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『2011 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2011/7/13発表 第11063号)
世界の半導体実装関連市場の調査を実施
- ■2020年予測
- ■プリント配線板:6兆4,744億円(2010年比40%増)
- ■プリント配線板材料:2兆4,196億円(2010年比27%増)
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、半導体実装および関連する部材の市場を調査分析した。その結果を報告書「2011 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。
この報告書では、海外進出が迫られる日系メーカーの対応、加速する半導体実装技術に対応した部材の新技術、海外メーカーに対抗するための低コスト化技術に焦点を当て、半導体およびプリント配線板における実装技術動向と関連する主要材料、装置の市場動向を明らかにし、将来を予測した。
- ■調査結果の概要
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■東日本大震災による実装関連部材への影響
半導体パッケージおよび実装関連部材において、東日本大震災の影響を最も強く受けた分野はプリント配線板材料である。プリント配線板材料では半導体パッケージ基板用銅張積層板において、日系メーカーのシェアが突出して高く、パナソニック電工、日立化成工業、三菱ガス化学の工場が福島および茨城にあったため、震災直後に工場の操業停止を余儀なくされている。半導体パッケージ基板向け銅張積層板メーカーは2011年5月末の段階で、震災前の水準まで生産可能となっている。現在半導体パッケージ基板向け銅張積層板は全て日本国内で生産を行っているが、震災後はリスク分散を背景に海外の生産拠点での生産認証をユーザーにとる動きが見受けられる。韓国および台湾基板メーカーでは、自国の銅張積層板メーカーの製品の評価を急いでおり、一部日系メーカーのシェアが海外メーカーに侵食されている。
電解銅箔は製造による電力消費量が大きく、関東県内に工場を有するメーカーは3月〜4月の計画停電の際に工場の稼働を止めていた。計画停電が収束した後は、直ちに工場を稼働させており、電解銅箔を使用するリジッド基板、フレキシブルプリント配線板、リチウムイオン電池のそれぞれの生産の影響は軽微であったが、2011年の夏場には再び電力供給が不安定になる可能性が大きく、日本国内からの出荷が制限される可能性もある。
半導体シリコンウェハではシェアトップの信越化学工業が被災したため、シリコンウェハにおいても一部不足状況が続いている。6月下旬から7月上旬にかけてフル生産に戻る見通しであり、特に大きな混乱には至らないと推測される。 -
2010年 2011年見込 2020年予測 2010年比 プリント配線板 4兆6,294億円 5兆804億円 6兆4,744億円 139.9% プリント配線板材料 1兆9,079億円 2兆585億円 2兆4,196億円 126.8% 半導体/その他関連製品 1兆3,582億円 1兆4,514億円 1兆4,743億円 108.5% 実装関連装置 8,517億円 9,079億円 1兆757億円 126.3% -
■プリント配線板
片面・両面リジッド基板は新興国において白物家電向けで堅調に拡大している。多層リジッド基板はTVとPCのメイン基板向けで長期的に拡大していく見通しである。ビルドアップ基板ではAny Layerタイプのビルドアップ基板がAppleを中心とするスマートフォン向けで急増している。フレキシブルプリント配線板はスマートフォンとタブレットPC向けでは拡大しているが、デジタルカメラと光ピックアップ向けはピークを迎えており、成長率は鈍化している。 -
■プリント配線板材料
モバイル機器の増加によりCSP(Chip Size Package)が増加し、CSP基板向けの銅張積層板が大幅に拡大している。日系メーカーのシェアが高いが、東日本大震災の影響もあり、韓国および台湾メーカーに一部生産がシフトしている。CSP基板用の電解銅箔では依然として日系メーカーのシェアは高い。フレキシブル銅張積層板では薄型化を目的に3層FCCLから2層FCCLへのシフトが加速している。また、同時に両面板へのシフトも著しく、カバーレイフィルム、電解銅箔、圧延銅箔も増加している。 -
■半導体/その他関連製品
貴金属類の価格が、2010年から2011年で総じて上昇したことで、低価格化の為に、低Ag含有タイプの製品や、Cu/Agワイヤといった新材料の製品の採用ウェイトが上昇している。三次元実装や新パッケージ製造工程に対応する為に、ダイボンドフィルム代替アンダーフィルムやアンダーフィル一体型トランスファモールド、はんだボール代替導電性接着剤などの需要が増加している。 -
■実装関連装置
基板製造関連装置では拡大するスマートフォン需要に対応するため、レーザー加工機、直描露光装置の販売台数が急激に増加傾向にある。モバイル機器や車載機器など、多品種生産が行なわれる用途を中心に、柔軟性の高いラインの構築が求められている。このような中、実装機や検査装置のデュアルレーン化が進んでいる。また、高密度実装の進展に伴い検査ニーズが増加している。リフロー後外観検査装置では3Dタイプが増えつつある。また、インラインX線検査装置の導入が本格的に検討され始めている。 - ■半導体市場の概要
- 2010年の市場は2009年の世界同時不況による落ち込みの反動と中国やインドなど新興国市場の台頭を要因として前年比33%増の3,010億ドルとなった。2010年は、オプトデバイスにおけるLEDなどの増加に牽引されディスクリートやオプトデバイスが前年比39%増となり、IC、LSIはフラッシュやDRAMなどメモリ関係の伸びが目立った。特にNAND型フラッシュメモリはスマートフォンやタブレット端末の需要拡大により増加した。2011年、2012年は、スマートフォンやタブレット端末を除くパソコンや薄型テレビなどのセット機器の販売が先進国で鈍化し、5%程度の緩やかな成長となる見通しである。今後は、従来のスマートフォン・携帯電話、タブレット端末や民生機器などのアプリケーションに加え、環境対応自動車など車載関連、エネルギー関連、照明関連などの環境対応アプリケーションでの需要拡大が期待される。車載関連ではHV、EV、エンターテインメント機器、エンジン制御、カーナビなどで半導体の需要が拡大している。
内容の詳細につきましては『2011 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)