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『2012 ブロードバンドビジネス市場調査総覧』まとまる(2012/4/17発表 第12037号)

SNS、共同購入型クーポン、モバイル広告などブロードバンドビジネス国内市場を調査

2012年度見込
SNS登録数(年度末時点):1億2,750万件 日本の総人口に匹敵する規模
共同購入型クーポン:119億円(前年度比13%増) SNS拡大も追い風
モバイル広告:“スマートフォン向け”が“フィーチャーフォン向け”を逆転

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、スマートフォン・タブレット端末の普及やソーシャルメディアの浸透などで市場環境が急速に変化している国内のブロードバンドビジネス市場を調査した。
 その結果を報告書「2012 ブロードバンドビジネス市場調査総覧」にまとめた。

 この調査では、コンシューマ向けブロードバンドサービスとして、映像/音楽配信や電子書籍など「コンテンツサービス」5品目、ショッピングやオークションなど「EC(電子商取引)」3品目、ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など「ソーシャルメディア」4品目など計16品目を対象とした。
 また、関連プラットフォームサービスとして、インターネット広告など「広告」2品目、Webインテグレーションなど「Webサイト・ソーシャルメディア関連サービス」2品目、ネット決済サービスなど「決済関連サービス」2品目など計9品目も対象として、ブロードバンドビジネスを総合的に捉えた。

注目市場
1. SNS【コンシューマ向けサービス:ソーシャルメディア】
摘要2011年度2012年度見込2016年度予測16/11年度
登録数(各年度末時点)1億720万件1億2,750万件1億6,000万件149.3%
課金・広告売上額2,950億円3,760億円4,925億円166.9%
 SNSは、ユーザーが主体となり情報を発信しコンテンツを形成する“ソーシャルメディア”の代表的なサービスである。外部サイトと“シェアボタン”による連携も進んでいる。「mixi」(ミクシィ)、「Facebook」(米フェイスブック)、「Google+」(米グーグル)などコミュニケーション主体のサービス、「Mobage」(ディー・エヌ・エー)、「GREE」(グリー)などソーシャルゲーム主体のサービスに二極化している。
 2011年度末時点の登録数は、1億件を突破した。国内3大サービスである「mixi」、「Mobage」、「GREE」がいずれも登録数を伸ばしていることに加え、「Facebook」、「Google+」といったグローバル展開サービスも国内の登録数が増加している。2012年度末時点の登録数は、日本の総人口(2010年国勢調査:1億2,805万人)に匹敵する規模の1億2,750万件が見込まれる。登録数の伸びは徐々に鈍化していく見通しであるが、2016年度末時点には1億6,000万件が予測される。
 課金・広告売上額は、2011年度に前年度比75.1%増の2,950億円となった。このうち、90%近くを課金売上額が占めており、「Mobage」、「GREE」などで提供されるソーシャルゲームの売上の急増が拡大を牽引している。広告売上額の規模は課金に比べて小さく伸び率も低いが、登録数増加やソーシャルメディアへの注目の高まりから、堅調に拡大している。
 2016年度の課金・広告売上額は、2011年比66.9%増の4,925億円が予測される。国内のSNSユーザーはモバイル機器からの利用が多いため、各サービス事業者とも急速に普及するスマートフォンへの対応やインターフェースの改善を進めている。
2. フラッシュマーケティング(共同購入型クーポン)【コンシューマ向けサービス:EC】
摘要2011年度2012年度見込2016年度予測16/11年度
運営サービス売上額105億円119億円170億円161.9%
 フラッシュマーケティングは、割引価格や特典などが付いたクーポンを期間限定で販売する広告・宣伝手法である。「GROUPON」(グルーポン・ジャパン)や「ポンパレ」(リクルート)など、一定時間内に購入者が一定数揃えば割引率の高いクーポンが取得できる“共同購入型クーポン”事業者の運営サービス売上額を対象とした。
 フラッシュマーケティング市場は2010年の立ち上がりと共に注目を集め、参入事業者の増加やサービス認知度の向上と共に広告主、ユーザー共に増加し、拡大してきた。2011年度は前年度比3.5倍の105億円となった。一方、事業者の運用ノウハウや広告主への審査体制が確立していなかったことによるトラブルも見受けられ、サービスへの信頼性低下などを招いた。このため、広告主への運用支援体制や審査体制を強化するなどといった取り組みがなされている。
 通常のインターネット広告では訴求が難しいエリアを絞ったプロモーションや、プッシュ型のプロモーションが行えることが広告主に支持されている。また、事業者の積極的な展開でユーザーも増加している。さらに、ユーザーが時間制限内の共同購入を呼びかけるなど口コミツールとしてSNSが活用されており、SNSの拡大も追い風となっている。
 今後、スマートフォンの位置情報機能を活用したサービスや、イベント・キャンペーンなどプロモーション目的での利用など用途拡大が考えられ、店舗への集客目的以外にも更なる需要の取り込みが見込まれる。2016年度のフラッシュマーケティング市場は、2011年比61.9%増の170億円が予測される。
3. モバイル広告【関連プラットフォームサービス:インターネット広告】
摘要2011年度2012年度見込2016年度予測16/11年度
スマートフォン向け掲載料360億円650億円2,010億円558.3%
フィーチャーフォン向け掲載料810億円620億円190億円23.5%
合計1,170億円1,270億円2,200億円188.0%
 モバイル広告は、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)向けとスマートフォン向けそれぞれのウェブ広告(バナー、行動ターゲティング、アフィリエイトなど)と検索連動型広告の媒体への掲載料金を対象とした。
 2011年度のモバイル広告市場は、スマートフォンの普及が急速に進むという市場環境の急変を受けて、成長が一時的に減少した。しかし2012年度にはスマートフォン向け掲載料が前年度比1.8倍と拡大することで、モバイル広告市場は復調が見込まれる。また、スマートフォン向け掲載料の市場規模がフィーチャーフォン向け掲載料を上回る見通しである。2016年度には、スマートフォン向け掲載料が2011年度比5.6倍の2,010億円となる一方、フィーチャーフォン向け掲載料は大幅に縮小して200億円を下回ると予測される。
 フィーチャーフォン向けにおいて主な広告主であるモバイルコンテンツプロバイダは、コンテンツサービスのスマートフォン対応を進めている途上にあり、広告による集客を行う段階に至っていないケースが多い。このため、現状ではスマートフォン向けの広告が少ない状態となっているが、今後、スマートフォン対応の進行と連動して拡大する見通しである。また、スマートフォンでは検索サービスの利用機会が大幅に増加するとみられることから、検索連動型広告が好調に推移すると見込まれる。
内容の詳細につきましては『2012 ブロードバンドビジネス市場調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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