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『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2024』まとまる(2024/4/23発表 第24040号)

スマートウォッチやスマートリングなどウェアラブル/ヘルスケア機器、システム・サービスの国内市場を調査

2028年市場予測(2022年比)
スマートリング 33億円(4.7倍)
企業向け健康管理サービスや、スマートフォン・スマートウォッチとの連携が進む
フェムテック 69億円(121.1%)
認知度向上と健康経営を進める企業の増加によって市場拡大が続く

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、心身共に健康的なくらしを意味する「ウェルビーイング」をキーワードに、健康管理に関連する個人や企業向けの取り組みが注目され、それを実現するツールとして需要が高まっているウェアラブル/ヘルスケア機器、システム・サービスの国内市場を調査した。その結果を「ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2024」にまとめた。
 この調査では、ウェアラブル/ヘルスケア関連機器、システム・サービスの市場について現状を把握し、将来を予想するとともに、スマートデバイスやIoTなどITを活用しウェルビーイングを実現するソリューションとして注目のヘルステック6市場(べビー、フェム、スキンケア、スポーツ、スリープ、ブレイン)を捉えた。

注目市場
スマートリング【機器】
ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2024:スマートリング【機器】国内市場規模推移グラフ
 スマートフォンやタブレット端末に接続可能なウェアラブル端末のうちリング型の製品を対象とした。機能としては、体温や脈拍などのバイタル測定、非接触決済、通話などの音声アシスタント、車や住宅のスマートキーなどが挙げられる。
 市場は黎明期であり、販売チャネルとしては、店舗売りは一部にとどまり、EC販売が中心である。非接触での決済機能の利用が中心であったが、省電力で利用できるチップを搭載し始めたことから、近年はバイタル測定や音声アシスタント、スマートキーなど多機能化が進んでいる。2023年はこれらの機能への注目が集まり、普及が進んだ。
 今後は、多機能製品として需要の高まりが予想される。個人利用が中心であったが、スマートリングを活用した企業向けの健康管理サービスも提案されている。スマートフォンやスマートウォッチなどとの連携サービスが進み、2028年に向けて大きく市場拡大するとみられる。
フェムテック【ヘルステック】
2023年2022年比2028年予測2022年比
59億円103.5%69億円121.1%
 フェムテックは、生理/月経、妊活/妊よう性、妊娠期/産後、プレ更年期/更年期など、日常・ライフステージにおいて女性が抱える健康課題を解決するための製品/サービスである。オンライン診療(ピル処方)、簡易検査サービス、健康管理支援サービス、デジタルツールと連携した体温計、電子母子健康手帳を対象とする。
 2023年の市場は、メディアの特集による認知度向上や参入企業が増えたことからすべての品目で伸長した。生理日や排卵日の予測、更年期に対応する健康管理支援サービスが5割を占める。また、オンライン診療(ピル処方)は、市場規模は小さいものの、参入企業の増加やTVCMなどによる認知度向上で大きく伸びている。
 2024年以降の市場は、認知度向上と健康経営を進める企業の増加によって拡大が続くとみられる。特に、血液や尿などの検体を用いて、健康状態やがんリスクなどを検査する簡易検査サービスは、ドラッグストアでの販売が増加するとみられ伸長が予想される。また、女性向け健康管理支援サービスは、晩婚化を背景に、生理日や排卵日の予測、妊活などの既存機能に加えて更年期に対応した機能の追加が進んでいる。個人向けだけでなく企業向けの展開もみられ、今後さらに利用者層が広がることから大きく伸長するとみられる。
スリープテック【ヘルステック】
2023年2022年比2028年予測2022年比
1,603億円125.6%2,479億円194.3%
 ITやAIなどデジタル技術を活用して睡眠状況を見える化し、睡眠の改善や分析を科学的に行う製品やサービスを対象とした。経済産業省の健康経営推進やメディアでの睡眠関連特集の増加を背景に、スリープテックへの関心やニーズが高まったため市場は拡大している。
 2023年の市場は、シーツの下などに敷いて睡眠状態を計測するベッドシート型センサーやスマートウォッチ、睡眠改善/支援サービスが伸長したため、前年比25.6%増の1,603億円となった。
