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『電子決済ソリューションビジネスの将来展望 2011』まとまる(2011/4/25発表 第11037号)

拡大するインターネット/モバイル決済、多様化する電子決済サービス…電子決済ビジネス国内市場を調査

2015年決済サービス予測(10年比)
Pay-easy(ペイジー) 3.5倍 25兆円 税金・公共料金のインターネット/モバイル決済で急拡大
プリペイド型電子マネー 2.8倍 4兆5,000億円 主要コンビニの採用で拡大
デビットカード 2倍強 1兆6,950億円 クレジットカードから代替、「銀聯」急伸も

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2010年12月〜2011年2月の間、各種カードが普及し、電子データによる決済サービスが進み、また資金決済法の施行もあり、変貌する電子決済サービスビジネスを展望し今後の有望ビジネスを分析した。その結果を報告書「電子決済ソリューションビジネスの将来展望 2011」にまとめた。

 今回は「電子決済」の観点から調査を実施した。特に市場が拡大している10種類の「電子決済」サービス 、すなわちクレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド型)、電子マネー(ポストペイ型)、電子マネー(サーバ管理型)、磁気プリペイドカード、ブランドプリペイドカード、カード型ギフトカード、ポイントサービス、Pay−easy(ペイジー)と、収納代行サービスおよび代金引換サービスに注目し、決済金額と関連ビジネスの規模と動向を分析した。
 また10年4月施行の「資金決済法」で、これまで規制対象外であったサーバ型電子マネーを前払式支払手段として規制の対象に加えたことが、「決済サービス」分野にも及ぼすと見られる影響を分析した。
 さらに為替取引が金融機関以外にも認められ新たなビジネス展開が予想されることから、「送金サービス」の最新動向もまとめた。さらに決済を軸にソリューションビジネスの全体動向を捉えるため、決済金額/件数から見た市場および媒体市場、決済端末市場、サービス市場についてまとめた。
 特にEC決済が拡大し続け、今後の決済市場で提供サービス形態、決済手段に大きな変化を与えると見られることから、リアル/ネット(モバイル)の側面からも市場を考察した。

調査結果の概要
主要電子決済サービス市場 (決済金額)
 2010年2011年見込2015年予測15年/10年比
クレジットカード31兆6,700億円33兆1,000億円37兆6,000億円118.7%
Pay-easy7兆2,000億円10兆円25兆円347.2%
プリペイド型電子マネー1兆6,000億円2兆500億円4兆5,000億円281.3%
ポイントサービス1兆2,300億円1兆2,600億円1兆4,500億円117.9%
デビットカード7,980億円8,710億円1兆6,950億円212.4%
 10年の10種の電子決済サービスの合計市場は、43兆2,319億円と推定した。そのうち、クレジットカード決済が31兆6,700億円と市場全体の73%を占める。以下、Pay-easy(7兆2,000億円)、プリぺイド型電子マネー(1兆9,500億円)、ポイントサービス(1兆2,300億円)などの各決済サービスが大規模である。
 15年には、非接触ICカードにシフトしてゆく磁気プリペイドカードを除き、すべての決済サービスが拡大し、全体で71.5兆円に達すると予測する。クレジットカードやポイントサービスは安定した伸び、その他の各サービスも高い成長が見込まれるが、特にPay-easy、プリペイド型電子マネー、デビットカードの各サービスの大幅な成長を予測する。中でも公共料金や税金支払いで利用の拡大が見込まれるPay−easyの伸長が顕著となる。
クレジットカード(発行枚数 10年 7,600万枚 → 15年 6,800万枚)
 貸金業法や割賦販売法の改正で与信審査やキャッシングの厳格化が進み、クレジットカードは上限金利の引き下げや総額規制によりキャッシングよりショッピング利用が促進され、運営コストの抑制を目指した業務移管が進むなど新たな局面を迎えている。今後は、ユーザーのポイントの集約から支払い窓口の一本化が進みカード契約の解消など利用カードも絞られていく中で、小額決済やEC決済の需要が拡大して堅調に推移していくと予想される。新規と更新カード共に低コスト運営を目指して絞り込み、利用者を実質的に拡充するため発行枚数は減少すると見られる。
ポストペイ型電子マネー(発行枚数 10年 600万枚 → 15年 650万枚)
 利用後の支払がクレジットカードと連動する電子マネーで、NTTドコモ「iD」とJCB推進の「QUICPay」の市場となっており、今後、利用可能場所の拡大とともに利用件数の増加が見込まれる。将来的に、NTTドコモ,KDDI、ソフトバンクの通信事業3社が韓国の通信事業社と進めるおサイフケータイのモバイルNFC(国際標準近接型無線通信方式)サービスが台頭する可能性がある。
サーバ管理型電子マネー(利用者数 10年 600万人 → 15年 1,050万人)
 10年の利用者数600万人、15年には1,000万人超、1,850億円市場になると予測する。オンラインゲームでの利用が堅調に推移していることに加えて、映像配信などのデジタルコンテンツ、ソーシャルゲーム(携帯コンテンツ)需要が急拡大。今後更に、SNSや電子書籍など新たなデジタルコンテンツ市場の成長による拡大を見込む。
ポイントサービス
 決済金額により一定割合のポイント/マイレージを付与し、値引き還元するサービスで、顧客の囲い込みや管理ツールとして導入を検討する企業が増加している。景気悪化で消費が低迷している中で、顧客の囲い込みや来店促進が期待されるこのサービスの需要が高まることによる市場拡大が予測される。一方、15年以降上場企業では国際会計基準(IFRS)導入による会計処理からこのサービスの見直しが行われることも想定される。
 その他の決済サービスでは、コンビニ収納代行が10年の8兆6,800億円から15年には11兆5,500億円に拡大すると見込まれる。通販/EC市場の拡大を背景にクレジットカード非利用者の需要により堅調に推移する。代金引換サービスも3兆6,000億円とEC市場の拡大とともに成長している。ネットショッピング、オークションでの利用も増加する見込みで、決済手段もクレジットカードや電子マネーなど多様化しつつある。
 また時代の進化に対応して、法規制では10年4月の「資金決済法」施行から、銀行以外の事業者が資金移動業者の登録により為替取引が可能となった。個人および登録事業者(銀行以外)の10年の送金サービス規模は330億円であったが、5年間で利用が13倍に拡大、15年には4,200億円と予測する。今後特に、上限100万円でも個人間の送金サービスを中心に新たな展開が期待される。都市銀行の海外送金手数料より安価なサービスが実現する国際送金/受け取りの市場以外に、ECサイトの電子マネー換金利用やモバイル送金といった新たなサービス市場の創出も期待される。
内容の詳細につきましては『電子決済ソリューションビジネスの将来展望 2011』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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