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『2011 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』まとまる(2011/5/10発表 第11041号)

生産・需要ともに重要性を増す中国、EMS生産委託を加速する日本など
世界の注目エレクトロニクス35製品とその部品の生産市場を調査

2016年の世界生産予測と10年比
タブレットPC 2億3,800万台 12.5倍 中国・アジアが生産独占、需要更に上振れか
スマートフォン/携帯電話(UMTS方式) 11億8,300万台 2.6倍 中国・アジアの生産90%
デジタル一眼レフカメラ 2,970万台 2.2倍 ミラーレス人気上昇と日本メーカー生産独占
デジタル一眼レフカメラにミラーレス一眼カメラも含めて集計。

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、11年1〜3月に、エレクトロニクス市場の日本、海外メーカーおよび地元メーカーによる生産を詳細に調査分析した。その結果を調査報告書「2011 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」にまとめた。調査の対象は、AV機器14種、家電製品6種、情報通信機器15種の合わせて35品目とし、関連ユニット製品・部品13品目、それにエネルギー関連の太陽電池セル2品目も調査した。

注目される製品の世界市場
 タブレットPCとスマートフォンはデータ処理機能では共存が見られ、通話機能では利用シーンや用途が若干異なるため競合しない可能性が高い。また、10インチサイズのタブレットPCとノートブックPCも利用、用途の違いから共存すると見る。
タブレットPC
 2010年2011年予測2016年予測10年比
タブレットPC1,900万台6,500万台2億3,800万台12.5倍
 10年はAppleのiPadと韓国サムソン電子のGalaxyTabが市場の大半を占めた。iPadはFOXCONN(台湾)の深圳工場で、GalaxyTabは韓国で自社生産している。11年から参入しているほとんどの欧米系ブランドが台湾EMS(電子機器製造受託サービス)メーカーに生産を委託しており生産地域は中国が中心である。10インチと7インチタイプに2極化し10インチが主流を形成すると予測する。
 16年の生産規模は、10年比12倍以上の2億3,800万台と予測する。法人や個人需要の伸び次第では、更に上振れする可能性がある。タブレットPCの市場では、Androidアプリケーションの増加や法人需要の開拓が急速に進みつつあることから、Netbookのような一過性のブームで終息することはないと予測する。
携帯電話/スマートフォン(UMTS方式)
 2010年2011年予測2016年予測10年比
携帯電話/スマートフォン4億4,900万台5億9,500万台11億8,300万台2.6倍
 10年には、スマートフォンメーカーおよび生産委託を受けたEMSメーカーが躍進した。特にiPhoneを全量委託されているFOXCONN、RIM(カナダ)の生産を受託したELCOTEQ(フィンランド)などが挙げられる。全世界的スマートフォンの急拡大、中南米地域を中心に低価格帯の3G端末が立ち上がったことなどを要因にUMTS方式の生産は09年比133.2%の4億4,900万台となった。全方式を合わせた10年の携帯電話/スマートフォン端末市場は前年比14.3%増の13億1,970万台であった。
 スマートフォンは、フラッグシップから低価格帯にまで製品を展開して旧来機や3Gフィーチャーフォン市場を取り込んで行き、15年には全体の半数以上を占めるまでに成長すると見られる。
 次世代通信規格のLTE(Long Term Evolution)はすでにデータカードベースのデータ通信サービスが開始されているが、音声端末ベースでは11年末〜12年初めの市場投入を予定している。音声端末ベースの製品展開はアメリカと日本が先行して中国や欧州が続く形で世界的に広がると見られる。
 中国を含むアジアで90%近くを生産しているが10年はより信頼性や、熟練度の高い地域で生産を目指して生産ウエイトを韓国へ移す動きが垣間見られ、中国を除くアジアのウエイトが拡大した。引き続き中国/韓国地域で生産量の90%弱を占める。サムソン電子とLG Elの韓国2社がUMTS方式中心にラインを再整備して韓国の生産が増加している。今後は地産地消の流れから、中南米や東南アジアのウエイトが上昇する可能性がある。
デジタル一眼レフカメラ(デジタルミラーレス一眼カメラを含む)
 2010年2011年予測2016年予測10年比
デジタル一眼レフカメラ1,350万台1,600万台2,970万台2.2倍
 10年の生産市場は、前年比46.7%増の1,350万台。コンパクトDSCからの買い替え需要で先進国を中心にデジタル一眼レフカメラの伸びが期待され、11年以降も年10%超で成長すると予測する。キャノンとニコンが市場の約70%を占めるが、09年から登場したミラーレス一眼カメラがコンパクトDSCからの買い替えで09年比10倍を超える218万台まで増加した。ソニーは、タイのコンパクトDSCの製造を大幅に強化するためデジタル一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラを中心に)は国内生産のウエイトを高める見通しである。11年には韓国メーカーも自社生産のデジタル一眼レフカメラをすべてミラーレスタイプに切り替える。
 欧州ではミラーレス一眼カメラの需要が拡大しており、今後は同地域が需要の中心となっていく見通しである。16年には欧州のデジタル一眼レフカメラ需要は10年比2倍以上の1,060万台に成長し、世界の35.7%を占めると予測する。ミラーレス一眼カメラ市場は、現在ソニー、パナソニック、オリンパス、サムソン電子(韓国)など4社であるが12年までにニコンやキャノンも製品を投入する可能性が高い。
調査結果の概要
1. AV機器(14種)
 2010年2011年予測2016年予測10年比
生産規模9億2,872万台9億 5,290万台9億8,430万台106.0%
 AV機器では、需要の伸びている新興国向け低価格製品や地域別仕様の製品が要求され始めている。先進国でのLCD-TVの成長は10年でほぼ終った。今後はBRICsを始めとする新興国を中心にCRT-TVからの買い替え需要の見通しから、低価格製品が要求される。その為徐々にコストパフォーマンスの高いEMSの採用比率が上昇する。一方、デジタル一眼レフカメラは順調であり、今後の見込みも年率10%近い伸びが続く。DVC市場は、動画機能を標準装備したコンパクトDSCや安価なポケットムービーも登場して、徐々に縮小していく見通しである。ポータブルメディアプレーヤ、ポータブルゲーム機は、その機能を統合するスマートフォンに徐々に市場を譲り台数が減ると予測する。
内容の詳細につきましては『2011 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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