プレスリリースPress Releases
『2014 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧』まとまる(2014/10/8発表 第14072号)
キャッシュカードやクレジットカード、会員カード、ポイントカードなどカード関連の国内市場を調査
- ■2017年予測(2013年比)
- ■リアル/ネット決済サービス市場 104兆4,831億円(42.1%増)…クレジットカード決済がけん引
- O2O関連決済/顧客管理プラットフォーム市場 2,702億円(39.4%増)…クラウド型決済サービスにより活性化
- 内、モバイル対応システム市場 90億円(4.7倍)…スマートフォンNFC標準搭載で市場が拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、キャッシュカードやクレジットカード、会員カード、ポイントカードなど、カード関連の国内市場を調査した。その結果を「2014 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧」にまとめた。
この報告書では、カードアプリケーション(カードそのもの)をはじめ、素材やデバイスなどのカード材料、リーダー・ライター、ATMやCash Dispenser、決済端末などといったカード関連機器の市場を調査した。同時にカード決済サービスやポイントサービス、セキュリティシステムやソフトウェアなどのカード関連ソリューション市場に関してもその動向を明らかにした。
- ■注目市場
-
■リアル/ネット決済サービス市場(モバイル決済を除く)
2013年 2017年予測 2013年比 リアル/ネット決済サービス 73兆5,314億円 104兆4,831億円 142.1% クレジットカード決済 57兆7,000億円 81兆円 140.4% 電子マネー決済 4兆910億円 7兆2,450億円 177.1% 非与信決済 6,340億円 1兆9,700億円 3.1倍 -
クレジットカードやデビットカードなどの磁気ストライプカード決済、電子マネー決済、磁気プリペイドカード決済、Pay-easy、ポイントサービスを対象とした決済サービス市場は2013年に73兆5,314億円となった。クレジットカード決済を筆頭に拡大している。Pay-easyやポイントサービスを除くカード決済は、ポイント訴求やキャッシュバックなどで現金よりもお買い得感を出した結果、利用者増へとつながった。
クレジットカード決済市場は2013年に57兆7,000億円となった。景気回復による購買行為の増加に加え、消費税改正前の活発な購買、ECサイト経由でのサービスや物品購入の増加、利用可能場所の増加により着実に市場は拡大している。
プリペイド型、ポストペイ型、サーバー管理型を対象とした電子マネー決済市場は2013年に4兆910億円となった。利用件数、決済金額ともにプリペイド型の比率が最も高い。イオンリテールやセブン&アイ・ホールディングスといった流通業が会員数や利用件数を伸ばしている。ポストペイ型はMasterCard「PayPass」のインフラが整備されることにより、利用件数や決済金額が拡大するとみられる。
磁気ストライプカード決済の内、ブランドプリペイドカードやブランドデビットカード、プラスチックギフトカードを対象とした非与信決済市場は2013年に6,340億円となった。改正割賦販売法施行後、与信の厳格化によりクレジットカードをもてない層が増加したことを受けて市場が急拡大している。今後は与信厳格化から通信キャリアや流通サービス事業者を中心にサービスが拡充され、また若年層や主婦層に加え、消費税改正により小銭のやりとりが増加していることで、現金決済を不便に感じる高齢者層を取り込むことにより利用者が増加し、2017年は1兆9,700億円が予測される。特に2013年以降、相次いで大型サービスがスタートしたブランドプリペイドカード決済やブランドデビットカード決済の市場が拡大する。
また、非与信決済のカード発行枚数は2013年に6,100万枚となった。Amazonギフト券やiTunes Cardなどプラスチックギフトカードが中心である。ブランドデビットカードやブランドプリペイドカードは、ポイント特典やキャッシュバックといった特典もあり、VISAやMasterCardといった国際ブランドが利用可能な店舗で使用でき、クレジットカードと同様の広がりがあるが、繰り返し利用が多いことから発行枚数は少ない。 -
■O2O関連決済/顧客管理プラットフォーム市場
2013年 2017年予測 2013年比 O2O関連決済/顧客管理プラットフォーム 1,939億円 2,702億円 139.4% モバイル対応システム 19億円 90億円 4.7倍 -
顧客のIDや購買行動履歴の獲得と管理に関わるO2O(Online to Offline)関連プラットフォームの市場は、ネット決済代行サービス、決済ネットワークサービス、クラウド型決済プラットフォーム、顧客管理システム(ポイントシステム)、スマートポスター、モバイル決済サービスのシステム構築と運用、トランザクションの費用を対象としている。市場は決済ネットワークサービスを核とし、2013年に1,939億円となった。モバイル決済サービスは、2012年ごろより参入が増加しており、現在はSquareやPayPalなど海外サービス事業者や、コイニー、楽天、ロイヤルゲートなどの国内のネットサービス事業者が参入している。今後新規の決済プラットフォームとしては、イニシャルコストが安価なクラウド型決済プラットフォームの利用が進むとみられる。
モバイル対応システム市場はスマートポスター、モバイル決済サービスといったモバイルソリューションを対象としている。2013年の市場は19億円となった。
スマートポスターはiPhoneのNFC未搭載が大きく影響し、Beacon機能やSNSとの競合により縮小している。しかし、iPhoneへのNFC搭載により、NFCタグの低コストを活かした需要増加が期待されるほか、東京オリンピック開催に向けた外国人観光客向けのサービスが充実し、2015年以降拡大するとみられる。
スマートデバイスを決済端末とするモバイル決済サービスは、スマートデバイスに接続するイヤフォンジャック型のクレジットカード決済端末を提供する主要事業者が出揃ったことで普及期に入った。初期費用が無料から3,000円未満と低価格で、運用コストも安価であるため、今後モバイル決済サービスはこれまでカード決済を導入していなかった個人店舗などでの利用が進むとみられる。
モバイル対応システムの会員数は、2013年は累計で8,730万人となった。モバイルポイントを含めてスーパーやコンビニエンスストアなど、実店舗を有する事業者による新規会員の獲得により増加している。また、電子マネーや乗車利用で会員数が伸びている。TypeA規格(PayPass、payWaveなど)の利用可能な場所の拡大などもあり、2017年には1億1,445万人が予測される。
内容の詳細につきましては『2014 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)