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『ソフトウェアビジネス新市場 2013年版』まとまる(2013/9/3発表 第13067号)

クラウドサービスは5年後2倍の市場に…企業向けソフトウェアの国内市場を調査

2017年度予測と12年度比
コラボレーション系:2,642億円 59.9%増 メールサーバーとグループウェアのクラウド需要が拡大
基本ソフト系:756億円 53.7%増 サーバー仮想化拡大やデスクトップ仮想化環境が進展
情報分析系:591億円 41.4%増 ビッグデータの活用、意思決定の高度化などの需要増

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年4月から7月にかけて、企業の戦略的IT投資が活発化しその役割がますます重要となっている企業向けソフトウェアの国内市場を調査した。
 その結果を報告書「ソフトウェアビジネス新市場 2013年版」にまとめた。
 この調査では、企業向け情報システム提案で用いられるソフトウェアの主要製品について市場を調査し、「パッケージ」に加え、「クラウド」「アプライアンス」の提供形態別や、カテゴリー別に分析し、今後の市場動向、市場に影響を与えるポイント、また、主要ベンダーの動向などを把握した。従来の販売金額および販売数量をベースとした市場動向の把握に加えて、スクラッチ(個別設計)からパッケージ(汎用製品)、パッケージからクラウドサービスへの移行、利用率の変化なども明確にした。

調査のまとめ
企業向けソフトウェアの提供形態別市場(13年度は見込、17年度は予測)
  2012年度 2013年度 前年度比 2017年度 12年度比 年平均成長率
全体市場 8,989億円 9,653億円 107.4% 1兆2,001億円 133.5% 6.0%
  パッケージ 7,373億円 7,705億円 104.5% 8,773億円 119.0% 3.5%
  クラウドサービス 1,302億円 1,566億円 120.3% 2,640億円 2.0倍 15.2%
  アプライアンス(連携製品) 314億円 383億円 122.0% 587億円 186.9% 13.3%
四捨五入して億円単位にしているため必ずしも合計と一致しない。
 17年度のソフトウェア市場は、12年度の8,989億円から、年平均6.0%で拡大して、1.2兆円になると予測される。特にクラウドサービスが伸び、12年度の2倍の市場になる。
 企業がIT戦略の転換により、より柔軟性・拡張性のあるコンピューターシステム基盤の構築、ビッグデータへの対応や活用、グローバル化にともなう基幹系業務の見直し、スマートデバイスの普及で変化するワークスタイルへの対応などを積極的に進めると予想されるためである。こうした中、企業のITシステム構築に当って導入するソフトウェアの役割が一層重要となっている。
 またクラウドを活用した提供サービスが大手企業や中堅企業のシステム更新と追加導入需要、中小企業の新規導入需要を喚起し、全体市場の成長をけん引すると予測される。
 バックオフィス系分野では、従来は競争優位性を高めるため自社独自の業務別システム(スクラッチ)が開発されていたが、海外拠点を含めた全世界最適化の実現や経営状況のリアルタイム把握のために、各業務モジュールが有機的に連動するERP(企業資源計画、Enterprise Resource Planning)パッケージをベースとしたシステム開発が主体となっている。プラットフォームレイヤーも、業務別サーバーシステムの構築からサーバー仮想化技術や各種ミドルウェアを組み合わせて俊敏なビジネス活動に耐えられる統合型システム基盤の構築に発展する動きが広まっている。
 また基幹系業務、コラボレーション領域へのクラウドサービスの導入によってサーバーシステムの維持や管理から開放される一方、低価格かつ利便性の高いサービスも登場して中堅・中小企業へのクラウドサービスの新規開拓が進んでいる。大手企業でも、スマートデバイスの普及により従業員のワークスタイルが変化するのに対応して、クラウドサービスとスマートデバイスを組み合わせた先進的なコラボレーションシステムの構築が始まっている。
 こうした各業務システム間の連動やサーバーシステムの統合、クラウド化が進展する中で、ソフトウェアベンダーはもはや特定分野のソフトウェア提供のみでは、多様化するユーザーニーズに対応していくことは難しくなっている。
 大手ベンダーは自社製品をコアに、企業買収などで得た技術や製品を統合し総合的なソリューションを提供して優位性を高めている。
 例えば、SAP(独)はERPなどの業務アプリケーション提供から、データベースなどプラットフォームレイヤーの製品提供も開始している。Oracle(米)はデータベースから業務アプリケーション、ミドルウェア、さらにサーバー製品の提供も行う総合的なITベンダーに変身を遂げている。また、中小ソフトウェアベンダーも他社と積極的に連携を行い、他社製品と組み合わせてユーザーの課題を解決するソリューション提案を強化している。
企業向けソフトウェアのカテゴリー別市場(13年度は見込、17年度は予測)
 2012年度2013年度前年度比2017年度12年度比年平均成長率
全体市場8,989億円9,653億円107.4%1兆2,001億円133.5%6.0%
  バックオフィス系1,826億円1,935億円106.0%2,203億円120.6%3.8%
  フロントオフィス系532億円569億円107.0%654億円122.9%4.2%
  情報分析系418億円449億円107.4%591億円141.4%7.2%
  コラボレーション系1,652億円1,840億円111.4%2,642億円159.9%9.8%
  ミドルウェア1,381億円1,480億円107.2%1,855億円134.3%6.1%
  データベース1,568億円1,684億円107.4%1,975億円126.0%4.7%
  運用・管理ツール1,119億円1,159億円103.6%1,326億円118.5%3.5%
  基本ソフト系492億円538億円109.3%756億円153.7%9.0%
四捨五入して億円単位にしているため必ずしも合計と一致しない。
内容の詳細につきましては『ソフトウェアビジネス新市場 2013年版』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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