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『デジタルサイネージ市場総調査 2012《上巻:市場編》』まとまる(2012/1/31発表 第12009号)
デジタルサイネージの国内市場を調査
- ■2020年予測
- ■国内デジタルサイネージ市場は2,615億円(2011年比3.3倍)
- その内ネットワーク対応が2,071億円(構成比は2011年の53%から79%へ26ポイント上昇)
- ■デジタルサイネージ利用の広告市場は1,550億円(2011年比8.5倍)
- …交通機関や小売店舗/商業施設、教育機関のメディアの増加に伴い着実に拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ディスプレイを活用した電子データによる情報表示システム「デジタルサイネージ」の国内市場を調査した。この調査では、デジタルサイネージ市場をシステム販売/構築市場、コンテンツ制作/配信サービス市場、広告市場に分類し、需要先の動向を踏まえ、市場の現状と方向性を分析している。また、主要需要先(12分野)と関連製品/システム(15品目)に関しても分野、品目毎に分析している。その結果を報告書「デジタルサイネージ市場総調査 2012《上巻:市場編》」にまとめた。
尚、1月31日発刊予定の下巻では、ディスプレイメーカーやシステムインテグレーター、通信キャリア、コンテンツ制作/配信事業者、広告代理店、媒体/メディア運営事業者など、上巻の調査対象の中から主要50社を抽出し、事業の規模、課題・問題点、ターゲット分野/用途などをまとめることで各ビジネスモデルの検証を行う。
- ■調査結果の概要
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■国内デジタルサイネージ市場
2011年 2020年予測 2011年比 システム販売/構築 485億円 695億円 143.3% コンテンツ制作/配信サービス 119億円 370億円 310.9% 広告 183億円 1,550億円 847.0% 合計 787億円 2,615億円 332.3% └ 内ネットワーク対応 419億円 2,071億円 494.3%
一部広告媒体では節電対策が続いており、また、デジタルサイネージ利用の広告が節電に協力していないとのマイナスイメージから出稿を控えるユーザーもいるが、デジタルサイネージに対する需要は回復に向かっており、2012年の市場は前年比14.0%増の897億円が見込まれる。
システム販売/構築市場は、低価格化により伸びが鈍化している。従って、今後はユーザーや広告媒体の増加により拡大が期待されるコンテンツ制作/配信サービス市場、広告市場が牽引し、国内デジタルサイネージ市場は2015年に1,459億円、2020年には2,615億円に拡大すると予測される。 -
■システム販売/構築市場
2011年の市場は前年比3.6%増の485億円となった。国内デジタルサイネージ市場の62%を占める。3月に発生した原発事故による節電対策や経済環境の悪化により、予定していた案件の中止や延期が見られたものの、ディスプレイや配信システムの低価格化でユーザー層が広がり拡大した。
しかし、低価格化によって市場の伸び率は鈍化しており、2020年の市場は2011年比43.3%増の695億円に留まると予測される。コンテンツ制作/配信サービス市場や広告市場が好調に拡大すると予想されることから、国内デジタルサイネージ市場における構成比は27%まで低下すると見られる。
尚、システム販売/構築市場の内、ネットワーク対応市場(狭義のデジタルサイネージ対象市場)は2011年に35%、2020年には同37%を占める。 -
■コンテンツ制作/配信サービス市場
2011年の市場は前年比20.2%増の119億円となった。国内デジタルサイネージ市場の15%を占める。震災の影響を大きく受けたシステム販売/構築市場や広告市場とは異なり、2011年も高い伸びとなった。
配信システム導入ユーザーは年々増加しており、配信業務を委託するユーザーもサービスの低コスト化により増加していることから2020年の市場は2011年比3.1倍の370億円が予測される。しかし、広告市場の大幅な拡大により、国内デジタルサイネージ市場における構成比は14%と僅かながら低下する。
尚、コンテンツ制作/配信サービス市場は、100%ネットワーク対応市場である。 -
■広告市場(デジタルサイネージ利用の広告市場)
2011年の市場は前年比3.7%減の183億円となった。国内デジタルサイネージ市場の23%を占める。交通機関の車両メディア(広告媒体)や小売店舗/商業施設のインストアメディアとその広告は増加したが、ビルボード広告や交通機関の構内/施設内メディアの広告の減少によりマイナスとなった。
2012年以降も夏場の節電対策の影響などが考えられるが、交通機関や小売店舗/商業施設(美容室等)、教育機関(大学/予備校/進学塾)を中心に、メディアと広告は着実に増加し、市場は年率20〜30程度の成長が予測される。既存の交通機関や屋外のメディアが全てデジタルサイネージへと切り替わる可能性は低いが、デジタルサイネージ化率は高まり、市場は2020年に2011年比8.5倍の1,550億円が予測され、国内デジタルサイネージ市場における構成比は59%に上昇する。
尚、広告市場の内、ネットワーク対応市場は2011年に70%、2020年には同93%を占める。 - ■需要先 注目市場
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1. 交通機関
2011年 2020年予測 2011年比 ディスプレイ 14,210台 21,250台 149.5% 配信システム 3,000システム 4,500システム 150.0% コンテンツ制作/配信サービス 25億円 83億円 332.0%
ディスプレイ市場は2011年に14,210台となり、2020年には21,250台が予測される。鉄道駅を中心に、空港や道路サービス施設等の新設やリニューアル時に交通情報表示用としての導入が増加している。他の分野に比べると設置スペースが広いことから、60インチ以上の大型サイズやマルチビジョンの導入も多い。中小型モニターは、鉄道の車両メディアとしての導入に加え、今後はバス/タクシー車両等での需要増が見込まれる。
配信システム市場は2011年に3,000システムとなり、2020年には4,500システムが予測される。鉄道(駅構内)と空港の比率が高くなっている。都市部の駅や主要空港を中心に追加導入、中部や関西での新規導入が増加している。道路サービス施設では、広告メディアとしての認知度は鉄道や空港と比べて低く、先ずは交通情報や地域情報、観光案内などの用途での導入が主体と見られる。
コンテンツ制作/配信サービス市場は2011年に25億円となり、2020年には83億円が予測される。メディア(広告媒体)利用の増加に伴い、配信業務を委託するケースも年々増加している。当面は鉄道(駅構内)や空港(施設管理会社及び航空会社)等を中心にASPサービスの利用が増加し、徐々に道路サービス施設等でのニーズも高まっていくと予想される。
内容の詳細につきましては『デジタルサイネージ市場総調査 2012《上巻:市場編》』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)