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『2011 ブロードバンドビジネス市場調査総覧』まとまる(2011/1/28発表 第11008号)

多彩なビジネスチャンスが巨大マーケット形成を予測させる国内ブロードバンドビジネス市場を調査

2015年度予測
  • TV向け映像配信:5,059億円(10年度比 110.9%)
  • スマートフォン・専用端末向け電子書籍:2,100億円(10年度比 70倍)
  • モバイル向けオンラインゲーム ※1:940億円(10年度比 20.9倍)
  • インターネット向け広告:8,470億円(10年度比 142.1%)
  • モバイル向け広告 ※2:2,770億円(10年度比 177.1%)
※1 モバイル向けとは、スマートフォン、タブレット端末などの端末向けを指す。
※2 インターネット広告とアフィリエイト・サービスに分けられる広告全体のうち、モバイル向けを指す

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、目まぐるしく変化し、新たなトレンドやサービスが台頭しているブロードバンドサービス市場を調査し、15年度までの国内市場と技術動向について調査した。その結果を報告書「2011 ブロードバンドビジネス市場調査総覧」にまとめた。

 今回の調査では、固定ブロードバンド(高速大容量通信)とモバイルによって提供されるブロードバンドサービスとして、映像やゲームなどの「コンテンツサービス9品目」、「位置情報活用サービス2品目」、「EC(電子商取引) 2品目」、ブログやSNS(Social Network Service)などの「コミュニケーション3品目」、「金融サービス3品目」、「広告2品目」の6分野、計21品目のサービス市場の動向をまとめた。またエンドユーザーやブロードバンドサービス事業者がインターネットを活用するための4種類の「関連サービス」を捉えた。さらに、スマートフォンやタブレット端末向けのサービス動向や、海外企業のビジネス動向、国内企業の海外進出についてもまとめた。

調査結果の概要
 2010年度見込09年度比2015年度予測10年度比
コンテンツサービス1兆975億円113.6%1兆5,289億円139.3%
位置情報活用サービス299億円119.1%422億円141.1%
EC(電子商取引)4兆600億円108.8%5兆2,180億円128.5%
広告6,864億円109.0%9,740億円141.9%
コミュニケーション1,969億円212.4%2,983億円151.5%
金融サービス5兆290億円108.4%6兆5,670億円130.6%
 PC、携帯電話の普及と通信サービスの高速化/定額化によりブロードバンドサービスの利用が拡大している。またモバイル端末からブロードバンドサービスを利用するユーザーが増えており、インターネットを利用できるスマートフォンの普及が、モバイルブロードバンドサービスを更に拡大すると見られる。
 目まぐるしく変化するブロードバンド市場には、新たなサービスが次々に台頭している。この調査で注目した主な分野についてまとめる。
 コンテンツサービスの利用は、高機能化が進んでリッチコンテンツの取り扱いが可能な端末が増加していることや、インターネット対応TV、スマートフォン、タブレット端末などさまざまなインターネット接続端末の普及により更に拡大が見込まれる。
 コンテンツサービスのうち、最も高い比率を占めているのは映像配信サービスで10年度は5,092億円となり、市場の約半分を占めると見込まれる。次いでオンラインゲーム、音楽配信サービス、電子書籍となっている。今後特に高い成長率が見込まれるのは、オンラインゲーム及び電子書籍である。オンラインゲームはモバイル向けソーシャルアプリの急成長が、電子書籍はタブレット端末や電子書籍専用端末の拡大と共に、人気の高い書籍コンテンツの提供開始が見込まれ、本格的な市場拡大が実現すると予測される。
 位置情報活用サービスの地図配信サービスは、スマートフォン、タブレット端末などサービスを提供できる端末が広がっており、堅調な需要が期待できる。大手のゼンリンデータコムやナビタイム、インクリメント・ピーなどがスマートフォン向けの有料アプリの提供を開始しており、今後はスマートフォンやタブレット端末などモバイル端末向け市場の拡大が予測される。
 コミュニケーションサービスは、従来広告ビジネスの展開が主であったが、09年度は課金売上による市場拡大が顕著であった。SNSはソーシャルアプリ課金収入が急激に増加し、仮想世界サービスでアイテム・アバター課金の市場が拡大した。「モバゲータウン」、「GREE」のようにソーシャルアプリ主体のSNSと、ソーシャルクラブ構築に注力する「mixi」にサービスは二分化している。
 金融サービスは自宅で利用できる、24時間利用が可能な点、店頭利用に比べて手数料が安いほか、他のインターネットサービスと連携した利便性などが支持され利用が拡大している。当初はインターネットを経由するため情報管理などのセキュリティ面に不安を覚えるユーザーもあったが、08年2月に全国銀行協会で不正出金においてユーザーに過失がない場合には全額補償する方針を打ち出し、各行がセキュリティ強化の努めて懸念は払拭されつつある。
注目されるサービス市場
SNS
課金:10年度見込 1,410億円 15年度予測 2,100億円(10年度比148.9%)
会員数:10年度見込 8,250万人 15年度予測 1億900万人(10年度比132.1%)
 出会いやコミュニケーションを目的とした会員制サイトサービスである(会員数の重複はそのままカウント)。
 この市場は、ミクシィ(mixi)、ディー・エヌ・エー(モバゲータウン)、グリー(GREE)の3社の寡占市場となっており、登録会員数は拮抗している。現実社会でのつながりやユーザー同士のコミュニケーションを重視した広告収入メインのミクシィ(mixi)は、今後Facebookなどと競合するが、ソーシャルゲームを目的としたユーザー同士のコミュニケーションが主体で課金収入が大半を占めるディー・エヌ・エー(モバゲータウン)、グリー(GREE)とはユーザー層や利用目的が異なる。このゲームの本格的利用拡大によって課金収入が急激に増大している。
 10年度は、iPhoneに加え、Androidスマートフォンが各社より発売され、今後スマートフォンユーザーのすそ野が広がると見られる。事業者もスマートフォン向けやタブレット端末向けのサービス開発を急いでおり、今後の展開がいっそう活発になると予測される。
映像配信(TV、PC、モバイル向け)
全体:10年度見込 5,092億円 15年度予測 6,030億円(10年度比118.4%)
TV向け:10年度見込 4,560億円 15年度予測 5,059億円(10年度比110.9%)
 PCはインターネットサービスの主要な端末としてコンテンツを利用するほか、デジタルメディアプレーヤーのコンテンツ管理などにも使われる。PC向けはブロードバンド環境の一般化により映像コンテンツやゲームコンテンツなどの、よりリッチなサービスの利用頻度が増加している。ただし、モバイルインターネットの利用拡大やインターネットTVの拡大などにより、ユーザーのPC利用時間が減少して行くことも考えられる。
 TVは映像コンテンツの視聴用途を中心に用いられ、映像配信サービス、オンラインゲームサービスの提供が進んでいる。これらのサービスの成長のほか、インターネット接続対応TVの普及が進み、TV向けのブロードバンドサービスが充実すると予測される。また10年度以降、スマートフォンやタブレット端末の本格的な普及が進み、モバイル向けのコンテンツサービスは高成長すると見られる。
内容の詳細につきましては『2011 ブロードバンドビジネス市場調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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