波レーダーなどのADAS関連製品向けのSoCとFPGAを対象とする。SoCは、特定のシステム動作に必要な機能を一つの半導体チップに実装した製品であり、MPUを核としてGPUやコントローラー、メモリーなどを統合したICである。FPGAは、書き換え可能であり、自前でユーザーがプログラムすることが可能なロジックデバイスである。
 車載カメラやミリ波レーダーなどADAS関連製品の搭載が増えていることから、2022年の市場は前年比35.3%増が見込まれる。
 今後も、自動運転の実現に向けてADAS関連製品の搭載が増加するため、市場は拡大するとみられる。また、情報表示機器向けでは、自動車がインターネットを通じて外部と繋がるケースが増え、カーナビゲーションシステムやディスプレイオーディオなどからIVIシステムへの移行が進むことから、より高度なSoCの需要が高まるとみられる。
DRAM
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
10兆9,000億円101.9%17兆8,000億円166.4%
 揮発性の高速メモリーとしてデータの一時保存などに使用され、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器に搭載されるLPDDR、PCやサーバーに搭載されるDDR、主にグラフィックボードに搭載されるGDDRに区分される。
 2022年は、中国を中心にスマートフォンなど民生機器の需要低迷の影響がみられLPDDRは減少した。しかし、上半期に大容量なサーバー向けが好調でDDRが伸びたことから、市場は前年比1.9%増が見込まれる。
 2023年は、スマートフォンの需要回復は期待できないものの、北米を中心としたサーバー需要の高まりを背景にDDRを中心に市場は拡大するとみられる。その後もDDRは大きく伸長するとみられ、出荷数量に占める割合は2028年に82.4%に高まり、市場拡大をけん引すると予想される。
NAND
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
7兆2,500億円96.2%11兆9,000億円157.8%
 電気的にデータを一括消去、書き換えを行う不揮発性の半導体メモリーである。プレーナー型の2D NANDと積層型の3D NANDに分けられる。現在は、1チップ当たりの容量増加などを目的に、3D NANDの開発が進んでおり、200層を超える多層化を行った製品の発売などがみられる。
 2022年は、用途の9割弱を占めるモバイル機器やPCといった民生機器のセット機器需要が低迷した一方、参入メーカーが高い稼働率でNANDの生産を続けたことで供給過剰となり、価格が下落しているため、市場は前年比3.8%減が見込まれる。
 2023年は、前年同様モバイル機器やPC市場の伸びが期待できない。ただし、サーバー向けの伸長によって市場は拡大が予想される。将来的にはサーバー向けの伸びにより、2028年の市場は2021年比57.8%増が予測される。
内容の詳細につきましては『2023 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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