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『ソフトウェアビジネス新市場 2016年版(上巻)』まとまる(2016/8/10発表 第16066号)
企業向けソフトウェアの国内市場を調査
- ■2020年度予測
- ■国内市場1兆3,664億円
デジタルマーケティング系と基本ソフト系ソフトウェアが大幅拡大。パッケージベンダーもSaaSに注力するなど、SaaSが再び注目される
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、企業の情報システムに用いられる主要ソフトウェアの国内市場について調査した。
その結果を報告書「ソフトウェアビジネス新市場 2016年版 上巻:ソフトウェア市場編」にまとめた。
この報告書では、業務システム系10品目、デジタルマーケティング系4品目、情報分析系4品目、コラボレーション系8品目、ミドルウェア9品目、データベース2品目、運用・管理ツール8品目、基本ソフト系4品目、合計49品目の企業向けソフトウェア市場を調査対象とした。また、「パッケージ」「SaaS」※の二つの提供形態別の市場動向を把握した。
※パッケージはベンダー出荷ベース、SaaSはユーザー引き渡しベースで市場を捉えた
- ■調査結果の概要
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■企業向けソフトウェアのカテゴリー別市場
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業務システム系は、ソフトウェア全体市場における比率が最も高い。パッケージベンダーのSaaSビジネスの拡大に加え、SaaS専業ベンダーの実績が大きく拡大したため、SaaSが大きく伸びている。
デジタルマーケティング系は、製品の認知から購買に至るプロセスがアナログ(店舗)とWebを連携させたデジタルマーケティングへ移行する中、マーケティングオートメーションの導入増加により、市場が大幅に拡大している。
情報分析系は、基幹系システムのデータのみではなく、Webログ、センサー、SNS上のテキストなどの多様なデータを活用して、より深い洞察を得るための需要が高まるとみられる。
コラボレーション系は、ワークスタイル変革の推進により、円滑な情報共有を目的とした需要が増えている。また、電子帳簿保存法の改定により、電子帳票関連ツールの需要増加が期待される。
ミドルウェア、データベースは、クラウドやビッグデータ、IoTなどの活用の広がりにより、データの高速処理、データ連携やシステム連携対応の需要が増加し、市場拡大が予想される。
運用・管理ツールは、多くの品目市場が成熟しているが、企業のクラウド活用に関連してクラウド管理ツールやアプリケーション性能管理ツールのSaaSは市場拡大が予想される。また運用における情報共有・負荷軽減を目的にサービスデスク管理、ランブックオートメーション、システムリソース管理における分析関連製品の需要が高まるとみられる。
基本ソフト系は、高度なプライベートクラウド環境構築需要の増加により、サーバー仮想化ソフトが引き続き伸びるとみられる。また、ワークスタイル変革を実現するソリューションとして、デスクトップ仮想化ソフトの大幅な伸びが予想される。 -
■企業向けソフトウェアの提供形態別市場
2016年度見込 2020年度予測 2015年度比 パッケージ 8,616億円 9,862億円 120.3% SaaS 2,579億円 3,802億円 171.0% 合計 1兆1,195億円 1兆3,664億円 131.1% - ■注目の市場
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■財務・会計ソフト[業務システム系]
2016年度見込 2020年度予測 2015年度比 294億円 363億円 134.4%
近年は、個人事業主や中小企業を中心に、会計業務を効率化する動きが活発化しており、SaaSの財務・会計ソフトの利用が大きく拡大している。現状では個人事業主が主要顧客であるが、自動化機能やスマートデバイス対応などの利便性が評価され、中小企業の実績も拡大している。また、会計事務所とのアライアンスによって企業と会計事務所間でデータを共有するなど、自社と会計事務所のサービスを組み合わせた高付加価値サービスの展開が増えている。 -
■デスクトップ仮想化ソフト[基本ソフト系]
2016年度見込 2020年度予測 2015年度比 283億円 467億円 198.7%
近年は、従業員の働き方を変えることで生産性向上や営業力強化、コスト削減、ワークライフバランスの適正化、従業員のモチベーション向上などを実現するソリューションの一つとして、注目度が高まっており、パッケージ、SaaS共に好調となっている。また、2014年4月の「Windows XP」サポート終了を受け、ハードウェアをリプレースする際、デスクトップ仮想化ソフトを導入した企業が増加し、2020年以降には「Windows7」や「Windows8」のサポート終了も控えており、同様のニーズが増えると予想される。 -
■マーケティングオートメーション[デジタルマーケティング系]
2016年度見込 2020年度予測 2015年度比 64億円 122億円 2.5倍
BtoC向けは、ユーザーに接するコンタクトチャネルが特に多様化していることから、顧客の動向を統合的に把握しマーケティング施策を策定するために導入が進んでおり、特にEC事業者、通販事業者、小売業などで導入が進んでいる。BtoB向けは、マーケティング活動の過程を一元管理し、見込み客の獲得や育成、選別し、営業案件として引き渡す過程を自動化するツールとして導入が進んでいる。展示会への出展を積極的に行っているITベンダーを筆頭に製造業、サービス業などで導入が進んでいる。
内容の詳細につきましては『ソフトウェアビジネス新市場 2016年版(上巻)』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)