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『エデュケーションマーケット 2013』まとまる(2013/10/22発表 第13077号)

インフラからハード/ソフト、サービス/ソリューションまで国内教育機関向けICT市場を調査

2017年度予測(2012年度比)
タブレット:100億円(10.0倍) 2020年度までに一人一台配備
電子黒板:86億円( 2.0倍) タブレットの活用を見据えて導入進む

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年6月から8月にかけて、教育機関(小学校、中学校、高等学校、大学)における教育および学校業務全般のICT化のための、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、ソリューションの市場を調査した。その結果を報告書「エデュケーションマーケット 2013」にまとめた。
 この報告書では、ICT/ネットワーク7品目、校務/授業等支援システム7品目、教材/ソフト4品目、ハードウェア9品目、セキュリティ/防災/防犯11品目の計38品目の教育機関向け市場を調査とした。また、海外動向では20ヵ国のICT化の取り組みを整理し、違いや特徴を分析した。

調査結果の概要
教育機関向けICT市場
2012年度2017年度予測12年度比
1,109億円1,462億円131.8%
 2000年度以降、「e−Japan戦略」を皮切りに、総務省、文部科学省の主導の下、教育のICT化が進められてきた。2009年度の学習指導要領改訂により、情報教育や教科指導におけるICTの活用など教育の情報化の充実が図られ、具体的なICT環境の整備と共に、PC、書画カメラ、TV、電子黒板、学習用ソフトウェア、校務用ソフトウェアの普及が進んでいる。
 教育機関向けICT市場は、東日本大震災を契機に耐震やエコなどへの注力度が増し、一時的に低迷したが、徐々に需要が戻り導入が加速している。特に2014年度、2015年度は、OS移行に伴うPCのリプレース特需が市場をけん引すると予測される。
 ICT機器導入加速に伴い参入企業の増加や注力度の高まりがみられ、2016年度以降はPC特需の反動で全体は縮小するものの、PCを除けば拡大が続き、2017年度には2012年度比31.8%増の1,462億円が予測される。
ハードウェア
 構成比の高いPCがWindowsXPのサポート期間終了によるOSの移行と「スクールニューディール政策」で導入したPCのリプレース特需が2014年度、2015年度に集中し、市場拡大が予測される。タブレットは政府や教育委員会の主導で実証研究が進められているが、採用するOSや端末の規格、スペックの選定、無線LAN環境の整備なども必要となるため、普及は2015年度から2020年度にかけて徐々に進むとみられる。モニター/TV、プロジェクターはある程度普及が進んでおりリプレース需要が中心になるが、電子黒板とのセット導入もあり、新規需要も期待される。
 2012年度2017年度予測12年度比
タブレット10億円100億円10.0倍
 政府としては2020年度をめどに児童/生徒一人に一台の情報端末(タブレット)を配備する計画を打ち出している。一授業行う際の一人一台の配備か、全児童/生徒分の導入か捉え方は2通りあるが、2020年度を目安に最低でも一授業行う際に一人一台配備できる環境が整うとすれば、2017年度には100億円に達すると予測される。
 現状では個人での購入か学校からの貸与か、また、デジタル教科書などアプリケーションを利用するためのOSの選定、ストレージ容量やバッテリーなどの端末スペックとの折り合いも課題とされる。将来的には個人が一台保有することで、授業時間内だけでなく授業の復習、欠席時のフォローなど、利用シーンが大きく広がるとみられる。
 2012年度2017年度予測12年度比
電子黒板42億円86億円2.0倍
 映像や投影したコンテンツに書き込みが可能なインタラクティブ機能を搭載する電子黒板を対象とする。
 これまではディスプレイ型が主であったが、プロジェクター内蔵型で新製品投入が相次いでいる。モニターやプロジェクターのリプレースに伴う導入もみられ、プロジェクターでは教師の影が映りにくい短焦点タイプの需要が高まっている。現状では資料を投影するためのモニターとしての利用が中心であるが、タブレットと連携した授業も可能となるため、今後を見据えた導入も進みつつある。
セキュリティ/防災/防犯
 情報ネットワークセキュリティ対策として、教育上の観点からWebフィルタリングツールが小学校を中心に既に普及している。また、PCの基礎対策としてウイルス対策ツールも普及しており、今後のセキュリティ対策として情報漏えい対策ツールの導入が進みつつある。防犯や防災対策としては、入退出管理システムや登下校見守りサービス、安否確認サービスなどの児童/生徒の動線の把握や確認が可能なサービスが拡大すると予測される。
 2012年度2017年度予測12年度比
Webフィルタリングツール11億円23億円2.1倍
 Webフィルタリングツールは、Webの内容を判断し閲覧の許可あるいは禁止といった閲覧制限機能を有する。児童/生徒に対する教育的配慮のためのツールとして採用される。既に普及しているツールではあるが、学校所有の情報端末の増加により市場が拡大し、2017年度は23億円が予測される。
校務/授業等支援システム
 ネットワーク上で管理することで事務作業の効率化や教務などとの連携が期待される。小学校・中学校・高等学校向けの校務支援システムは、文部科学省により策定された「教育の情報化推進ロードマップ」で2020年度までにすべての学校に導入するという目標があり普及が進んでいる。教材作成/支援システムは、電子黒板など他のICT機器と合わせて導入が進められているが、現状では電子黒板の活用が限定的であるため、教職員のICTリテラシー向上によって徐々に普及が進むとみられる。
内容の詳細につきましては『エデュケーションマーケット 2013』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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