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『2012 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 Vol. 1、2』まとまる(2012/9/27発表 第12089号)
世界のディスプレイデバイス、関連部材の市場を調査
- ■2017年市場予測
- ■有機ELディスプレイの世界市場は11年比6.6倍の2兆186億円
…スマホ向けに加えテレビ向けが立ち上がり、パネル需要の増加と大型化が期待
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、年間10兆円の規模をもつディスプレイデバイス市場と、関連部材やアプリケーション市場、そのトピックスを網羅する調査を実施した。その結果を報告書「2012 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 Vol. 1、2」にまとめた。
この報告書のVol. 1ではディスプレイデバイスとそのアプリケーションの市場、パネルメーカーの事業戦略を分析した。また、Vol. 2ではLCD関連部材、PDP関連部材、有機EL関連部材、共通/その他ディスプレイ関連部材、次世代デバイス関連部材の市場を分析した。
- ■調査結果の概要
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1. ディスプレイデバイスの世界市場
2011年 前年比 2017年予測 2011年比 LCD 8兆2,574億円 90.6% 10兆5,611億円 127.9% PDP 3,395億円 78.4% 768億円 22.6% 有機EL 3,049億円 218.9% 2兆186億円 662.1% 電子ペーパー 1,184億円 133.9% 1,876億円 158.4% その他 1,343億円 61.4% 614億円 45.7% 合計 9兆1,545億円 91.6% 12兆9,055億円 141.0% ※その他はVFD(蛍光表示管)、Near Eye用マイクロディスプレイ(LCOS、HTPS)、ブラウン管(CRT)の合計。※数字は四捨五入して億円単位にしているため必ずしも合計とは一致しない。 -
■LCD
2011年の市場は前年比9.4%減の8兆2,574億円となった。数量では横ばいであったが、単価の高かったTFTの単価下落と為替の影響により縮小した。
テレビ、携帯電話(スマートフォンを含む)といった主力アプリケーションは、何れも台数的に成熟市場である。また、アプリケーションそのものの伸び悩みと、スマートフォンにおける有機ELの採用増により、今後数量では微増推移になると予想される。一方、市場(金額)もスマートフォン向けLCDのサイズ拡大と高解像度化による単価上昇が下支えし、微増推移が考えられる。2017年には数量で約40億枚、10兆規模に回復すると予測した。 -
■PDP
2011年の市場は前年比21.6%減の3,395億円となった。主力アプリケーションのPDPテレビは2010年まで好調だったが、40インチクラスのLCDテレビの低価格化により値頃感が薄れ、2011年を境に需要が減少に転じている。パブリック用モニタ(公共表示/デジタルサイネージ)もテレビ用途同様に2011年から需要が減少している。
40インチクラスのテレビやパブリック用モニタでの価格優位性が薄れており、今後は50インチクラス以上でもセット機器価格がLCDと大差がなくなっていく。また、薄型化や消費電力面でもLCDと比較して不利である為、今後も市場はマイナス成長が続くと予測した。自発光ならではの見た目の綺麗さがある為、一定の需要は残ると見られる。 -
■有機EL(Organic light-Emitting Diode:OLED)
主用途であった携帯電話サブディスプレイの需要減によってPM(passive matrix)OLEDが大幅に縮小したものの、Samsung Displayの生産能力増強とスマートフォン需要の増加でAM(active matrix)OLEDが急速に拡大し、2011年の市場は前年比2.2倍の3,049億円となった。
AMOLEDは、今後もスマートフォン需要に依存するが、新規アプリケーションとして2012年中にテレビ向け大型パネルの生産開始が予定されており需要増が期待される。一方、PMOLEDは、携帯電話サブディスプレイ用途やPMP(Portable Media Player)用途の需要が減少するものの、産業用途・汎用向けとして多様なアプリケーションでの採用が期待される。 -
■電子ペーパー
2011年の市場は前年比33.9%増の1,184億円となった。電子ブックリーダー向けの拡大が高成長の要因となった。コンテンツ販売による費用回収を前提としたハード値下げや広告付きモデルの低価格化戦略により100USドルを切る価格設定が需要を急速に拡大させた。電子棚札やPOP、USBメモリなどでも採用拡大が進んだ。
2010年以降急速に拡大してきた電子ブックリーダー向けはタブレットとの競合により今後成長が鈍化すると見られる。一方で、電子ペーパーの低消費電力、屋外での視認性、フレキシブル性(割れにくい)、環境に良いという点を活かせる分野での採用が徐々に拡大していき、2017年に市場は2011年比58.4%増の1,876億円になると予測した。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(Vol. 1、Vol. 2)をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)