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『2011年 発泡プラスチックスの現状と将来展望』まとまる(2011/11/21発表 第11110号)
発泡プラスチック市場を調査
- ■2015年予測:
- ■発泡プラスチック市場は7,189億円 断熱材や反射板など省エネ用途牽引
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、軽量化・省エネ素材として注目されている発泡プラスチックとその関連材料・素材について、国内市場を中心に調査した。その結果を報告書「2011年 発泡プラスチックスの現状と将来展望」にまとめた。
発泡プラスチックは、樹脂機能とポーラス構造(発泡化)の組み合わせによって、緩衝性、柔軟性、断熱性、保温性、軽量性などの性質を有するプラスチック製品である。日用品・雑貨類から、土木・建築資材、工業資材まで幅広い分野で採用されている。
この調査では、熱可塑性樹脂フォーム(9樹脂30品目)、熱硬化性樹脂(6品目)、エンプラ(6品目)、ゴム・エラストマー(4品目)、その他注目フォーム(4品目)と、副資材である発泡関連材料(5品目)及び発泡プラスチックの競合材料(2品目)の各市場(計57品目)について、現状を分析し今後を予測した。
なお、市場規模は各品目の特性に応じて、国内市場、国内市場+輸出、世界市場で算出した。
- ■調査結果の概要
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■発泡プラスチック市場
2010年 2011年見込 2015年予測 11-15年
平均成長率6,611億円 6,615億円 7,189億円 2.1% -
発泡プラスチック市場(発泡関連材料、競合材料、市場未算出品目など除く38品目合計)は、2010年に前年比108.7%の6,611億円となった。景気後退の影響で2009年は大きく落ち込んだが、景気が持ち直してきた2010年は拡大に転じた。
2011年は東日本大震災の影響で、生産工場や原材料工場の被災、自動車を始め用途先の生産減少がみられており、ほぼ横ばいの6,615億円が見込まれる。2012年以降は堅調に推移し、2015年には7,189億円が予測される。土木・建築分野では東日本大震災の復興需要も上乗せされると考えられる。 -
発泡プラスチックは、軽量性や断熱性に優れていることから、省エネルギーや環境負荷軽減といった機能を訴求する製品・部材へ採用されるケースが多い。
自動車分野では、ハイブリッド自動車や電気自動車など次世代車で軽量化のニーズが高い。また、既存のガソリン車やディーゼル車においても、燃費向上を図り軽量化が進められている。ビーズ発泡(EPP)、PE/PS複合ビーズ発泡、押出発泡ゴムなどが、内装材を中心に様々な部材で取り入れられている。
住宅分野では断熱材として、ウレタンフォーム、押出発泡ポリスチレン(XPS)、フェノールフォーム、高発泡高密度ポリエチレン(高発泡HDPE)などが採用されている。住宅の熱エネルギーのロスを抑える断熱材は省エネ効果が高く、次世代省エネ基準を満たす条件としても、重要な位置を占めている。 -
また、産業分野では、生産拠点の海外シフトが進み国内の搬送資材需要が落ち込む中、発泡製品間の代替や非発泡製品からの代替も進んでいる。前者はPE/PS複合ビーズ発泡における液晶パネル搬送資材用途、後者はLDPE無架橋押出(高発泡)における液晶パネルのマザーガラスの緩衝材(合紙)用途としての採用が挙げられる。
液晶パネルや照明関連では、高い光反射性を有する微細発泡シートも拡大している。光源数を減らせるため省エネ効果が高く、東日本大震災に伴う電力問題もあり、今後の高成長が予測される。 - 発泡プラスチックは軽量性を特徴とする一方で、重量当りの容積が大きくなる。そのため大量の輸出は難しく、生産地と需要地が近い“地産地消”の傾向が強い市場となっている。国内における需要が限られている中、日系メーカーの海外展開は、現地拠点での製造・販売が中心となっている。輸出は、高い耐熱性を有するPIフォームなど、高機能製品を中心に僅かである。
- ■注目市場
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1. 微細発泡シート【その他注目フォーム】 国内市場
2010年 2011年見込 2015年予測 11-15年
平均成長率44億円 80億円 187億円 23.6%
反射率が高いことから光源数の減少が可能であり、省エネに貢献すると共に光源コストも低減出来る。2010年に施行された改正省エネ法に伴って需要が増加していることに加え、東日本大震災に伴う電力問題で省エネの必要性が高まったことで、今後、年率20%台の高成長が予測される。
また、LEDエッジライトテレビ反射板専用製品が2010年に販売開始され、LEDテレビ市場の拡大と共に需要が急増しているとみられる。 -
2. フェノールフォーム【熱硬化性樹脂】 国内市場
2010年 2011年見込 2015年予測 11-15年
平均成長率122億円 120億円 186億円 11.6%
2010年の国内市場は、住宅エコポイント制度に伴い住宅用断熱材の需要が急増したことなどを要因に、前年比120.8%の122億円となった。2011年は東日本大震災による工場被災など生産に支障が生じたほか、住宅エコポイント制度の終了もあり、減少に転じる見込みである。
省エネ基準の義務化やより上位の基準策定によって住宅用断熱材の使用量は増加していく見通しで、フェノールフォームも需要の拡大が考えられる。また、メーカーが産業機器用断熱材など非住宅用途の拡大に注力していることもあり、今後は年率10%程度の成長が続く見通しである。
内容の詳細につきましては『2011年 発泡プラスチックスの現状と将来展望』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)