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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2014』まとまる(2014/4/7発表 第14024号)
自動車用の電装システム、デバイス&コンポーネンツなどの市場を調査
- ■2025年の世界市場予測(2013年比)
- ■電装システム 26兆5,650億円(2.1倍)
- パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系が市場をけん引
- ■ブレーキ制御システム 867億円(34.8%増)
- 先進国を中心にESC搭載の義務化が進む
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、進展する自動車用の電装システムの需要予測と、それを構成するセンサーやモーターなどのデバイスやコンポーネンツの動向を調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2014」にまとめた。
自動車は、「走る」「止まる」「曲がる」などの基本的な機能を担うシステムが電装化され、「環境」「安全」「快適」をテーマにそれぞれの機能のインテリジェント化に開発の主眼が置かれた第1世代から、現在では第1世代で築いた技術を大衆車へ普及させるための低価格化と、単独機能のインテリジェント化から他の機能と協調させるスマート化への開発に重点が置かれる第2世代のフェーズに移行しつつある。以上を踏まえて、この報告書では、電装システム20品目、情報機器5品目、デバイス&コンポーネンツ29品目、ECU1品目、ECU構成デバイス12品目の合計67品目を対象とし、市場の現状を分析し今後を予測した。
- ■調査結果の概要
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2013年 2025年予測 2013年比 パワートレイン系 6兆5,912億円 10兆6,997億円 162.3% HV/PHV/EV/FCV系 7,107億円 4兆3,276億円 6.1倍 走行安全系 1兆8,950億円 3兆8,642億円 2.0倍 ボディ系 2兆2,694億円 3兆1,037億円 136.8% 情報系 1兆2,724億円 4兆5,698億円 3.6倍 合計 12兆7,387億円 26兆5,650億円 2.1倍
対象とした電装システム20品目の2013年の市場は、前年比3.4%増の12兆7,387億円となった。今後も各分野とも大幅な市場拡大が期待され、特に環境規制の強化によりパワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、また搭載の義務化が推進されている走行安全系の拡大が注目される。2025年の市場は2013年比2.1倍の26兆5,650億円が予測される。
最も市場規模が大きいのはパワートレイン系で、2013年の市場は6兆5,912億円となった。環境規制の強化、また燃費改善に向けて、今後も搭載が増加するとみられる。規制対策においては、運転状況に応じた最適で緻密な制御をするための研究開発が進められている。2020年以降の環境規制をクリアするために、日本ではガソリンエンジン+ハイブリッドシステム、米国では変速制御の多段化、欧州ではダウンサイジングエンジン+マイクロハイブリッドシステムが推進されるとみられる。燃費改善は、エンジンのダウンサイジングとアイドリングストップシステムの搭載が有力視される。エンジンのパワーを補う機器やセンサーの搭載が必要となる。
HV/PHV/EV/FCV系は、最も急成長が期待される分野であり、2025年には2013年比6.1倍の4兆3,276億円が予測される。HV/PHV/EV/FCVシステムは、エンジンに代わる新しい駆動システムのため、エンジンマネジメントシステムには無い特有のセンサーなどの搭載が進むとみられる。開発途上のシステムということでコスト増が許容されていたが、今後は普及促進のためデバイスやコンポーネンツを最少にとどめた低価格システムの開発が進むと想定される。
走行安全系は、ADAS(先進運転支援システム)の高い成長を軸に市場が拡大するとみられ、2025年には2013年比2.0倍の3兆8,642億円が予測される。ADASに低価格な車載カメラを利用して簡易かつ高精度を実現した緊急自動ブレーキの搭載が急速に拡大したように、走行安全系システムのさらなる普及には低コスト化が必要と考えられる。現状では各システムに同じセンサーを複数個搭載する必要があるが、低コスト化のために、1個のセンサーを複数のシステムに利用する提案が進められている。
ボディ系は、ボディ統合制御システムなど、先進国では既に搭載率が高いシステムもあるため、他分野に比べて市場の成長率はやや低めである。とは言え、新興国の需要を取り込み、2025年には2013年比36.8%増の3兆1,037億円が予測される。デバイスやコンポーネンツの動向としては、従来の手動操作から小型モーターによる電動制御が増加するとみられる。さらには、スイッチによる電動制御から自動制御へのシフトも進むため、小型モーターに加えてセンサーの需要増加が想定される。
情報系は、他システムとの統合を図りながら市場を拡大させ、2025年には2013年比3.6倍の4兆5,698億円が予測される。運転時の情報をドライバーに的確に知らせる必要から、情報表示の手段として液晶ディスプレイの搭載が増えるとみられる。また、情報表示の際には運転の妨げとならない工夫が必要であるため、タッチパネルやタッチセンサーの搭載も進むと想定される。加えて、車内だけでなく外部からの情報をドライバーに知らせる必要性も増すため、通信モジュールの需要増加も考えられる。 - ■注目市場
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■ブレーキ制御システム【電装システム・走行安全系】
2013年 2025年予測 2013年比 ABS 99億円 61億円 61.6% ESC 544億円 806億円 148.2% 合計 643億円 867億円 134.8%
2013年のABS市場は99億円、ESC市場は544億円で、全体では643億円となった。2013年の自動車生産台数に対して、ブレーキ制御システムの装着率は70%以上である。
ESCは先進国での搭載義務化が段階的に進んでいるため、搭載率が高まっている。2020年にかけて、先進国では販売されるほぼ全車両にESCの搭載が義務化されるため、ABSの需要は大幅に減少すると考えられる。一方、新興国においてESC搭載の義務化は積極的に進められておらず、ABSを搭載するにとどまっている状況である。ただし、中国では安全基準を引き上げ始めており、エアバッグの搭載率上昇に加えて、ESCの積極的な搭載が自動車メーカー主導で行われる可能性が高い。長期的にはESCの低価格化が進むため、2020年以降ABSからESCへのシフトが、世界的に進むとみられる。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2014』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)