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『2013 次世代携帯電話とキーデバイス市場の将来展望』まとまる(2013/9/11発表 第13068号)

ウェアラブル端末との連携、タブレットとの競合
スマートフォンほか携帯端末と主要デバイスの世界市場を調査

スマートフォン世界市場:2013年にフィーチャーフォンとの比率逆転か
2012年7億4,100万台/2017年予測15億500万台(2012年比2倍)
携帯電話向け指紋認証センサー:2013年に72億円(見込)
2012年2億円/2017年予測270億円(2012年比135倍)

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、成長著しいスマートフォンとそれに競合・連携するタブレット、電子書籍端末及びウェアラブル端末とそれらを構成する主要デバイスの世界市場を調査した。
 その結果を報告書「2013 次世代携帯電話とキーデバイス市場の将来展望」にまとめた。

アプリケーション
携帯電話世界市場
 2012年2017年予測12年比
スマートフォン7億4,100万台15億500万台2.0倍
フィーチャーフォン8億4,600万台4億6,500万台55.0%
合計15億8,700万台19億7,000万台124.1%
  内、山寨機1億5,700万台1億7,000万台108.3%
 2012年の携帯電話の世界市場は、前年に引き続きスマートフォン市場が拡大し、前年比7.4%増となった。エントリークラスの端末ラインアップ拡充により、中国やインドなどを中心に低価格スマートフォンが急速に普及しており、2013年のスマートフォン市場は携帯電話全体の6割を超えると見込まれる。
 現在のスマートフォンの需要はローエンド端末が半数近くを占めている。上位機種への乗換えで買換えサイクルが短くなり需要喚起が想定されることや、新興国を中心にまだ携帯電話の新規需要が期待できることから、成長率は鈍化するものの今後も市場は堅調に推移し、2017年には2012年比24.1%増の19億7,000万台が予測される。
 フィーチャーフォンは、スマートフォンの普及により最大の需要地であった中国で縮小しており、2012年に続き、2013年も前年比20%程度の減少が見込まれる。2014年以降も縮小は続くものの新興国向けや通話専用端末として一定の需要が残り、毎年10%程度の減少に留まると予測される。
 山寨機は、これまでフィーチャーフォンが中心であった。しかし中国では千元スマホと呼ばれる低価格スマートフォンが正規品として展開され、さらには千元を下回る価格のスマートフォンも登場してきていることから、山寨フィーチャーフォンが大きく縮小している。山寨スマートフォンは徐々に増加すると見られるが、2017年でもスマートフォン市場の1割にも満たないと予測される。
スマートフォンとの連携と競合〈ウェアラブル端末とタブレット・電子書籍端末〉
 スマートフォンのディスプレイサイズは当初4インチが一般的であったが、電池容量確保のための筐体の大型化や、アプリや動画などをストレスなく使用、視聴するためのディスプレイの大型化が進んでいる。2012年には5インチを超えるスマートフォンも登場し、徐々に片手で操作するには手に余るサイズとなり、携帯性や通話の面で不都合が生じつつある。また、画面の大型化は情報確認頻度の低下を引き起こすため、通話や携帯性を補助するためのウェアラブル端末の必要性が増すと考えられる。
 現状は音楽再生や音声通話を行うワイヤレスヘッドセットが中心となっているが、スマートフォンと連携させることで、通話やメールの確認など基本タスク面でのサポートや、カメラ、ネットワークサービスの利用が可能となるウェアラブル端末が登場している。スマートウォッチ、Googleグラスなど透過型ヘッドマウントディスプレイの投入などが期待されており、ウェアラブル端末は2012年の1,434万台から、2017年には3,780万台が予測される。
 これまでスマートフォンは、コンパクトデジタルスチルカメラ、ポータブルミュージックプレーヤーなど、さまざまな専用機器の機能を取り込んできた。ディスプレイの大型化によってスマートフォンはタブレットとの境界線があいまいになりつつあり、さらには同じスレート型の電子書籍端末とも競合している。タブレット・電子書籍端末の市場は、ノートPCの需要を取り込んでいるタブレットがけん引することで2012年の1億5,140万台から、2017年には2012年比2.5倍の3億7,840万台が予測されるが、今後スマートフォンがタブレットや電子書籍端末の市場を侵食していく可能性もある。
キーデバイス
携帯電話/タブレット向け主要デバイス世界市場
2012年2017年予測12年比
12兆7,309億円22兆3,237億円175.4%
 携帯電話/タブレット向けの主要デバイス8分野25品目の合計は2012年で12兆7,309億円となった。スマートフォン市場の拡大に支えられ、マイナスとなった分野は見られなかった。特に表示/出力系デバイスとセンサーの伸びが顕著で、表示/出力系デバイスは高精細ディスプレイ搭載モデルの急増が、センサーはジャイロセンサーを中心とした搭載率の上昇がそれぞれ背景にある。
携帯電話/タブレット向け注目デバイス市場
 2012年2017年予測12年比
ディスプレイ2兆6,126億円6兆1,152億円2.3倍
フレキシブルディスプレイ964億円
 2012年の携帯電話/タブレット向けディスプレイ市場は、前年比21.6%増となった。数量ベースでは同6.9%増の17.8億枚に留まったがスマートフォンのディスプレイの大型化と高精細化による単価上昇により市場は大きく伸びた。サイズ別ディスプレイ需要(数量ベース)は、携帯電話では2011年までの3インチ未満から、2012年には3インチ、2013年には4インチとボリュームゾーンが変わっている。スマートフォンは機能面での差別化が難しく、訴求しやすい手段として画面の大型化が進んでいる。今後も4インチがボリュームゾーンとなるが、市場をけん引していくのは5インチ、6インチであると見られる。タブレットでは2011年には9インチ以上の比率が高かったが、7インチクラスのローエンドタブレットが増加しており、2013年には9インチ未満がボリュームゾーンになると見込まれる。
 フレキシブルディスプレイは、2013年末にSamsung DisplayとLG Displayが製品化を計画しており、曲面形成によって意匠性を訴求するプレミアムモデルのスマートフォンで採用が見込まれる。アプリケーションの量産化は、まずはディスプレイサイズの小さいスマートウォッチ(当該市場対象外)での展開が想定されており、スマートフォン向けは2015年頃から徐々に展開が進むと予測される。曲がるだけでなく、折り曲げられるディスプレイの量産化は技術的に難しく、2020年以降になると予想される。
内容の詳細につきましては『2013 次世代携帯電話とキーデバイス市場の将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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