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『車載ECUアナライジング&マーケットレポート 2012』まとまる(2012/2/17発表 第12016号)

パワートレイン系、足回り系、ボディ系、安全系、情報系、HV/EV系、車載ECUの世界市場を調査

自動車のECU搭載数 今後の動向
パワートレイン系:システムの高度化で増加
足回り系:一部で機能統合もほぼ現状維持
ボディ系:価格重視車種は減少、快適性重視車種は増加
安全系:搭載ゼロの軽・小型で搭載が進展
情報系:機能統合により減少
HV/EV系:機能統合が進まず現状維持

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、年々高度化する自動車のエンジンやブレーキ、ステアリング、エアコン、ナビゲーションなどのシステムを、センサー情報をもとに制御するコンピュータ「ECU(Electronic Control Unit)」の世界市場を調査した。

 この調査では、パワートレイン系(3品目)、足回り系(3品目)、ボディ系(5品目)、安全系(2品目)、情報系(1品目)、HV/EV系(1品目)の車載ECU15品目の市場とECUの統合・分散状況などについて現状と今後の方向性を調査分析した。また、ECUの構成部品8品目の市場も併せて調査分析した。さらに、セレクトした乗用車10車種におけるECUの搭載場所・個数、搭載ECU10品目の技術トレンド・構成部品の状況などについてもケーススタディした。

 その結果を報告書「車載ECUアナライジング&マーケットレポート 2012」にまとめた。

調査結果の概要
車載ECU搭載数の世界動向
自動車分類ECU搭載数
全長:〜4,400mm、排気量:0.6〜1.25l9〜26
全長:4,400〜4,800mm、排気量:1.0〜2.0l14〜38
全長:4,800mm〜、排気量:2.0l〜25〜71
HV/EV18〜43
2009年から2011年モデルの自動車(トラック・バス含む)を対象。自動車は全長と排気量、HV/EVに分類。
同分類でも装備やオプションにより上表に当てはまらない場合あり。
 現状、全長4,800mm以上、排気量2.0l以上の自動車には、25個から71個のECUが搭載されている。今後はボディ系で増加し、情報系で減少すると見られる。HV/EVに関しては18個から43個のECUが搭載されている。今後はボディ系で増加するが、その他の分野では現状維持と見られる。
パワートレイン系
 パワートレイン系にはエンジン、トランスミッション、アイドリングストップ、電動可変バルブ、EV(電気自動車)モータ制御などのシステム用ECUがある。搭載数は今後増加傾向にある。
 エンジンECUとトランスミッションECUは、各々単独か、機能統合したエンジン・トランスミッション一体ECUが搭載される。現状ではほとんどの自動車メーカーが別々に搭載している。アイドリングストップECUは、小型自動車へのアイドリングストップシステムの搭載が進んでいるため増加している。ただ、アイドリングストップシステムはエンジンECUにその制御を持たせる場合もある。ブレーキ信号やステアリング信号などを計算して制御する場合やエンジン機構だけでアイドリングストップを行うシステムの場合はエンジンECUで制御した方が効率がよいからである。
 今後高効率エンジンの実現のために、様々な制御が電子化されてくる。単純なバルブの開閉調整であればエンジンECUで制御できるが、電動可変バルブタイミング・リフトのように複雑な動きを制御する場合は、エンジンECUに負担をかけないよう機能分散され、専用ECUが搭載されると見られる。
 ガソリンエンジンECUの世界市場
2011年前年比2020年予測11年比
3,906億円101.9%4,241億円108.6%
 ガソリンエンジンECUは、吸入空気量、アイドル回転数、燃料噴射、点火時期、ノッキングなどの制御を行い燃費性能やエンジン性能を左右する。
 トランスミッション一体ECUも含み、2011年の市場は3,906億円となった。これまでエンジンECUは、温度・湿度や振動環境が比較的良好な車室内に置かれるケースが一般的であったが、エンジンルームから車室内に張り巡らされるワイヤハーネスの削減や短縮による軽量化、配置最適化から、エンジンルーム内に搭載するケースが増加している。
足回り系
 足回り系にはABS(Anti-Lock Brake System)、ESC(Electronic Stability Control:横滑り防止装置)、電動パワーステアリング、電動パーキングブレーキ、ステアリングロック、電子制御サスペンション、電子制御4WDなどのシステム用ECUがある。足回り系は各システムをそれぞれのECUで制御した方が安全性を高める上で効率が良いため、搭載数は今後も現状維持と見られる。ただ、ABSやESCといった電子制御ブレーキシステムなどは他の分野のECUと統合されていく可能性がある。
 ESC ECUの世界市場
2011年前年比2020年予測11年比
4,577億円109.4%6,617億円144.6%
 ESC ECUは、急ブレーキ時のタイヤのロックアップや横滑り防止の機能に加え、横方向の車体制御を行うシステムを制御するECUである。
 2011年の市場は、4,577億円となった。ESCは中期的に見て先進国では乗用車の85%程度に搭載されると見られる。一部の新興国でも搭載率上昇が期待されるため、2020年には6,617億円が予測される。
ボディ系
 ボディ系にはボディ統合ECUや、エアバック、エアコン、メーター、パワーウィンドウ、スマートキー、ヘッドランプレベリング、シート制御などのシステム用ECUがある。基本的には各システムに一つずつECUが搭載されるが、ドアロックやワイパー、イルミネーション・室内照明などの単純な制御はボディ統合ECUに集約される。一方で、システムの高度化によってボディ統合ECUからの機能分散で専用ECUの搭載へと発展するケースもある。
 今後の搭載数は、軽自動車や小型の自動車で、車体価格重視の車種では必要最低限に留める方向にあり、現状維持か減少するが、小型の自動車でも快適装備が重視される車種、高級車などは増加すると見られる。
 ボディ統合ECUの世界市場
2011年前年比2020年予測11年比
3,160億円105.3%3,558億円112.6%
 ボディ統合ECUは、ボディ系の機能で比較的単機能な制御を一つにまとめたECUである。2011年の市場は、3,160億円となった。ほぼ全車に搭載されているが、一部の新興国ではまだ搭載されていない自動車もある。今後は全車に搭載されるようになると予想される。
内容の詳細につきましては『車載ECUアナライジング&マーケットレポート 2012』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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