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『中国スマートフォンメーカーの最新動向調査(2014年)』まとまる(2014/3/31発表 第14023号)

中国スマートフォン市場と主要メーカーの最新動向を調査

2013年の中国国内のスマートフォン市場は4.5億台(前年比73.1%増)
中国メーカーが市場をけん引、特にXiaomiなど新興メーカーが躍進

 マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03-3664-5839)は、2013年11月から2014年1月にかけて、中国の現地法人である北京凱美莱信息咨詢有限公司と連携して、中国におけるスマートフォン市場と主要メーカーの動向を調査した。その結果を報告書「中国スマートフォンメーカーの最新動向調査(2014年)」にまとめた。

 この報告書では、急速な成長を遂げる中国の地場系スマートフォンメーカー15社、スマートフォンの設計を専業とする独立系デザインハウス(IDH)15社の企業戦略や製品展開を分析し、中国のスマートフォン産業の最新動向を解説した。

調査結果の概要
中国のスマートフォン市場
2012年2013年2014年見込
2億6,000万台4億5,000万台5億5,000万台
 中国のスマートフォン市場は、2012年に2.6億台と急速に拡大し、携帯電話におけるスマートフォンの比率も半数を超えた。2013年はフィーチャーフォンからの移行だけでなく、スマートフォンの高性能化が進んだことで2012年以前に購入したユーザーの買い替え需要が喚起され、前年比73.1%増の4.5億台となった。2014年は4Gの普及によって需要が続くと予想され、市場は5.5億台、携帯電話における比率も9割近くになると予測される。
 携帯電話の契約数ベースではいまだにGSMなどの2Gの通信方式が多く、今後は3G(WCDMA、EVDO、TD-SCDMA)や4G(TD-LTE、FDD-LTE)への移行に伴う、スマートフォンの大きな潜在需要がある。さらに、スマートフォン市場の拡大と共に端末の低価格化も急速に進んでおり、これまでスマートフォンを購入できなかった地方都市や農村などの低所得者層への普及も期待される。
Huaweiなど大手メーカーだけでない、中国メーカー全体としての拡大
 今や、中国スマートフォン市場の主役はAppleやSamsung El.などのグローバルメーカーではなく、中国のスマートフォンメーカーである。フィーチャーフォンの時代には、グローバルメーカーの後塵を拝する存在にとどまっていたが、Android OSの登場と3G化をきっかけに、スマートフォンへの移行を順調に進め、短期間で飛躍的な成長を遂げた。
 スマートフォン市場が立ち上がったばかりの2011年には、中国メーカーの中でもHuawei、ZTE、Lenovo、Coolpadといった大手メーカーが中心であったが、Xiaomi、Oppoなどの中堅メーカーもスマートフォンの展開を本格化させ、2012年、2013年と実績を大きく拡大させている。これらのメーカーは、かつてNokiaやMotorolaなどのグローバルメーカーが中国国内に構築してきた部品ベンダーのサプライチェーンやEMS拠点などを活用することで急速に発展している。また、参入するメーカーも非常に多く、混戦を繰り広げている。
中国のスマートフォンを支える日系メーカーの先端デバイスの存在
 スマートフォンのディスプレイとカメラのグレードは最終製品の価格やブランドイメージにも直結する。そのため中国メーカーは高性能の代名詞である日系メーカーのデバイスを積極的に採用する傾向がみられ、カタログや広告などでも「シャープのIGZO採用」「ジャパンディスプレイのセミインセルを採用」などと、消費者へのアピールを行っている。また、基板や受動部品などでも、薄型化を実現するために日系メーカーのデバイスが採用されており、中国のスマートフォン産業の発展は、日本のデバイス産業の発展と直結しているといっても過言ではない。
中国のスマートフォンの販売台数シェア(2013年)
 構成比
中国メーカーグループ1(大手メーカー)26%
中国メーカーグループ2(中堅メーカー)20%
中国メーカーグループ3(小規模、山寨機メーカーなど)32%
グローバルメーカー22%
 グループ1はHuawei、ZTE、Lenovo、Coolpadなど、大手メーカーである。2011年に通信キャリアが1,000元スマホに注目し、端末と通信契約のセット販売を本格化させたことが拡大のきっかけとなった。各メーカーの販売実績はAppleやSamsung El.などのグローバルメーカーときっ抗するまで迫っているが、2013年まではローエンドの低価格端末が主流であったため、低価格帯からの脱却を目指し、ハイエンドへの取り組みを強化している。中国国内だけでなく、世界市場での存在感を明確化させたいと考えており、一般消費者の認知度向上を目指し欧米で大規模かつ積極的な広告宣伝を行うメーカーも多い。
 グループ2はXiaomi、Oppoなど、中国国内を中心に展開する中堅メーカーである。中堅メーカーといっても、販売規模は1,000万台以上である。グループ2に含まれるメーカーを細分化すると、フィーチャーフォンの展開からスマートフォンに移行したメーカー、Androidの登場後に携帯電話市場に新規参入したメーカー、フィーチャーフォン時代には海外展開していたがスマートフォンをきっかけに国内に回帰した総合家電メーカーなどに大別される。2013年には大きく販売規模を拡大させたが、いずれのメーカーもMediaTekのチップセットを採用したAndroidスマートフォンであり、製品の同質化は避けられない。2014年は市場の伸びが緩やかになると共に競争の激化が予想され、各社がブランドポジションの確立を急いでいる。
 グループ3は小規模メーカーや山寨機メーカーなどである。設計技術や生産拠点を持たないため、デザインハウスと呼ばれる携帯電話の基本プラットフォームを設計する企業に、端末の設計、製造を委託している点が特徴である。山寨機においてもフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進んでおり、200元程度の販売価格で最低限のスペックを搭載した製品も展開されている。
 また、グローバルメーカーであるAppleやSamsung El.は高級品としてのブランドポジションがあり、一定のシェアと高めの平均販売単価を保っている。しかし、既に中国でのシェアは2割程度であり、ボリュームゾーンのミドルレンジ以下の価格帯では、中国メーカーとの競合で苦戦を強いられている。今後は中国メーカーの海外展開が進むことで、世界市場においても中国メーカーとの競合が予想される。
内容の詳細につきましては『中国スマートフォンメーカーの最新動向調査(2014年)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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