プレスリリースPress Releases
『2012 ストレージ関連市場総調査』まとまる(2012/4/2発表 第12032号)
世界のストレージ関連市場を調査〜HDD、SSD、半導体メモリなどの棲み分けを予測する
- ■2017年の市場予測
- ■全世界ストレージデバイス供給容量:3,032 エクサバイト(11年比6.0倍)
■HDD需要:7億9,060 万台(11年比127%)
■SSD(Solid State Drive)需要:25.9エクサバイト(11年比12.9倍)
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、クラウドコンピューティングサービス時代の、使用機器別ストレージデバイス採用状況と棲み分けを明らかにするストレージ関連53品目の世界市場を調査した。
調査は、サーバやPCなど搭載機器8品目、CD、DVD、BD、HDD、SSDなどのドライブ15品目、メモリーカード、USBメモリなどリムーバブルメディア14品目、部品材料16品目を対象に調査・分析を行い、さらにHDD・SSD関連の主要企業10社(日本、韓国、米国など)の事例研究を行った。
その結果を報告書「2012 ストレージ関連市場総調査」にまとめた。
- ■調査結果の概要
-
■全世界ストレージデバイス(HDD、NANDフラッシュメモリ、光ディスク)出荷容量予測(容量ベース)
分野 2011年 2012年見込 2017年予測 11年比 クライアント分野 279EB 414EB 1,359EB 487.1% 企業分野(データセンタなど) 97EB 154EB 914EB 942.3% 外付け・増設分野 89EB 138EB 706EB 793.3% リムーバブル分野 43EB 44EB 54EB 125.6% 全体 507EB 750EB 3,032EB 598.0%
調査の対象としたHDD、NANDフラッシュメモリ、光ディスクメディアを合計した11年の全世界ストレージデバイス供給容量は507EBとなった。デジタル情報量は今後益々増加の一途を辿ると見られ、12年には前年比48%増の750EBに達し、12年以降も年率35%で拡大を続け17年には、11年の6倍、3,032EBの市場になると予測する。
今後は、クラウドコンピューティング(BtoB、BtoC、コンテンツ配信など)が広く普及してその影響が各分野に及ぶ。
クライアントはオンラインサーバに情報を集約してアクセスするようになり、クライアント分野のストレージ搭載容量比率は徐々に縮小していくと予測する。 -
■データセンタ向けHDDの需要増加
企業分野のストレージシステム、デジタルコンテンツ配信、各種SNSの増加やWebメール、インターネット地図データサービスなどのインターネットサービスの普及に伴い、17年には企業分野向け容量は11年比9.4倍に急増すると予測する。そうした中、特にデータセンタ向けHDDの需要増加を予測する。 -
■外付けストレージ(外付けHDD)の需要増加
クライアント分野、特にコンシューマPCでは音楽データ、高精細な映像情報や画像データのストレージニーズが増加している。クライアントストレージが不足した際の増設ニーズが高まっており、今後も高成長が続き、17年には、11年比7.9倍に増加すると予測する。
本来であれば、クライアント側に保存しきれないデータはクラウド側に集約させるコンセプトで進んでいた。
しかし、現状のクラウドサービスは特にBtoC分野で、通信インフラ、DRM(デジタル著作権管理技術)、セキュリティなどの面で難題が多く、使い勝手の優れたサービスはまだ普及段階に無い。その結果として外付けHDDの需要が世界的に増加している。また日本では外付けHDDへの録画機能を備えたTVが増加したことも外付けHDDの需要増加に影響した。 -
■リムーバブルメディアの需要頭打ち
Gmailの様な無料Webメールやネットワーク上のストレージを活用して低容量データの機器間移動を行なうケースが増加しており、今後、メモリーカードやUSBメモリなどのリムーバブルメディアの出荷台数は微増に留まると予測する。またメモリーカードスロットを搭載しないiPhoneの世界的ヒットや内蔵ストレージが大容量化したスマートフォンの普及によりメモリーカード需要は今後微減の見通しである。機器間のデータのやり取りにおいて物理メディアを採用するケースが減少している事に加え、メモリーカード、USBメモリなどのリムーバブルメディア1個あたりの容量増加により買い替え需要も減少している。またネット配信サービスの充実によりCD、DVD、BDなどの光ディスクによるソフト流通やアーカイブ需要が減り、外付け・増設HDDやネットワークストレージ/バックアップにシフトしていくと予測する。 - ■注目市場推移
-
1. ハードディスクドライブ(HDD)用途別市場 単位:万台
分野 2011年 2012年見込 2017年予測 11年比 全体 62,250 66,080 79,060 127.0% デスクトップPC用 13,630 13,520 10,850 79.6% ノートPC用 19,490 20,440 20,090 103.1% 外付け・増設用 6,930 7,630 12,940 186.7% データセンタ向け 2,960 3,400 6,850 131.4%
一方、外付けHDDはPCのデータバックアップや増設用、TV録画用(日本)として今後も高い成長が続く見込みである。特に、家庭内ネットワークやパーソナルクラウド用としての出荷増が期待される。
11年のノートPC市場は北米、欧州の景気低迷によるコンシューマ製品の販売低迷、中国市場の成長率鈍化、タイ洪水によるHDD不足などの影響で前年比0.4%増と微増に留まった。以後15年には11年比13.8%増に拡大するが、その先は縮小に向かうと予測する。
ストレージタイプとしてはタブレットPCに対抗して市場が立ち上がったウルトラブックPCで低価格化を実現するためにHDDとSSDのデュアルドライブ仕様が今後徐々に増加すると予測する。SSD単体タイプはハイエンドモバイルPCでの採用が中心であるが、SSDの低価格化に伴い将来的にはビジネス用ノートPCにも採用が拡大すると予測する。
内容の詳細につきましては『2012 ストレージ関連市場総調査』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)