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『データセンタビジネス市場調査総覧 2012年版(上巻・下巻)』まとまる(2012/4/3発表 第12033号)
データセンタビジネスの調査を実施
- ■2016年予測
- ■データセンタサービス国内市場:1兆5,769億円(11年比25.1%増)
- ■注目:
- ■震災を契機としたサービス需要拡大規模:425億円(11年比4.6倍)
- →2011〜12年に顧客が増加し、13年以降その顧客の利用拡大を見込む
- ■クラウド型ホスティングサービス:605億円(11年比6.7倍)
- →サービス価格の安さと従量課金の料金体系でユーザー獲得進む
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供するデータセンタビジネスについて2011年11月から2012年2月にかけて調査した。その結果を報告書「データセンタビジネス市場調査総覧 2012年版(上巻・下巻)」にまとめた。
この報告書では、上巻でデータセンタサービスや関連機器の市場動向に加え、東日本大震災が与えた影響、データセンタの老朽化問題、海外のデータセンタ市場などを調査・分析し、下巻で主要事業者の取組み状況と、エンドユーザーのデータセンタ利用動向をまとめている。
- ■調査結果の概要
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1. データセンタの動向
TCO※削減、クラウドコンピューティングビジネスの拡大などから大企業を中心に需要拡大が続いているが、東日本大震災以降、企業における事業継続計画(以降:BCP)やディザスタリカバリー(以降:DR)対策として、データセンタに対する需要が更に高まっている。国内の主要企業が関東圏に集中していることから、データセンタも関東圏に集中しているが、BCPやDR対策の一環で新たなバックアップサイトとして関西など異なる電力管区のデータセンタの需要も高まり、データセンタ事業者も、建設の早期化や建設地を首都圏から関西など他の地域へと見直す動きが見られている。
関東圏では、2012年4月からの電気料金値上げによって、サービス価格の値上げも想定されるが、データセンタの老朽化、新築データセンタの高密度化による高集積サーバへの対応、首都圏におけるデータセンタ新設数の急増によるデータセンタの供給過多などにより価格競争の激化が懸念されている。
※コンピュータシステム導入・維持・管理にかかる総費用 -
2. データセンタサービス市場
2011年 2016年予測 2011年比 1兆2,609億円 1兆5,769億円 125.1%
2011年は、社内サーバをデータセンタに移設する案件が多く、ハウジングサービスを中心に拡大した。中長期的には、運用負荷の軽減などを目的にユーザー側でIT機器を保有しないホスティングサービスが拡大すると見られ、特にクラウド型のホスティングサービスの拡大が予測される。 -
■注目市場:クラウド型ホスティングサービス
2011年 2016年予測 2011年比 90億円 605億円 672.2% -
3. 東日本大震災におけるデータセンタビジネスへの影響
■震災を契機としたデータセンタサービスの需要拡大規模
2011年 構成比 2016年予測 構成比 92億円 0.7% 425億円 2.8%
震災を契機に需要が増加したデータセンタサービスとして、サーバのデータセンタへの移設と、ホスティングを活用したバックアップサービスの利用が挙げられる。震災直後に計画停電が実施されたことから、特に中小企業を中心に社内サーバを非常用電源が整備されたデータセンタへ移設する案件が増加した。単価が安価な案件が多く、金額ベースでの市場への寄与は大きくないものの、従来データセンタを利用していなかったユーザーを取り込めたという点では、顧客層の拡大という大きな成果があったといえる。
2012年は震災以降BCPやDR対策を検討してきた中〜大規模企業の本格的な移設による市場拡大が見込まれる。2013年以降は、2011〜12年に獲得したユーザーの利用サービス拡大などにより、継続的に市場は拡大すると予測される。 -
■データセンタ利用動向の変化
データセンタに関するWebアンケートを927社に対して行った結果、606社がデータセンタ利用済み及び使用予定があると回答した。その606社に対して、震災がデータセンタの利用状況にどの様な影響を与えたかを質問した結果、「利用拡大を検討後、実施もしくは実施予定」と回答した企業が全体の35%、「利用拡大を検討後、実施見送り」が11%、「利用拡大等の検討を行っていない」が52%であった。
地域別には震災や計画停電を経験した東京、その他関東は「利用拡大を検討後、実施もしくは実施予定」の割合が高く、大阪、その他関西、その他地域は「利用拡大等の検討を行っていない」の割合が高いという結果になった。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(上巻、下巻)をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)