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『2011 光通信関連市場総調査』まとまる(2011/7/5発表 第11060号)

100G光通信、FTTxなど世界の光通信関連市場の調査を実施

FTTx加入者数:2011年末に1億3,320万世帯の見込(前年からの純増数3,720万)
光トランシーバモジュール市場:2015年に4,727億円と予測(2010年比51%増)

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、実用化が始まった100G光通信やデータセンタの光化、世界のFTTxの動向など光通信関連市場を調査分析した。その結果を報告書「2011 光通信関連市場総調査」にまとめた。

 この報告書では、2010年から2011年にかけて起こった光通信関係の新しい動向や技術に注目し、光通信関連の装置、光アクティブデバイス、光パッシブデバイス、通信用電気回路デバイス、光ファイバ/光回路デバイス、測定器/製造装置、関連マテリアルを中心に分析した。

調査結果の概要
1. FTTx累積加入者数(加入者数10万以上の国・地域)
国・地域2010年末2011年末見込純増数
中国4,840万世帯7,900万世帯3,060万
日本1,980万世帯2,210万世帯230万
米国910万世帯1,050万世帯140万
韓国890万世帯910万世帯20万
ロシア400万世帯500万世帯100万
その他580万世帯750万世帯170万
合計9,600万世帯1億3,320万世帯3,720万
その他に含まれる国・地域は台湾、香港、スウェーデン、フランス、リトアニア、イタリア、UAE、ノルウェー、オランダ、スロバキア、ポルトガル、スロベニア、デンマーク、ラトビア
 通信キャリアが構築した光アクセス系ネットワークにおいて、光ファイバ通信を個人宅まで引き込む方法を対象とし、光ファイバを用いたCATV、携帯電話の基地局間通信においてFTTxと同様の通信方式(PONシステムなど)を用いるものは対象外とする。FTTH(Fiber To The Home)は、加入者宅まで直接光ファイバを引く方式であり、高速大容量のまま情報の送受信が可能である。Fiber To The Building+LAN subscribers(以下FTTB+LAN)は、分岐点までは光で来るが、ラスト100m程度をVDSLなどメタル線で分配するシステムである。
 2010年末のFTTx加入者数は9,600万加入で、アジア(日本を除く)が62.7%、日本が20.6%、北米が9.5%、欧州が6.9%、中東・アフリカが0.3%となった。また、FTTB+LANが70.3%、FTTHが29.7%となった。日本、米国、中東・アフリカはFTTHが、アジア、欧州ではFTTB+LANの割合が高くなっている。
 2010年末におけるFTTx累積加入者数10万加入以上の国は、19カ国となり前年より3カ国増えた。新たに10万加入を超えた国は、UAE、ラトビア、ポルトガルである。国別では、中国がトップであり2010年末には4,840万加入となり全体の50%を超えた。光化率は12.1%となったが、まだ伸びる余地がある。日本は、1,980万加入となり全体の20.6%を占める。2011年第一四半期には2,000万に到達している。2010年末現在では74.7%がFTTHの加入者である。米国は、2010年末に910万加入となり韓国を抜き3位となった。欧州ではロシアが400万加入となったが、他の国には大きな進展が見られない。
アジア(日本を除く)
 累積加入者数が、6,020万加入となり前年から2,410万増加した。特に中国の伸びが全体を大きく押し上げた。中国以外では、韓国、香港、台湾などで普及が進んでいる。インドのブロードバンド、FTTx普及は遅れており2010年末時点でブロードバンドは実質1,000万加入、FTTxは6万加入と低迷している。しかし、インド政府もやっと重い腰を上げ、2015年までに200万を超える家庭や企業に、G-PON技術を採用した高速ブロードバンドを提供する計画である。
欧州
 2010年末のFTTx累積加入者数は660万加入となり前年から340万増えた。特にロシアの伸びが300万加入と突出している。FTTHが170万加入、FTTB+LANが490万加入である。欧州では、英国、ドイツなどのようにFTTxに消極的な国も多い。しかし、それらの国でもFTTx計画が出始めている。
中東・アフリカ
 アフリカ沿岸にある主要諸国の大都市には欧州、インドから伝送容量の大きな光海底ケーブル敷設も進んでおり、これに併せてワイヤレスだけでなく有線系アクセスユーザーの拡大を図るインフラ整備環境が整ってきた。今後FTTxの需要拡大が見込まれる。中東諸国でもFTTx市場が成長し、ようやく世帯普及率30%を超える国が出現した(UAE)。中東諸国の人口は約2億1,000万人で、インターネットの普及率は、対人口比で29.8%であるが、各国の経済状態により大きく異なる。
中南米
 中米ではメキシコがブロードバンドユーザー数で他を圧倒している。南米のFTTx投資、構築はチリが進んでおり、アルゼンチン、ブラジルが続いている。
2. 光トランシーバモジュールの全体市場
 2010年2011年見込2015年予測2010年比
販売数量5,710万個6,476万個1億59万個176.2%
販売金額3,136億円3,451億円4,727億円150.7%
 100G/40Gトランシーバ/トランスポンダ、10Gトランシーバ/トランスポンダ、2.5G/1.25Gトランシーバ、PON用トランシーバ、短波長FCトランシーバ、622M/100M長波長トランシーバを対象とする。
 2010年の光トランシーバ市場は、5,710万個(前年比24.4%増)、3,136億円(同17.9%増)となった。中国ではブロードバンドの高速サービス化が検討されており、FTTB+LANからFTTHへの切り替えが始まっている。このため、FTTH用で使用されるPON用トランシーバだけでなく、幹線系整備が必要となり10Gトランシーバ市場も増加した。北米市場もリーマンショックから立ち直っており、特に、データセンタ向けの需要が急増し、1.25G長波長・短波長トランシーバやFC用トランシーバ市場が好調であった。40Gトランシーバ/トランスポンダ市場も2010年は80%以上の伸びを示したが、市場規模はまだ小さい。
内容の詳細につきましては『2011 光通信関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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