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『デジタルサイネージ市場総調査 2011』まとまる(2011/2/8発表 第11012号)
国内電子看板(デジタルサイネージ)市場を調査
- ■2015年予測
- ■デジタルサイネージ市場 1,493億円 09年比226.2% コンテンツ制作/配信サービスが高い伸び
- ■ネットワーク対応デジタルサイネージ市場 1,041億円 09年比356.5%
- ■サイネージ広告市場 770億円 09年比 5.1倍 スーパー、コンビニの採用増大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、今や新生メディアへと変貌し発展するデジタルサイネージ市場の動向を調査し今後の方向性を分析した。その結果を報告書「デジタルサイネージ市場総調査 2011」にまとめた。
ディスプレイを活用した電子データによる情報告知や広告、更に販売促進システムをデジタルサイネージ(電子看板)という。この調査では、この用途に利用される「ディスプレイ市場」とディスプレイ/メディアプレーヤーを使った配信システム市場を「システム販売/構築市場」とし、同配信システム向けの「コンテンツ制作/配信サービス市場」、そしてディスプレイとデジタルサイネージシステムを活用した「広告市場(広告ビジネス)」の3つの分野をデジタルサイネージ市場として捉えた。
このシステムは、街頭ディスプレイにデジタルデータを配信して、列車の運行や株価などの情報を電飾表示することから始まり、ディスプレイシステム、情報通信技術の進化とともに、インフォメーション、広告、販売促進のツールへと発展した。新しいメディアとして多くの分野で広く活用され市場を拡大している。
- ■調査結果の概要
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(10年は見込み、15年は予測 単位:億円、%) 2009年 2010年
見込前年比 2015年
予測15/
09年比デジタルサイネージ市場 660 741 112.3 1,493 226.2 システム販売/構築市場 442 468 105.9 548 124.0 コンテンツ制作/配信サービス市場 67 83 123.9 175 261.2 サイネージ広告市場 152 190 125.0 770 506.6 内交通広告/インストアメディア他 80 112 140.0 670 837.5 -
これまでは、システム販売/構築市場がデジタルサイネージ市場を牽引してきたが、JR東日本企画「トレインチャンネル」「J・ADビジョン」や「HANEDAエアポートアドビジョン」などに加え、09年のイオン、10年のローソンの本格運営開始などデジタルサイネージ広告の展開は流通チェーンにまで広がり、市場は大きく拡大している。国内市場の景気が09年の下期以降から回復し始めたことで、この市場は年初の見込みを上回り660億円となった。10年も好調に拡大して前年比112.3%の741億円と見込まれる。ディスプレイや配信システムのコストが下がり、ユーザー層が拡大し需要が増加する中で、コンテンツ制作/配信サービスと広告市場が高い伸びを続けている。今後も配信委託ユーザー数、広告媒体数/事業者の増加により、市場は一層拡大し15年には、1,500億円に近づくと予測する。
「デジタルサイネージ最大のメリット」は「複数拠点へのリアルタイムな一括配信/管理」、「時間帯/設置場所に応じた表示の切り替え/スケジュール管理」によるポスターなどの貼り替え作業の手間削減、タイムリーかつ効果的な情報表示を可能とすることである。交通/金融機関や、量販店やコンビニなどチェーン店舗を中心にシステムの導入が増加しており、更には新たな収益源として広告ビジネスも急増している。
当初、この市場はディスプレイ/システムメーカーが主導してハードを中心に形成されたが、導入後のコンテンツ制作/配信/運営サービスを担う業者が増加し、デジタルサイネージ広告などで様々なビジネスが展開され、現在も新規参入企業が増え続けている。従来のLED看板から代替した安価なサイネージシステムや電子POPの小型ディスプレイなどにより、中小規模の小売店舗への導入も増加するなど、ユーザーのすそ野もまた着実に広がっている。 - ■デジタルサイネージ広告市場
- 2010年見込み 190億円(前年比125.0%) 2015年予測 770億円(09年比506.6%)
- 対象媒体は、ディスプレイの規模や設置場所により「交通広告」、「ビルボード(屋外ビジョン)」、「インストアメディア他」の3つに大きく分類した。10年の国内におけるデジタルサイネージの広告市場は、190億円となった。今後は先ずはビジネスモデルが成立している交通広告が市場を牽引する形で、次いでインストアメディア他の更なる拡大、それにビルボードの回復も加わり大きく拡大していくと予測される。
- ■交通広告
2010年見込み 83億円(前年比127.7%) 2015年予測 320億円(09年比492.3%) - デジタルサイネージ市場で、広告媒体として最も大きく期待される分野である。ナショナルスポンサーを中心とする交通機関広告は、景気の影響も多少は見られたものの、依然として媒体数の増加が進んで、10年市場は前年に比べ増加となっている。
- ■インストアメディア他
2010年見込み 29億円(前年比193.3%) 2015年予測 350億円(09年比23.3倍) -
個々の媒体/事業者で見ると、景気の影響を受けたケースも含め伸び悩みも見られるが、スーパー/コンビニエンスストアを中心に、既存店舗での設置面数/媒体数の拡大、新規設置/参入企業の増加もあり、市場は拡大傾向が続いている。
スーパー/コンビニエンスストア/家電量販店/ショッピングセンターなどは、交通分野同様、映像広告ビジネスとして期待される。店内に設置したディスプレイによるインストアメディア、施設構内や店内から外に向けて広告を放映するアウトドアメディアなど、今後の市場拡大が予測される。 - ■ネットワーク対応デジタルサイネージ(狭義のデジタルサイネージ)市場
- 2010年見込み 359億円(前年比123.0%) 2015年予測 1,041億円(09年比356.5%)
- ネットワーク配信に対応するデジタルサイネージ市場は10年に359億円(前年比123.0%)、デジタルサイネージ市場の48.4%を占めている。さらに15年予測では市場の70%を占める1,041億円(09年比356.5%)に拡大すると予測する。その利便性が注目され、配信ユーザー数の増加とネットワーク対応デジタルサイネージを活用した広告媒体数/事業者の増加もあり、サイネージ市場全体を上回る伸びが予測される。
内容の詳細につきましては『デジタルサイネージ市場総調査 2011』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)