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『2013 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2013/10/23発表 第13078号)
世界の半導体実装関連市場 2013年調査結果
- ■プリント配線板の世界市場は2025年に6兆4,303億円(12年比47.4%増)
- デジタルAV機器や家電製品市場の成長で拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年5月から7月にかけ、半導体パッケージ用のプリント配線板やプリント配線板材料、実装装置など、半導体実装関連の世界市場を調査した。その結果を報告書「2013 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。
この報告書ではプリント配線板10品目、プリント配線板材料14品目、その他実装関連製品13品目、実装関連装置14品目の市場を徹底分析するとともに、半導体パッケージ関連製品の市場や参入メーカーの動向も網羅した。
- ■調査結果の概要
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1. 半導体実装関連の世界市場
2012年 2025年予測 12年比 プリント配線板 4兆3,633億円 6兆4,303億円 147.4% プリント配線板材料 1兆8,776億円 2兆6,288億円 140.0% その他実装関連製品 1兆571億円 1兆1,588億円 109.6% 実装関連装置 4,857億円 5,260億円 108.3%
2013年は各通貨に対して円安が進んでおり、市場(円ベース)はその他実装関連製品を除き、大きく伸びると見込まれる。また、地域別の動向をみると、Samsung El.のスマートフォンとタブレットが堅調であることから韓国向けの需要が旺盛となっている。日本メーカーの高いシェアは、台湾や韓国メーカーの台頭に伴い徐々に低下している。
市場の伸びは鈍化しているものの、依然としてデジタルAV機器や家電製品市場の成長が期待でき、今後は拡大が予想される。その中でIC周辺に使用されるその他実装関連製品は、各セット機器に搭載されるICの小型化により使用量が減少し横ばい、また、実装関連装置もほとんどが需要飽和の状態にあり、大幅な市場拡大を望むのは難しくなっている。 -
■ビルドアップ基板【メイン基板 Any Layerタイプ】(プリント配線板)
2012年 2025年予測 12年比 1,426億円 3,710億円 2.6倍
2013年はAppleに加えSamsung El.がGalaxy S4で採用し、需要は再び急激に増加している。また、ソニーやHuawei、Motorola、ブラックベリーのスマートフォンでもこの基板を採用していること、秋にSamsung El.が別の機種への採用を検討していることから、後半は一時的に供給が逼迫するとみられる。市場は前年比37.7%増の1,963億円が見込まれる。
アプリケーションはほとんどがスマートフォンであり、期待されていたタブレットは筐体サイズがスマートフォンよりも大きいことから高密度実装や配線の微細化が可能になるというメリットを有するAny Layerタイプのニーズは小さく、採用は進まないとみられる。一部デジタルカメラやUltrabook PCに採用されており、スマートフォン以外でも採用が期待できるものの、大きな需要規模にはならないとみられるため、今後もスマートフォン市場に連動して、市場拡大すると予想される。 -
■FC-CSP基板(プリント配線板)
2012年 2025年予測 12年比 1,358億円 2,465億円 181.5%
スマートフォンではほとんどの機種でベースバンドプロセッサーとアプリケーションプロセッサーに採用されているが、タブレットではベースバンドプロセッサーを搭載する端末が少なく、CPU(Central Processing Unit)のみの採用が多い。ポータブルゲーム機ではCPUとGPU(Graphics Processing Unit)に採用されるケースが多く、デジタルカメラではDSP(Digital Signal Processor)にFC(フリップチップ)ではない通常のCSP基板を採用するケースが多く、FC-CSP基板はハイエンド機種に限定されている。その他ではノートPCのインターフェース用コントローラICなどにも採用されているが、数量は少ない。
製造難度が高いことから単価の高い基板であり、アプリケーションも市場拡大が期待されるスマートフォンやタブレットであることから参入メーカーが年々増加しているが、一方ではコスト競争も厳しくなっている。今後市場は数量ベースでは長期的に拡大するが、金額ベースでは2016年以降低成長に転じると推測される。
内容の詳細につきましては『2013 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)