 2024年以降の市場は、健康意識の高まりや、シフトワークの睡眠課題解決に向けた企業の意識向上で拡大を続けるとみられる。睡眠改善/支援サービスは、生産性の向上や健康経営を目的に睡眠改善に取り組む企業が増加しており、シフトワーク領域での需要増加を背景に伸びる。また、介護のDX化などでベッドシート型センサーの伸長が予想される。
ベビーテック【ヘルステック】
2023年2022年比2028年予測2022年比
88億円115.8%151億円198.7%
 安全見守り意識の向上や保育士の業務負担軽減に加え、補助金の導入も後押しし、少子化が進んでいるものの市場拡大を続けている。2023年は、遠隔で子供を見守るベビーモニターや保育園ICTシステム、午睡見守りシステムが大きく伸びた。
 2024年以降も市場拡大が予想される。共働き世帯の増加や子ども1人あたりにかける費用の増加、安全見守り意識の向上でベビーモニターが伸長するとみられる。また、保育士の業務負担の軽減やシステムの導入補助金を背景に、保育園ICTシステムや午睡見守りシステムも引き続き高い需要が予想される。
スマートウォッチ【機器】
2023年2022年比2028年予測2022年比
1,600億円128.0%2,430億円194.4%
 OSを搭載した腕時計型ウェアラブル機器を対象とする。心拍数の計測機能などに加え、心電図機能や血中酸素濃度の計測機能など、機能が拡充している。
 Apple Watchが先行しているが、androidユーザーの引き込みを図り2022年にGoogle Pixel が発売されるなど、市場は活性化している。2023年は、華為技術日本や小米技術日本も安価な製品を発売し、市場は前年比28.0%増となった。
 2024年以降も新規ユーザーを獲得することにより、市場拡大が予想される。病院やクリニックでは、医療機器として認められた製品が活用されるほか、それ以外の製品に関しても、日々のバイタルデータの蓄積に活用され、高齢者の見守り向けなどで需要が増加するとみられる。また、フィットネスクラブやスポーツチームでも利用が進み、2028年の市場は2022年比94.4%増の2,430億円が予測される。
PHR関連プラットフォームサービス【システム・サービス】
2023年2022年比2028年予測2022年比
13億円100.0%38億円2.9倍
 個人の保健医療情報であるPHR(Personal Health Record)を管理、記録、分析するプラットフォームサービスを対象とした。
 政府が保険医療情報の活用環境整備のために、民間PHR事業者のサービスを利用することを決めたことで、参入企業が増加している。2023年は、マイナポータルとAPI連携するベンダーが増え、活用が進んだ。
 2024年4月から「第4期特定健診・特定保健指導」が始まり、成果を重視した保健指導が可能になることなどから、健康/医療情報を日ごろから把握するニーズが高まるとみられる。サービスの機能を拡充するベンダーの増加や、個人の健康/医療情報を確認できるデータの利便性、二次利用ビジネスへの広がりなどにより、2028年の市場は2022年比2.9倍が予測される。
調査結果の概要
ウェアラブル/ヘルスケア機器、システム・サービス市場
 2023年2022年比2028年予測2022年比
機器3,590億円110.5%6,192億円190.6%
システム・サービス3,773億円112.6%6,081億円181.5%
合計7,363億円111.6%1兆2,272億円186.0%
市場データは四捨五入している
システム・サービスに健康管理プラットフォームサービスは含まない
 2023年は、新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かったため、健康管理機器などはコロナ禍での特需からの反動減がみられた。一方、個人の健康管理ニーズの高まりや、企業が従業員健康管理に積極的に取り組んでいることから、スマートウォッチや法人向け健康管理システムなどが伸長した。次世代バイオマーカー関連や介護関連のシステム・サービスも伸びており、市場は前年比11.6%増となった。
 2024年もウェアラブル端末や検査関連サービスの需要が拡大し、2桁成長が見込まれる。2025年以降は高齢者人口の増加や健康管理意識の向上により、市場は拡大が続くと予測される。
内容の詳細につきましては『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2024』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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