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『2023 SX/GXによって実現するサステナビリティ/ESG支援関連市場の現状と将来展望』まとまる(2023/8/30発表 第23096号)

SX/GX関連のITソリューションの国内市場を調査

2030年度予測(2022年度比)
SX/GX関連のITソリューションの国内市場 8,498億円(3.2倍)
ESG経営への取り組みが加速し、拡大が続く
脱炭素コンサルティングサービス 1,300億円(3.3倍)
製品・サービスレベルでの排出量把握や削減のためのコンサルティングニーズが増加
ESGコンサルティングサービス 1,600億円(5.3倍)
上場企業を中心に管理者や一般社員への実働支援を目的とした導入が増える

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、温室効果ガス排出削減やサステナビリティ経営への取り組み情報開示などが進むことで需要が高まるSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)/GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連のITソリューションの国内市場を調査した。その結果を「2023 SX/GXによって実現するサステナビリティ/ESG支援関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、SX/GXによるESG経営を推進するITソリューションとして、E(環境系)15品目、S(社会系)14品目、G(ガバナンス/ESG横断系)4品目を対象にそれぞれの市場を調査し、将来を展望することで、SX/GX関連市場の現状を明らかにした。

調査結果の概要
SX/GX関連のITソリューションの国内市場
 2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
環境系1,410億円122.3%3,343億円2.9倍
社会系1,253億円120.8%2,815億円2.7倍
ガバナンス/ESG横断系592億円123.1%2,340億円4.9倍
合計3,255億円121.9%8,498億円3.2倍
 脱炭素を契機にESG関連への取り組みは活性化しており、2023年度の市場は3,255億円が見込まれる。今後もESG経営は企業価値向上の基本的な取り組みとして定着するとみられ、2030年度の市場は2022年度比3.2倍の8,498億円が予測される。
 環境系は、現状把握や分析のためGHG(温室効果ガス)排出量算定支援/可視化ツールを中心にGX関連が伸びているほか、AIやIoTを活用した空調制御、電力の需給管理などデジタル技術の活用が進展している。リモートワークを契機に電子契約ツールなどペーパーレス化に関する品目も伸びている。
 今後は、CFP(カーボンフットプリント)やScope3対応、サプライチェーンやバリューチェーン全体でのGHG排出削減を目標に、脱炭素コンサルティングサービスやGHG排出量算定支援/可視化ツールの伸長が予想される。環境データの分析、活用と環境負荷の削減や改善に関わるデータ利活用の進展なども加わり、市場は引き続き拡大するとみられる。
 社会系は、冠水防止目的の道路監視や土砂災害発生に備えた斜面監視を目的に、防災ソリューションの導入が伸長している。また、人的資本やウェルビーイング実現に向けた投資も増加しており、HCM(人的資本管理向けプロダクト)などが伸びているため、2023年度の市場は1,253億円が見込まれる。
 今後は、高齢化の進展や労働人口不足によって生産性向上を目指したHR Tech(Human Resources Technology)領域が大きく伸びる。また、スマートシティ基盤の構築で都市インフラや住民生活のデジタルツイン化が進展し、2030年度の市場は、2022年度比2.7倍が予測される。
 ガバナンス/ESG横断系は、非財務情報開示業務の効率化や高度化を図るため、EPM(Enterprise Performance Management)やESGコンサルティングサービスが伸びていることから、2023年度の市場は2022年度比23.1%増が見込まれる。
 今後は、サーキュラーエコノミーや生物多様性などESG全般にわたる施策への投資が増加すると予想され、2030年度の市場は2022年度比4.9倍が予測される。
注目市場
脱炭素コンサルティングサービス
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
500億円125.0%1,300億円3.3倍
 企業のカーボンニュートラル、ネットゼロ実現に向けた現状把握や施策策定、実行支援、改善などを支援するコンサルティングサービスを対象とする。
 排出量の算定や可視化について相談する上場大手企業が増えている。Scope3算定支援やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの開示支援に関するグローバル製造業や大手金融機関の問い合わせも増加しており、市場は拡大している。
 2024年度以降も、排出量の現状把握や分析、施策策定の需要は底堅いとみられる。また、取り組みが先行している企業では、Scope3やLCA(ライフサイクルアセスメント)、CFPといった製品・サービスレベルでの排出量算定や削減の支援、規制/税制などグローバル対応の強化、開示基準への対応などより具体的かつ高度な相談に移行することから、2030年度に向け市場は拡大を続けると予想される。
ESGコンサルティングサービス
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
360億円120.0%1,600億円5.3倍
 ESGに関する経営課題の現状分析や経営/事業戦略の策定、実行支援(人材育成、プロジェクト推進)、検証・評価がテーマのコンサルティングサービスを対象とする。
 2022年度頃よりESG関連の認証制度に対応する企業が増加しているほか、情報開示要求に対応するためステークホルダーへの発信事項や発信に向けたデータ収集基盤の構築などを相談する上場企業が増えている。また、2023年に運用が始まる「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」の対応に向けて、対応事項の整理や目標設定を行う投資が進んでいることなども市場拡大に繋がっている。
 今後は、上場企業の情報開示要求への対応が進むほか、策定した目標へ実行支援を行う案件が増加するとみられる。2027年度以降は、上場企業ではESG経営を実現する段階に入り、管理者や一般社員への実働支援に関するニーズが増えるとみられる。また、サプライチェーン全体でESG経営が推進され、コンサルティングの範囲が広がることから、2030年度の市場は2022年度比5.3倍が予測される。
食品ロス削減ソリューション
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
55億円131.0%140億円3.3倍
 店舗のPOSデータや気象情報などから、商品や来店客の需要予測や発注の自動化を行い、食品ロスの削減を実現するソリューションを対象とする。導入業態はスーパーや飲食店が中心である。
 2023年度は、労働人口不足に伴う業務の効率化目的で導入が大幅に伸長している。現状、トライアルや一部店舗での実施、検証実験などを行うユーザーが中心であるが、既存ユーザーの店舗数の増加などもみられ、市場は活発化している。
 労働人口不足に加え、食品廃棄の際に出るCO2の排出量削減は企業にとって大きな課題であり、今後は事例化に成功した企業が業態や活用方法を横展開することで、2030年度の市場は140億円が予測される。
HCM
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
408億円124.4%852億円2.6倍
 HCM(人的資本管理)は、個々の従業員が持つスキルや経験などの情報を資本と捉え、採用や育成、配置などに活用することで企業の成長に繋げる人材マネジメントの考え方である。個々の従業員の情報を管理する人材データベース機能を中核に、採用・育成計画や人材配置などを支援する機能を持った有償プロダクトを対象とする。
 人事DXの推進によってITリテラシーの高い企業の多くが導入を進めており、2023年度の市場は408億円が見込まれる。
 2023年1月に施行された内閣府令を受け、有価証券報告書での人的資本の可視化が義務となり、2023年度中に対象企業の開示が完了することで、各社の現状が明らかになる。この結果、2024年度頃から人的資本経営に向けた人事業務のシステム活用が本格化し、普及が進むとみられる。また、国内の生産年齢人口不足が今後さらに深刻化し、採用難が加速するため、より良い人材を確保し離職することなくスピード感をもって成長してもらえるような育成環境を整備する目的でニーズが高まり、2030年度は2022年度比2.6倍が予測される。
内容の詳細につきましては『2023 SX/GXによって実現するサステナビリティ/ESG支援関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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