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『データセンタビジネス市場調査総覧 2011年版(上下巻)』まとまる(2011/4/15発表 第11034号)

データセンタビジネスの調査を実施

2015年のデータセンタサービス国内市場は2010年比25%増の1兆5,022億円

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供するデータセンタビジネスについて2010年12月から2011年2月にかけ調査した。その結果を報告書「データセンタビジネス市場調査総覧 2011年版(上下巻)」にまとめた。

 報告書上巻では、データセンタ全体の動向に加え、データセンタの新設動向やサービス価格の推移など、そして近年注目を集めているクラウドコンピューティング、仮想化、コンテナ型データセンタ、海外データセンタ等のデータセンタに与える影響を纏めた。また、データセンタサービス市場の動向、データセンタにおける投資動向を纏めた。
 報告書下巻では、主要データセンタ事業者のデータセンタビジネスにおける取組み状況及び現在の市場に対する見解と、ユーザー又はユーザーに成り得る企業におけるデータセンタの利用動向やデータセンタに対するニーズなどを纏めている。

調査結果の概要
1. データセンタの動向
 近年の経済環境悪化はデータセンタビジネスにも影響を及ぼしている。「既存ユーザーにおける契約見直し」「センタ内サーバのコンソリデーション(整理統合)に伴う契約面積の減少」「コスト削減要求の高まりによる価格競争」「新規システム開発案件の縮小」といった形で表れ、ビジネスの成長を阻害している。特にデータセンタ事業者へのサービス価格の値下げ要求は依然として根強く、また、データセンタ施設の過剰供給も価格低下の一因となっており、価格競争に拍車が掛っている。
2. データセンタサービス市場
2010年2009年比2015年予測2010年比
1兆2,020億円103.6%1兆5,022億円125.0%
 2010年の市場は前年比3.6%増の1兆2,020億円となった。今後は新規案件が市場成長を牽引し、2015年には2010年比25.0%増の1兆5,022億円になると予測される。しかし、震災をきっかけにBCP(business continuity plan :事業継続計画)の観点からデータセンタの利用を見直す企業が増加しており、また震災により障害を受けた自社システムに脆弱性を感じている企業や輪番停電を避けるためにデータセンタへの移行を進める企業なども多く見受けられることから、市場は当初の予測を上回ると見られる。
 サービス形態別内訳
サービス形態別内訳:グラフ  市場構成比が最も高いのがサーバや通信機器などはユーザーが持ち込むハウジングサービスで、36%である。次いでサーバや通信機器などまで提供するホスティングサービス(同28%)、複数企業が共同でシステムを利用する共同利用サービス(同19%)と続く。また、最も伸びたのが前年比6.5%増のホスティングサービスである。ホスティングサービスにはパッケージ型とオーダーメイド型があるが、特にパッケージ型が好調である。
 データセンタ事業者別内訳
データセンタ事業者別内訳:グラフ  コンピュータ/SIベンダが82%を占める。コンピュータベンダ/SIベンダは景気回復による新規案件の回復が徐々に現われてきているものの、依然としてユーザーからの値下げ要望があり、また競争激化に伴う価格の下落も影響し、2010年は穏やかな成長となっている。価格の下落が続く中、より付加価値化した展開の重要性は増しており、マネージドサービス※やIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)といったクラウドサービスなどに注力する傾向が見られる。
 キャリア及びキャリア子会社は価格の下落でハウジング関連の売上げが伸び悩んでいるものの、クラウドサービスに注力度を高め、収益性の向上を図っていくと見られる。
通信サービスの利用に必要な機器の設置や保守などを一括提供するサービス
 ユーザー業種別内訳
ユーザー業種別内訳:グラフ  市場構成比が最も高いのが金融で、41%である。次いで流通/サービスが21%、製造が20%と続く。金融はリーマンショック以降外資系を中心に需要が減少したが、共同利用が地方銀行などで徐々に進んでいる。流通/サービス、製造業はユーザーのコスト抑制意識が高くサービス価格の下落を招いている。しかし景気の回復と共に新規案件が回復しはじめており、中堅以下の企業の潜在需要などもあるため、需要は堅調に推移すると見られる。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(上巻下巻)をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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