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『2011 ICTで実現するエネルギー関連ソリューションの現状と将来展望』まとまる(2011/3/22発表 第11024号)

エネルギーの管理・省エネ関連のサービスと機器・システム
エネルギー関連市場を調査

2015年度市場予測
エネルギー管理サービス市場は09年度比4.4倍の1,402億円
企業が取り組むべき環境戦略や環境CSR、法規制対応、排出量取引などの実施で需要が拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、エネルギー問題や法規制、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の観点から注目され、ICT(情報通信技術)でエネルギーの管理や省エネを実現するソリューション(サービス)を中心に、関連機器・システムの国内市場を調査した。その結果を報告書「2011 ICTで実現するエネルギー関連ソリューションの現状と将来展望」にまとめた。

 この報告書では、エネルギー使用量の測定・分析及びその結果を踏まえた省エネ化や運用・管理改善を実現するためのサービスと関連する機器・システムの市場をエネルギー関連市場とし、調査・分析した。同時に省エネ関連ICTソリューション(システム・サービス)市場の分析と参入企業20社のエネルギー管理・省エネ関連事業に関する先進事例の分析も行っている。

調査結果の概要
エネルギー関連市場
 10年度見込09年度比15年度予測09年度比
関連サービス管理※1448億円141.3%1,402億円442.3%
 省エネ※2210億円87.5%300億円125.0%
小計658億円118.1%1,702億円305.6%
関連機器・システム※34,951億円124.5%7,298億円183.6%
合計5,609億円123.7%9,000億円198.5%
※1 エネルギー診断・コンサルティング、EMS設計・構築サービス、EMS運用・監視サービス、クラウド型EMSの4品目
※2 ESCO(Energy Service Company)
※3 発電・蓄電装置、ファシリティ、計測・制御機器、エネルギー管理システムの4品目(IT機器を除く)
 2010年度のエネルギー関連市場は、2009年度比23.7%増の5,609億円が見込まれる。以降市場は年率10%強で拡大し、2015年度には2009年度比およそ2倍となる9,000億円が予測される。  省エネ設備導入が先行する中、エネルギー関連市場全体市場に占める関連サービスの割合は12%(2009年度実績)程度である。しかし、企業が積極的に取り組むべき環境戦略や環境CSR、法規制対応、排出量取引などを実施するに当たりエネルギーの管理は不可欠であることから、エネルギー関連市場全体に占める関連サービスの割合は徐々に高まると予想される。
各関連サービスの市場
エネルギー診断・コンサルティングサービス
10年度見込 68億円(09年度比130.8%) 15年度予測 135億円(09年度比259.6%)
 エネルギー診断・コンサルティングサービスは、エネルギー消費量の現状分析を行い、建物或いは事業者全体のエネルギーの「見える化」をスポット的に実施する診断サービス、具体的な省エネ実施のための様々な支援を実施するコンサルティングサービス、各種第三者認証規格(ISO14001、ISO50001、エコステージなど)の取得を支援するエネルギー関連認証取得支援サービスの3つで構成される。
 診断サービスは、現地で診断を行う場合は1拠点当たり20万円程度の費用が掛る。そのため多くの拠点をもつ企業は、モデルとなる拠点で診断サービスを利用し、他拠点は独自に診断を行って費用を抑えるところもある。
 コンサルティングサービスは、適用範囲や期間、目的によって数十万円から数千万円の費用が掛る。しかし現状では環境経営の評価や改善など、事業者全体のエネルギーや環境の管理に関わる大型案件は少なく、エネルギー診断の結果をベースにした設備や建物の改善計画などが中心となっている。
 ISO14001の取得には、150万円〜200万円程度のコンサル費に加えて、登録には審査料や登録料などが必要となる。さらに登録後の認証維持費も掛るため今後も引き合い案件は大手企業中心と見られる。環境意識が高い大手企業では既にISO14001を導入しているが、認証維持コストを負担に感じている企業では更新を見送る傾向にある。今後は大手企業ではISO50001、中堅・中小企業ではエコステージへと需要がシフトしていくと見られる。
EMS(Energy Management System:エネルギーマネジメントシステム)設計・構築サービス
10年度見込 265億円(09年度比139.5%) 15年度予測 884億円(09年度比465.3%)
 EMS設計・構築サービスは、建物(ビル、工場、商業施設、店舗)に設置された設備・機器のエネルギー使用量を蓄積し、解析する建物向けEMSや、改正省エネ法対策や環境経営を目的として企業が保有する拠点や建物のエネルギー使用量を一元管理する事業者向けEMSを構築するサービスがある。
 建物向けは、ビルの新築着工件数が減少していることから、既存ビルの改修や中央監視システムのリプレイスに合わせた導入が今後中心となると見られる。また、省エネ法が改正されたことで中小ビルに入る各テナントが、ビル側に専用部分の正確なエネルギー使用量を求めるようになってきたため、中小ビルでもEMSに対するニーズが高くなっている。但し、導入や運用コストを少しでも軽減するため中小ビルではクラウド型EMSと競合してくると見られる。一方、エネルギー使用量の漏洩を懸念する工場では、今後もEMSの自社導入が中心となると見られることから、一定のリプレイス需要のもと安定した市場を形成していくと見られる。
 事業者向けは、改正省エネ法や各自治体の条例などを追い風に高い伸びが見込まれるが、導入や運用コスト面から今後はクラウド型のEMSと競合すると見られる。
EMS運用・監視サービス
10年度見込 90億円(09年度比142.9%) 15年度予測 310億円(09年度比492.1%)
 EMS運用・監視サービスは、建物(ビル、工場、商業施設、店舗)に設置された設備・機器のエネルギー使用量を蓄積し、解析するためにベンダがEMSを提供し遠隔から運用・監視するサービスである。主にビルのリモート監視サービスのオプションとして提供されていることから、中央監視システムがあり、リモート監視サービスを利用する中規模以上の建物への導入が中心である。
 EMS導入後の運用コストや運用負担を軽減するサービスとして市場が立ち上がっている。自社でEMSを構築する研究施設や通信施設、高レベルのセキュリティを求める業種などでは、運用に関してはコストを削減できるこのサービスへのニーズが高くなっている。
 今後もビルのリモート監視サービスのユーザーを中心に拡販され市場が拡大していくと見られる。
内容の詳細につきましては『2011 ICTで実現するエネルギー関連ソリューションの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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