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『2011 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧(上下巻)』まとまる(2011/10/31発表 第11103号)

通信機器/システム、通信サービス…国内コミュニケーション関連市場を調査

15年度のスマートフォン市場は10年度比5.0倍3,550万台。ケータイの96%がスマホに
ケータイ=携帯電話端末(PHS端末含む)

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、メールやSNS、Twitter、FaceBookなどといったコミュニケーションツールの多様化、スマートフォンやタブレット端末投入の加速、クラウドコンピューティングの本格化、さらには東日本大震災の影響を受けるなど、目まぐるしく変化する国内のコミュニケーション(通信)関連市場を調査した。その結果を報告書「2011 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧(上下巻)」にまとめた。

 この報告書は、上巻では通信機器/システム市場を、下巻では通信サービス市場を調査分析し、今後を展望した。

国内注目市場
1. スマートフォン、タブレット端末(モバイル通信関連製品)
 2010年度2011年度見込2015年度予測2010年度比
スマートフォン705万台1,900万台3,550万台503.5%
3,090億円8,290億円1兆3,800億円446.6%
タブレット端末105万台290万台500万台476.2%
350億円1,150億円1,880億円537.1%
スマートフォン
 2010年度の市場は前年度比3.8倍の705万台となった。アップルジャパンの「iPhone」がほぼ独占していた市場に、NTTドコモの「Xperia」をはじめ、各社より新製品が相次いで発売されことにより拡大が加速した。
 スマートフォンはワンセグやおサイフケータイなどの機能の搭載、非タッチパネル式やスライド式、フルキーボードなどといったラインアップの増加、パケット定額制料金の値下げ、LTEやWiMAX対応による高速化が見込まれ、端末及びサービス面で魅力度が増している。通信キャリアはスマートフォンがデータARPU(加入者一人あたりの月間売上高)増加に寄与することから端末割引制度を開始し、発売時期、新規/機種変更といった条件によるが、フィーチャーフォンよりも安価に購入できるようにしている。そして今後も積極的に発売していく方針である。また、端末メーカーも汎用OSを採用することで開発コストを抑えられるスマートフォンに今後一層注力していくと見られる。
 2011年度は通信キャリアから発売される新機種のうち半数以上がスマートフォンになる見込みである。今後も市場は拡大し、「らくらくホン」のような簡単ケータイや音声メインの用途といった特定のニーズ以外はスマートフォンに置き替わり、携帯電話端末(PHS端末含む)市場の95.9%(台数ベース)を占めると予測される。
タブレット端末
 タブレット端末はスマートフォンとPCの中間にあたる情報端末で「iPad2」「Optimus Pad」「MOTOROLA XOOM」などを対象としている。市場は2010年5月にアップルジャパンから「iPad」が発売されたことで本格的に立ち上がった。タブレット端末は3G通信機能を搭載した3Gタイプと無線LANを搭載したWi−Fiタイプがあり、現状はランニングコストのかからないWi−Fiタイプが主流になっている。
 2010年度の市場は前年度比21倍の105万台となった。個人(個人ユーザー)市場は手軽にブラウジングやコミュニケーションツールを利用できる端末として拡大し、Wi−Fiタイプが中心になると見られる。法人(法人ユーザー)市場は通信キャリアが積極的な販促を行っており、営業販促ツール(プレゼン、営業支援、社内情報共有等)としての導入が進むと見られる。
2. 公衆無線LANサービス(インターネット接続サービス)
2010年度2011年度見込2015年度予測2010年度比
32億円46億円131億円409.4%
 公衆無線LANサービス(通称ホットスポットサービス)は、駅や空港、ホテル、カフェ、ファストフード店や街角などで、インターネットに接続できる環境を提供するワイヤレスブロードバンドサービスである。
 従来このサービスを利用する端末の中心はノートPCであったが、ノートPCはシステムの立ち上がりに一定の時間がかかることや可搬性が高くないことなどから需要も限定的で、市場は伸び悩んでいた。しかし、無線LAN機能を搭載し、可搬性が高いスマートフォンやタブレット端末が普及しはじめたことでサービス利用者が増加しており、市場が拡大している。
 今後も市場はスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い拡大すると予想される。ただし、想定を上回る通信トラフィックの増大から、サービス品質を保つためにはインフラ拡充の必要性が高まってきている。また、通信キャリアでは、スマートフォンの普及により3G回線の通信トラフィックが増大していることなどから、データのオフロードを目的としたスマートフォンのWi−Fi接続を推進していく動きが見られる。各通信キャリアによりフリースポットの提供や拡充が進められていることから、有償であるこのサービスの競合になるという見方もできるが、ユーザーのWi−Fiの認知度が高まることで需要拡大にもつながる期待もあるため、一概に市場拡大の阻害要因になるとは言えない。料金体系としては完全定額制が主流であるが、スポット的な利用の場合には時間制や従量制のニーズも根強い。
3. M2Mサービス(移動体通信サービス)
2010年度2011年度見込2015年度予測2010年度比
175億円196億円587億円335.4%
 M2Mサービスは携帯電話、PHS、WiMAXといった通信モジュールを搭載した機器同士のワイヤレス通信サービスで、ここでは主に法人市場で利用されるものを対象とし、市場は機器間のデータ通信に利用される通信サービスの利用料金のみを対象とした。
 市場は自動販売機やエレベーター、コピー機、運行管理を目的とした車載器に通信モジュールが搭載されるようになり拡大してきた。電気やガス、水道などのメーター検針や決済端末などでの利用も増加していることに加え、近年は通信速度が向上していることや通信モジュールの小型・軽量化、省電力化といった技術革新によりアプリケーションが広がっており、市場が拡大している。
 現状、様々な用途が検討・提案されており、数千万単位の導入が期待できるスマートメーターや、家電などへの搭載も見込まれることから、長期的には携帯電話端末(PHS端末含む)の契約数を凌ぐ規模に成長すると予想される。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(上巻下巻)をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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