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『デジタルヘルスソリューション市場の将来展望 2014』まとまる(2015/1/30発表 第15011号)
ヘルスケア関連機器とサービスの国内市場を調査
- ■2020年予測
■スマートウォッチ(OS搭載) 2013年比 175.0倍の700億円 ■ヘルスケアバンド 同 47.0倍の470億円 ■電子お薬手帳 同 12.9倍の155億円 ■遺伝子検査サービス 同 3.0倍の70億円
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ICT技術の利活用により高機能化/高付加価値化を図るヘルスケア関連機器/サービスを「デジタルヘルスソリューション」と定義し、市場規模やキーデバイス採用の動向、販売チャネル/ビジネスモデル、注目企業の事業展開、今後の方向性などを調査した。また、「健康管理/増進」「スポーツ」「医療/介護」の三つのカテゴリーに分類し、有望市場を把握した。
その結果を報告書「デジタルヘルスソリューション市場の将来展望 2014」にまとめた。
- ■調査結果の概要
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■デジタルヘルスソリューション国内市場
2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比 ヘルスケア関連機器 712億円 104.4% 2,257億円 3.3倍 サービス 626億円 114.4% 1,073億円 196.2% 合計 1,338億円 108.8% 3,330億円 2.7倍
今後はライフログ/ウェアラブル機器の需要拡大や異業種を含む新規参入企業の増加、規制緩和に伴う新市場の創出、ヘルスケアビッグデータの利活用による地域医療連携/個別化医療の実現などが市場拡大の鍵となり、2020年には2013年比2.7倍の3,330億円が予測される。 - ■注目市場
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■スマートウォッチ(OS搭載)
2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比 5億円 125.0% 700億円 175.0倍
2014年の市場は各ブランドの熱心なファンなどの需要に下支えされ、前年比25.0%増の5億円が見込まれる。現在はまだ限定的な市場であり、一般的な普及には至っていない。しかし、2015年にはApple「Apple Watch」の発売が予定されていることから、本格的な市場の拡大が予想される。
スマートフォンの周辺機器でありながら価格が1〜3万円と高額なため、当面はイノベーター需要にとどまるとみられるが、ヘルスケアをはじめとするアプリケーションが充実することでアーリーアダプターの追随が期待される。2020年には320万台まで拡大し、700億円が予測される。 -
■ヘルスケアバンド
2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比 22億円 2.2倍 470億円 47.0倍
2013年にFitbit「Fitbit Flex」が日本で発売となり、近年の健康志向やランニングブームが追い風となって拡大した。ヘルスケアバンドはスマートフォンとの連携を前提としており、ディスプレイを省略または簡素化しているためデザイン性やファッション性が高く、従来型の活動量計とは異なるユーザー層を開拓している。
2014年はモバイルキャリアの販売戦略もあり、ヘルスケアブームが巻き起こり、市場は前年比2.2倍の22億円が見込まれる。また、新規参入を含むメーカー各社から新製品の発売が相次いでいることから、2015年は本格的な普及が始まるとみられる。現状ではスマートフォンアプリを活用したダイエット/トレーニングに関心の高いユーザーが中心であるが、メーカー各社が睡眠計測機能に注力していることから、今後はより身近なライフログデバイスとしてユーザー層の拡大が期待される。 -
■電子お薬手帳
2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比 27億円 2.3倍 155億円 12.9倍
2014年の薬事法改正により、電磁的記録による情報提供が認められた。医療費削減で在宅医療やセルフメディケーションが注目される中、患者の服薬管理や地域に密着した薬局のサービス向上などが盛り込まれた日本再興戦略でお薬手帳の導入が推進されたことから、市場は前年比2.3倍の27億円が見込まれる。政府は2015年までに30%以上の薬局で電子お薬手帳を提供することを目標としており、また、薬局側の需要も高いとみられる。
2020年にはドラッグストア併設の薬局などでも電子お薬手帳が普及するとみられるほか、介護福祉分野やフィットネスクラブとの連携などで市場が拡大し、2013年比12.9倍の155億円が予測される。 -
■遺伝子検査サービス
2014年見込 2013年比 2020年予測 2013年比 24億円 104.3% 70億円 3.0倍
2013年より注目が高まったものの、検査キットの価格が平均で2万円台と高額であり、かつ医療機関で実施される遺伝子検査との違いが分かりづらいなどの理由により市場は伸び悩み、2014年は前年比4.3%増にとどまると見込まれる。
エビデンスレベルの向上や関連ビジネスを模索するには、データを多数収集する必要があることから、2015年以降はビッグデータの蓄積を目的とした戦略的な低価格設定により、ユーザー数が徐々に増加するとみられる。究極の個人情報とも言える遺伝子データの取り扱いに関する倫理的な課題もあり、サービスの普及には時間を要するとみられるが、将来的には個別化医療の実現による医療費削減も期待されることから、2020年には2013年比3.0倍の70億円が予測される。
内容の詳細につきましては『デジタルヘルスソリューション市場の将来展望 2014』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)