プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2011年 ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望』まとまる(2011/8/4発表 第11072号)

『2011年 ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望』まとまる(2011/8/4発表 第11072号)

ライフサイエンス分野のデバイス/材料市場を調査

2020年予測
再生医療分野は皮膚と軟骨が市場を牽引し、2010年比3.8倍の46億円

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、主に先端医療・医薬品分野、化粧品分野、機能性食品分野など、これらライフサイエンス分野における主なデバイス、材料の国内市場を調査した(一部の品目は世界市場も調査した)。その結果を報告書「2011年 ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望」にまとめた。

 この報告書では、再生医療分野8品目、人工臓器・整形材料分野5品目、生体適合材料分野6品目、プロテオミクス/ゲノミクス分野4品目、試薬・診断薬分野3品目、バイオ医薬関連分野8品目、その他分野6品目、合計7分野40品目のデバイス、材料市場を調査分析した。

調査結果の概要
1. 再生医療分野(国内市場)
2010年前年比2020年予測2010年比
11.9億円106.3%45.8億円384.9%
 市場は調査対象8品目の内、ヒト細胞、皮膚、軟骨の3品目を対象としている。
 ヒト細胞は、現状はすべて輸入品であり、大学の研究室や公的研究機関などの各種研究、製薬メーカーや化粧品メーカーの製品開発に使用されている。臓器系や血液系、幹細胞などの需要は増加しているが、先行して使用されてきた皮膚系や血管系の需要が減少していることから、市場は緩やかに縮小している。
 皮膚はジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの自家培養皮膚「ジェイス」が2009年に保険適用を受け、市場が立ち上がった。適用疾患が重度の熱傷及び熱創傷であることから患者数は少ないが、需要は増加している。今後適用範囲が広がれば市場は大きく拡大すると予想される。
 軟骨はジャパン・ティッシュ・エンジニアリングが2009年に製造承認を申請している。市場は2012年頃から立ち上がると予想した。入院を要する関節障害や関節症患者、約2万人がターゲットになると見られる。高齢化が進んでいることから今後対象疾患患者は増加すると予想される。
2. 人工臓器・整形材料分野(国内市場)
2010年前年比2020年予測2010年比
620.8億円100.3%679.2億円109.4%
 人工心臓(補助人工心臓)、人工腎臓(ダイアライザー)、人工肺(人工心肺装置)、人工骨、人工皮膚(人工真皮)の5品目を対象としている。
 各品目とも技術的に進んでおり、広く使用されている。市場は高齢化に伴い微増で推移している。2011年は高価な埋め込み型人工心臓の新製品が市場投入されており、金額ベースでの伸びが期待される。
3. 生体適合材料分野(国内市場)
2010年前年比2020年予測2010年比
11.9億円96.7%9.9億円83.2%
 市場は調査対象6品目の内、ゼラチン(医療向け)と抗血栓性コーティング剤の2品目を対象としている。
 ゼラチンはカプセル剤、錠剤、トローチ剤などの材料として使用されている。医薬品の国内生産量の減少に伴い、需要が減少している。
 抗血栓性コーティング剤は、各種医療用部材の他、細胞培養容器など用途拡大に伴い、拡大推移している。
4. プロテオミクス/ゲノミクス分野(国内市場)
2010年前年比2020年予測2010年比
58.2億円106.4%113.5億円195.0%
 DNAチップ/マイクロアレイ、プロテインチップ、糖鎖精製キット、SPR(表面プラズモン共鳴)免疫センサーの4品目を対象としている。
 4品目の中では、細胞内の遺伝子発現量を測定するDNAチップ/マイクロアレイの市場形成が先行しており、この市場の約9割を占めている(2010年)。大半は大学や各種研究機関等での研究用途である。医療用途に関しては米国で進んでおり、中国、インド等の新興国でも徐々に需要が増加している。この流れが国内にも波及すると期待される。
 糖鎖構造に関する情報を得る糖鎖精製キットは、従来の煩雑な操作や熟練を必要とせず、簡易、かつ短時間で試料の分離精製、分析が行えるキットとして、研究用途需要を中心に拡大しはじめている。糖鎖チップの市場投入が予定されていることから、研究用途需要獲得には相乗効果が期待される。
 タンパク質における情報を得るプロテインチップは、研究用途を中心に需要が増加しており、堅調な拡大が予想される。
 SPR免疫センサーは、抗原抗体やDNA等の生体分子の濃度や反応速度を計測するバイオセンサーである。現状は研究用途へのサンプル供給段階であるが、イムノクロマト法ではカバーできない高い感度と測定速度が要求される疾患の診断向けなどでの実用化が視野に入っている。市場の立ち上がりは2013年頃と見られる。
5. 試薬・診断薬分野(国内市場)
2010年前年比2020年予測2010年比
237.6億円50.4%245.2億円103.2%
 市場は調査対象である診断薬用微粒子、試薬キット(インフルエンザ抗原迅速検査キット)、診断薬用酵素の3品目を対象としている。2009年に新型インフルエンザの大流行でインフルエンザ抗原迅速検査キットが急伸したことから市場は大幅に拡大したが、2010年はインフルエンザ流行が例年並みとなったことから減少し、市場も半減した。
 診断薬用微粒子は、その8割以上がラテックス微粒子であるが、単価や測定感度などの点から金コロイド微粒子が増加している。
内容の詳細につきましては『2011年 ライフサイエンスケミカルの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