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『デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2012年版)』まとまる(2012/6/5発表 第12052号)

デジタルAV機器の世界市場を調査

2016年予測
有機ELテレビ:世界1,800万台/日本230万台 低価格化と共に市場拡大 3D対応も進む
ヘッドマウントディスプレイ:世界42.8万台/日本7.8万台 11年日系メーカー参入し活性化

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、コンシューマ向けデジタルAV(音響・映像)機器及び情報通信機器の世界市場(一部は日本国内市場のみ)を調査した。
 その結果を報告書「デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2012年版)」にまとめた。

 この調査では、テレビ/ディスプレイ、レコーダー/プレーヤー、ポータブル機器、カメラ/表示機器、オーディオ、エンターテインメント/情報機器、車載機器といったデジタルAV機器及び情報通信機器(計40品目)について、現状を分析し今後を予測した。
 中でも、需要先として注目される中国、ブラジル、インド、ロシアといった新興国市場の動向、デジタルAV機器・情報通信機器を取り巻く環境(自然災害の影響、デジタル放送化の進展、次世代テレビやスマートデバイスの動向)の分析、注目機能・デバイスの搭載状況、省エネの対応状況、デジタルコンバージェンス※1化の進展、ネットワークサービスの利用動向などを詳述した。
 また、デジタルAV機器・情報通信機器に関連する主要デバイス(計10品目)についても調査・分析を行った。
※1 デジタル化による従来の製品カテゴリーを超えた機能融合/集約

注目市場
1. 有機ELテレビ
 2012年見込※22016年予測16/12年
世界10万台1,800万台180倍
 日本1万台230万台230倍
※2 2011年は世界:僅少、日本:実績なし
 有機ELテレビは、Samsung ElectronicsとLG Electronicsが2012年中の発売を予定している。市場が本格的に立ち上がる同年は、世界で10万台、日本で1万台が見込まれる。液晶テレビよりも高価であることや参入企業が限られることから、当面は先進国の一部ユーザーの需要に限定されると考えられる。
 参入企業の増加や量産技術の確立によって低価格化が進み、既存の液晶テレビやPDPテレビの置き換えとして市場が拡大していく見通しである。2016年は世界市場で12年比180倍の1,800万台、日本市場で同230倍の230万台が予測される。高画質など機能面へのニーズがまだ低い新興国市場は、先進国で一定の市場が確立し低価格化が進んだ後に立ち上がるとみられる。応答速度の速さが特徴であるため3D(立体視)にも適しており、3D対応が標準化していくと考えられる。2016年には世界市場で83%が3D対応と予測される。
2. ヘッドマウントディスプレイ
 2011年2016年予測16/11年
世界7.7万台42.8万台555.8%
 日本1.1万台7.8万台709.1%
 ヘッドマウントディスプレイは、映像や音楽の視聴を目的として、頭部に装着するディスプレイである。市場規模は小さいものの、3Dコンテンツの普及や高解像度への対応などを背景として、先進国を中心に拡大している。
 2011年はソニーとセイコーエプソンが相次いで参入したことで、ヘッドマウントディスプレイの認知度が広がり市場が活性化している。同年の世界市場は前年比54.0%増の7.7万台、日本市場は同83.3%増の1.1万台となった。
 ソニーとセイコーエプソンはそれぞれ販売国・地域を拡大していることから、2012年の世界市場は前年比2.1倍の15.8万台、日本市場は同3倍の3.3万台が見込まれる。今後、更なる高解像度化が期待されるほか、映像コンテンツの多様化や視聴機会の増加も後押しして、2016年の世界市場は2011年比5.6倍の42.8万台、日本市場は同7.1倍の7.8万台が予測される。
3. インターネット対応テレビ
  2011年見込2016年予測16/11年
世界5,200万台1億5,360万台295.4%
 日本1,050万台760万台72.4%
 インターネット対応テレビは、ネットワーク接続に対応しており、各種映像配信コンテンツが視聴可能なデジタルテレビを対象としている。アプリケーションのダウンロード・インストールが可能なテレビも含んでいる。インターネット対応テレビの一部は、通称“スマートテレビ”と呼ばれている。
 インターネット対応テレビは、インターネットインフラの整備が進んでおり、また、デジタルテレビの需要が一巡した先進国を中心に普及している。2011年の世界市場は、前年比35.8%増の5,200万台であった。国・地域別の構成比は、欧州(35%)、日本(20%)、中国(19%)、北米(17%)の順となった。日本では、インターネット対応テレビが既にデジタルテレビ市場全体の過半数を占めているため、2010年はインターネット対応テレビ世界市場において最も高い構成比(39%)であった。しかし、2011年は“地デジ特需”の反動でデジタルテレビ市場全体が落ち込む中、インターネット対応テレビも前年比30.0%減の1,050万台となり、構成比を下げた。一方、欧州や北米は順調に増加したほか、中国は前年比2.5倍となり構成比を高めた。2014年、2016年にスポーツイベントを控えている南米においても、需要拡大と連動し市場が急速に立ち上がった。
 世界市場は、当面2桁成長が続く見通しである。2012年には前年比44.2%増の7,500万台が見込まれ、2016年には2011年比3倍の1億5,360万台が予測される。世界的にはデジタルテレビ市場全体におけるインターネット対応テレビの割合はまだ低いが、アプリケーションの増加や他機器との連携進展などが後押しして拡大が見込まれ、2016年には過半数に達すると予測される。一方、日本市場は2012年に前年比42.9%減の600万台となり、2年連続の大幅縮小が見込まれる。これを底に反転するものの、“地デジ特需”で既に需要の先食いをしているため大幅な増加は期待できず、2016年においても760万台に留まると予測される。
内容の詳細につきましては『デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2012年版)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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