プレスリリースPress Releases
『2015年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望』まとまる(2015/4/8発表 第15033号)
機能性高分子フィルムの市場を調査
- ■2018年世界市場予測(2014年比)
- ■モーター用絶縁フィルム:38億円(2.2倍)HV・EVの需要増加で拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ベースとなるプラスチックフィルムにコーティングや蒸着などの表面処理、ラミネートなどの二次加工、またはベースフィルム自体に高機能化やハイブリッド化などの機能を付与した、機能性高分子フィルムの市場を調査した。その結果を「2015年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」にまとめた。
機能性高分子フィルムは多岐にわたり応用されているが、今回はFPD、半導体・実装、自動車・産業用、建材・インフラ、エネルギー、ライフサイエンス、バリアフィルムの7分野に分類し、計59品目を市場規模や用途展開状況、採用素材、海外動向、研究開発状況などの観点から分析を行い、今後の方向性を予測した。
※2014年は、2014年11〜12月の見込値に基づいた暫定値である。
- ■ 調査結果の概要
-
■世界市場における注目分野
2014年 2018年予測 2014年比 自動車・産業用分野 2,659億円 3,111億円 117.0%
一方、電子機器向けの比率が大きい転写フィルム、フィルムコンデンサー用フィルム、MLCC用離型フィルム、航空機向けの比率が大きいCFRP用離型フィルムは、市場は拡大するものの伸びは小幅にとどまるとみられる。
この他、FPD分野と半導体・実装分野では、スマートフォン・タブレット端末などの生産台数増加で拡大しているが、価格競争などによる単価の下落もあり今後は微増が予想される。しかし、FPD分野はOLEDディスプレイ向け、半導体・実装分野は自動車やウェアラブル端末、IoT関連製品向けなど新たな需要も期待される。
バリアフィルム分野では食品包装向けを中心に一定の需要があり、安定的に拡大するとみられる。エネルギー分野では太陽電池とリチウムイオン二次電池に使用されるフィルムを対象としており、同製品の需要増加と共に拡大が予測される。 -
■国内市場における注目分野
2014年 2018年予測 2014年比 建材・インフラ分野 1,548億円 1,831億円 118.3%
この他、ライフサイエンス分野では医療向けのフィルムや紙おむつで使用される通気性フィルムなどを対象としており、高齢化などを背景に拡大が予想される。 - ■注目市場
-
■モーター用絶縁フィルム世界市場【自動車・産業用分野】
2014年 2018年予測 2014年比 17億円 38億円 2.2倍
市場はHV・EVの生産台数増加に伴い、拡大している。モーター用絶縁フィルムは、分布巻モーターにのみ利用され、集中巻モーターでは利用されないが、より大きな出力が可能な分布巻モーターのウェイトが今後高まるとみられることから、2014年から2018年までの年平均成長率は22.3%と高成長が予測される。
フィルムには耐熱性、電気絶縁性、耐劣化性(耐加水分解性)が求められ、PENフィルムとアラミドペーパーが主に使用される。PENフィルムはコストと性能のバランスや、寸法安定性、電気特性、耐久性に優れることから基材や表層材として使用され、アラミドペーパーは耐熱性、機械特性、耐薬品性に優れ、表面の滑り性によるスロットへの挿入のしやすさから外側表層材として広く使用される。この他、PPSやPET、PAなども適性に応じて使用される。
PENフィルムとアラミドペーパーの複層化には接着剤が使用されることが多いがフィルムを薄くできることから、熱融着やプラズマ処理で貼り合わせるなど接着剤を必要しない製品も投入されている。
内容の詳細につきましては『2015年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)