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『2013 M2Mソリューション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2013/8/29発表 第13066号)
クラウド、ビッグデータで進展するM2Mソリューションの国内市場を調査
- ■2017年度予測(2012年度比)
- ■M2Mソリューション国内市場は2,762億円(2.3倍)
- M2Mアプリケーションの需要増に伴い、全体市場も拡大
- ■M2Mプラットフォームサービス市場は100億円(100.0倍)
- 初期導入の簡便さにより新規分野・ユーザーの取り込みに期待
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年4月から6月にかけて、通信モジュールを機器や自動車などに搭載して自動的にデータを収集するシステムである、M2M(Machine to Machine)ソリューションの国内市場を調査した。その結果を報告書「2013 M2Mソリューション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。
この報告書では、アプリケーション(7品目)、インフラ(5品目)、ハードウェア(4品目)の国内市場について、現状を分析し今後を予測した。加えて、主要アプリケーションのM2M活用事例についても取り上げた。
M2Mソリューションは、通信モジュール価格や通信料の低下、通信高速化を背景として適用領域の拡大が期待されている。通信キャリアやSIer(システムインテグレーター)、メーカーなどが新規領域の拡大を目指して積極的に取り組んでおり、M2Mプラットフォームを構築し、クラウドサービスとして提供することで、ユーザーの裾野拡大を狙っている。
従来からM2Mソリューションは、オーダーメイド型であり、開発には多大なコストと時間がかかるため、大手企業の利用が中心である。これに対して、SIerやメーカーから提供され始めている、データ収集、分析機能を備えるM2Mプラットフォームでは、M2Mに必要な機能を共通化して提供するため、ユーザーはシステムを一から開発する必要なく、コストの抑制とサービス開始までの時間短縮などの利点が受けられる。それに伴い、今後さまざまなデータがクラウド上に集約され、「ビッグデータ×M2Mビジネス」が本格展開すると考えられる。
また、M2Mアプリケーションとして、自動販売機管理、自動検針、車載、リモート監視、コンシューマー機器などさまざまな用途で利用されている。業務効率化や、法制度・自然災害・事故などの外部要因への対応、グローバル化への対応からもM2Mの需要は拡大しており、今後も用途開拓が進んでいくとみられる。また、M2Mビジネスに新規参入する事業者も増加しており、農業や医療、ヘルスケアといったまだ比較的開拓が進んでいない分野において、ビジネスモデルの開発が目指されている。
- ■M2Mソリューション国内市場
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2012年度 2013年度見込 2017年度予測 2012年度比 1,203億円 1,611億円 2,762億円 2.3倍
今後は、M2Mプラットフォームサービスの活用により、開発コスト削減が可能となりユーザーの裾野が拡大、またグローバル対応M2Mプラットフォームサービスの利用が進み、さまざまなデータがクラウド上に集約、「ビッグデータ×M2Mビジネス」が本格展開すると予想され、2017年度は2012年度比2.3倍の2,762億円が予測される。
特にアプリケーション市場が全体市場をけん引すると予想される。オンプレミス(自社運用)型とASP/クラウド型に分かれ、2012年度時点ではオンプレミス型が450億円、ASP/クラウド型が160億円となっている。今後もオンプレミス型の割合が高い傾向ではあるが、イニシャルコストが抑えられる利点からASP/クラウド型も拡大が予測される。
中でも、電気自動検針は各電力会社がスマートメーターの導入に併せてシステム構築に着手するため、2013年度も大幅に市場が拡大する見通しである。以降も当面は需要が継続すると考えられ、安定的な市場推移が期待される。また、車両運行管理は、M2Mソリューションとして、通信モジュール搭載/クラウドサービス対応のタコグラフの市場投入が進められており、タコグラフで取得したデータを、通信を用いてリアルタイムに管理/分析ができることを利点に導入が拡大している。農業生産管理は、システム導入のイニシャルコストが低く、システム管理負担が少ないクラウドサービスの提供が活発化しており、2010年頃から農業向けソリューションの参入が増加している。今後、先進的ユーザーにおける導入効果が明確になっていくことで、導入を検討するユーザーも増加すると期待される。現時点では、導入費用をネックとするユーザーが多いため、低価格化を進めることでの需要喚起が必要とみられる。
通信サービスは、携帯電話サービスが高い構成比を占め、今後も利用が拡大する。PHSサービスもエレベーター遠隔監視、ノートPCの紛失・盗難対策ソリューションなどで実績が高く、今後の活用も進むと期待される。
移動体通信モジュールは、通信サービスとの連動により堅調に市場が推移すると予測される。ただし、リプレース間隔が長くなっているため、新規分野の開拓が必要であり、通信モジュールメーカーによる積極的な市場開拓も進められている。
通信機器は通信ボックスを対象としている。通信ボックスとは、移動体通信モジュールを搭載、または外付けでデータ通信端末に対応したM2M用途に適したルーター、アダプターである。さまざまなインターフェースに対応しており、データ収集も容易であるため、SIerの取扱いが増加し、市場拡大の要因となっている。また、通信ボックスの管理ソリューションも提供されてきており、さらなる採用拡大が期待できる。
内容の詳細につきましては『2013 M2Mソリューション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
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