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『ソフトウェアビジネス新市場 2012年版』まとまる(2012/6/29発表 第12061号)

企業向けソフトウェア63品目の市場を調査

16年度の国内市場は11年度比30%増の1兆6,240億円
アプライアンスやクラウドサービスの拡大が牽引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、企業の情報システムを構成する主要なソフトウェア、10カテゴリ63品目の国内市場を調査した。その結果を報告書「ソフトウェアビジネス新市場 2012年版」にまとめた。

 この調査では、バックオフィス系11品目、フロントオフィス系5品目、エンジニアリング系4品目、情報分析系4品目、コラボレーション系13品目、ミドルウェア7品目、データベース4品目、開発ツール3品目、運用・管理ツール8品目、基本ソフト系4品目の「パッケージ」製品市場に加え、「アプライアンス」や「クラウドサービス」といった流通形態別市場についても現状と今後の方向性を分析した。

調査結果の概要
企業向けソフトウェア63品目の国内市場予測
2011年度2016年度予測年平均成長
(11−16年度)
1兆2,496億円1兆6,240億円5.4%
 2011年度の市場は1兆2,496億円となった。市場構成比はコラボレーション系が25%、ミドルウェアが16%、バックオフィス系が14%、データベースと運用・管理ツールが各12%を占める。2012年度の市場は景気の回復により、先送りされていたシステムの更新需要が顕在化し1兆3,309億円が見込まれ、2016年度にはアプライアンスやクラウドサービスの拡大が牽引して1兆6,240億円が予測される。
 市場は2011年度から2016年度にかけて年平均5.4%成長するが、その成長率を上回るのが基本ソフト系、情報分析系、ミドルウェア、データベース、運用・管理ツールである。基本ソフト系は仮想化環境及びDaaS需要の高まりにより仮想化ソフトが拡大している。また、ミドルウェアはシステムの拡張性や柔軟性などからクラウドサービスであるIaaS/PaaSの拡大により、情報分析系やデータベースはビッグデータ活用ニーズの高まりにより伸長する。
 製品・流通形態別に見ると、パッケージ市場は、情報分析系、運用・管理ツールが拡大するが、伸び率は鈍化する。アプライアンス市場はミドルウェアやデータベースの稼働に最適化した高パフォーマンス製品の登場と、ビッグデータ活用、クラウド運用管理、高速トランザクション処理ニーズの拡大により、また、クラウドサービス市場は新規需要と既存パッケージからの移行により伸長する。2016年度には全体市場におけるクラウド比率が21.5%まで高まる。
注目市場
1. BIツール(情報分析系)
2011年度2016年度予測年平均成長
(11−16年度)
241億円356億円8.1%
 BIツールは基幹系システムと連携して利用されるケースが増えたことからERP(Enterprise Resource Planning)製品の市場動向などに影響を受ける市場となっている。2011年度はリーマンショクの影響によるIT投資の抑制から復調し、大企業においては連結経営を強化するためにグローバル規模でERPを統合する需要など、ERP製品導入案件が増加した。これに伴いBIツールの導入が増加した。また、ERPのみならずDWH(Data WareHouse)を含めた基盤システムの再構築に合わせて、既に導入済みであったBI基盤を再構築する案件もあった。業務アプリケーションの機能を補完するために、パッケージベンダへのOEMが増えていることも市場の拡大要因になっている。今後、 経営、財務、営業、企画など幅広いビジネスパーソンが活用する「情報統合基盤」として構築が進むと見られ、順調に市場拡大すると見られる。
 クラウドサービスついては、ERPやCRM(Customer Relationship Management)などの業務アプリケーションがクラウド上で運用されるようになり、それに付随したデータ分析ニーズが発生すると見られる。CRMのクラウドサービスの導入企業が増えていることから、当面はCRMで蓄積されたデータの分析に用いられ、その後、ERPなどのクラウドサービスの普及に伴って、広範囲なデータ分析ニーズが発生すると見られる。
2. マイニングツール(情報分析系)
 2011年度2016年度予測年平均成長
(11−16年度)
データマイニング86億円128億円8.3%
テキストマイニング68億円116億円11.3%
 マイニングとは、DWHなどに蓄積された膨大な情報を解析して、隠れた関係性や仮説を導き出す手法を言い、数値データを対象とするデータマイニングと文字情報を対象とするテキストマイニングがある。
 データマイニングは、2011年度はアンケート分析での導入が堅調であり、一般企業の他に、自治体や病院などでの需要が拡大した。また、金融業でのリスク分析、流通業やEコマース事業者などにおいてのマーケティングキャンペーンの効果分析、販売予測分析などの需要も拡大した。2012年度以降は、金融業の契約のリスク分析、医療・バイオ産業における薬の改善効果の分析など特定業務に特化した分析などの需要も堅調であると見られる。ストレージシステムの低価格や大容量化、大量データの高速処理が可能になったことで、特に大量データを抱える分野での導入が進むと見られる。
 テキストマイニングは、2011年度はコンタクトセンター向けが堅調で、また「Twitter」などのソーシャルメディア分析のための導入が急増した。テキストマイニングのクラウドサービスでは、アンケートの分析、コールセンターのログ分析、ECサイトやSNSの口コミ・評価分析など様々な分野での導入が拡大した。特に、ECサイトやSNSの口コミ・評価分析目的の導入が増えた。2012年度年度以降はソーシャルメディアの分析ニーズの拡大が市場成長を支えると見られる。また、コンタクトセンター、ソーシャルメディアを統合的に分析するニーズが拡大すると見られる。更に、音声認識技術の発達により、蓄積された音声データを精度よくテキストマイニングすることが可能になると見られる。オペレータのテキスト化スキルに依存せずにコンタクトセンターに集まる顧客の声をテキスト化できるため正確な分析ができる点や、オペレータの入力作業の効率化などから導入が増えると見られる。
内容の詳細につきましては『ソフトウェアビジネス新市場 2012年版』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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