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『2016年 エレクトロニクス先端材料市場の現状と将来展望』まとまる(2016/5/13発表 第16040号)

エレクトロニクス製品向け先端部材の世界市場と素材の動向
OLEDディスプレイ向け・車載電装品向け先端部材の世界市場を調査

2019年市場予測(2015年比)
耐熱フレキシブル基板 51億円(17.0倍) OLEDディスプレイ用途で需要が増大
車載用アルミ電解コンデンサー 1,330億円(56.5%増) ECU搭載数の増加に伴い拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、カーエレクトロニクスやIoT関連、ウェアラブル機器などへの応用展開により、市場拡大が予想されるエレクトロニクス製品向けの先端部材の世界市場を調査した。

 その結果を報告書「2016年 エレクトロニクス先端材料市場の現状と将来展望」にまとめた。

 この報告書では、半導体、実装、LCD、OLED、タッチパネル、LED、エネルギー、ウェアラブル機器などの分野で注目される先端部材について、市場の現状を分析し、今後を予想した。加えて、素材の動向、製造プロセスにおける新規適用や薄膜化・小型化などの技術動向、電気的・熱的・光学的機能トレンドについても整理した。

調査結果の概要
耐熱フレキシブル基板
 2015年2019年予測2015年比
ガラス基板1億円12億円12.0倍
フィルム基板2億円39億円19.5倍
合計3億円51億円17.0倍
フレキシブルデバイスに使用される耐熱性を持つガラス基板とフィルム基板を対象とする。
 2015年時点では、ガラス基板は一部OLED照明用途で実用化されているものの、開発用のサンプル出荷がほとんどである。フィルム基板の素材は大半がPI(ポリイミド)フィルム、一部でPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムが使用されている。現状、PIフィルム基板はスマートフォン向けのOLEDディスプレイ用途が大半である。PENフィルム基板は有機薄膜太陽電池や電子ペーパーで使用されているが実績は僅少である。
 主用途として期待されるOLEDディスプレイは、軽量化や湾曲化ニーズにより徐々に市場が立ち上がりつつある。2018年以降スマートフォンでOLEDディスプレイの採用が増加し、それに伴いPIフィルム基板の需要も増加するとみられる。また、PENフィルム基板は、有機薄膜太陽電池などの市場拡大に伴う需要増加が予想される。
車載用アルミ電解コンデンサー
2015年2019年予測2015年比
850億円1,330億円156.5%
 アルミ電解コンデンサーは他のコンデンサーと比較して誘電体層が非常に薄いため、体積当たりの静電容量が大きく、太陽光発電用パワーコンディショナー向けなどの産業用途や車載用途で需要が高まっている。ここでは車載用途のアルミ電解コンデンサーを対象とする。素材にはポリピロール系やチオフェン系の導電性高分子が使用されている。
 車載用アルミ電解コンデンサーは走行系や安全系のECU(電子制御ユニット)・センサー、カーナビ、カーオーディオなどに使用される。各種ECUに10個程度使用される場合もあり、ECU搭載の伸びに伴い市場の拡大が予想される。車載用途は使用条件が厳しく、参入メーカーは自動車メーカーや電装メーカーにカスタム品を供給しているため、高価格な製品が多くなっている。2018年以降EVやHVの市場が本格的に拡大し、それらのインバーター制御や電池制御に使用される大型製品の需要が伸びるとみられる。
バッファコート膜
2015年2019年予測2015年比
242億円270億円111.6%
 半導体の製造過程で、前工程で形成した回路の後工程でのダメージ防止や、フリップチップ(FC)やウェハレベルパッケージ(WLP)の再配線層部材として後工程で使用されるバッファコート膜を対象とする。PIやPBO(ポリベンゾオキサゾール)樹脂と溶剤などを混合して製造される。
 後工程ではチップ面積を超える広い領域に再配線層を形成するFan−OutタイプWLPの需要が増加しているため、バッファコート膜の使用が増えている。Fan−Outタイプは再配線層を4層形成するケースもありチップ1枚当たりの使用量が多いため、後工程での使用量は毎年二桁の伸びが予想される。一方、前工程ではメモリー向けを中心に薄膜化を含めた滴下量削減の動きが進んでいるため、半導体デバイスの生産量は増加するものの、使用量は横ばいで推移するとみられる。
注目素材の世界市場
グラフェン
2015年2019年予測2015年比
8億円32億円4.0倍
 グラフェンは炭素からなる同素体の一種で、非常に薄い層で構成され強靭で導電性に優れる。コンパウンド樹脂に少量を添加するだけで強度改善に大きな効果があり、放熱性や帯電防止性なども付与できる。また、オイルシールやOリングなどのゴム素材では耐薬品性や耐膨潤性などの機能性向上効果も得られる。
 2014年までは主に研究・開発用途の少量販売が中心で単価も高価格であった。2015年以降、大量生産技術の確立に伴い工業的な使用が本格化しており、今後の市場拡大が期待される。
 塗料や潤滑油、包装用フィルム向けで市場は立ち上がり、その後ゴムや樹脂成形品などで強度を要求するアプリケーションで使用が広がると予想される。また、車載用リチウムイオン二次電池で使用されるシリコーン系負極材料向けの導電助剤用途としても、走行距離の伸長に寄与するため注目されている。将来的にはプリンテッドエレクトロニクスの電極材料としての使用も期待される。
内容の詳細につきましては『2016年 エレクトロニクス先端材料市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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