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『2016 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2016/9/28発表 第16079号)

IoT向けなどで新たな需要の開拓が期待される通信機器・通信サービスの国内市場を調査

2020年度予測(2015年度比)
通信機器市場 3兆7,934億円(4.6%減)
ネットワーク関連製品や会議関連製品は伸びるが、移動体通信端末の落ち込みにより全体は縮小
通信サービス市場 12兆3,899億円(7.3%増)
IoT向けの増加で携帯電話、MVNO、FTTHなどのサービスが伸長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ブロードバンドサービスや携帯電話サービスなどが飽和状態まで広く普及したことにより多くの品目で市場が成熟しつつある中、キャリア向けネットワークの更改やそれに伴う新規サービス、またIoT向けサービスなどで発生する新たな需要の獲得に向けて、参入事業者によりさまざまな取り組みが進められている通信機器・通信サービスの国内市場を調査した。

 その結果を報告書「2016 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。

 この報告書では、通信機器市場についてネットワーク関連製品14品目、音声関連製品7品目、会議関連製品3品目、移動体通信端末3品目、移動体通信基地局3品目、通信サービス市場についてインターネット接続サービス4品目、移動体通信サービス4品目、固定データ通信サービス4品目、音声関連サービス8品目、その他サービス5品目について市場動向を分析し、将来を予想した。

調査結果の概要
通信機器の国内市場
 2016年度見込2020年度予測2015年度比
全体3兆8,583億円3兆7,934億円95.4%
 移動体通信端末2兆4,763億円2兆3,010億円90.5%
ネットワーク関連製品5,180億円5,787億円110.4%
会議関連製品274億円340億円134.9%
移動体通信端末、ネットワーク関連製品、会議関連製品は全体の内数
 移動体通信端末は、今後、市場規模が大きいスマートフォンは買い換え需要が中心であるためSIMフリーモデルが伸びるものの、市場縮小が予想される。タブレット端末は性能向上や小型・軽量化が進みセルラータイプが伸びるとみられ、Wi−Fiタイプは教育分野で需要増加が期待される。
 ネットワーク関連製品では、今後、大手固定通信キャリアのネットワーク更改や移動体通信キャリアの5G導入に向けた需要により光伝送装置やルーターなどの伸びが期待される。また、無線LAN機器(AP)や無線LANコントローラーは教育関連のタブレット端末活用、ホテルの宿泊者向けインターネット接続、公共の観光・防災などで需要が増えるとみられる。
 会議関連製品は、ビデオ会議システムが次世代モデルへのリプレースや増設、Web会議システムが安価な点やUCサービスとの連携により需要が増加している。音声会議も安定した需要がある。今後は、Web会議システムを中心に中堅・中小企業で会議関連製品の導入が進むとみられる。また、会議以外のユーザー向けサービスや教育関連での利用など用途の多様化や、他のシステム/サービスとの連携による利便性向上で需要増加が期待される。
 音声関連製品は、ソフトスイッチが固定通信キャリア向けに加え、移動体通信キャリアのVoLTE向けが増加するとみられる。また、規模は小さいもののIP電話サービスなどで使用されるSBC、ソフトフォンも市場拡大が期待される。移動体通信基地局は、携帯電話基地局が5G対応の開始に伴い、2019年度以降伸びるとみられる。
通信機器市場におけるIoT向け需要
2016年度見込2020年度予測2015年度比
141億円186億円142.0%
 端末や装置を直接ネットワーク接続するPONシステム、メディアコンバーター、L2/L3スイッチ、無線LANコントローラー、ルーター、IoTプラットフォームで利用されるL4−7スイッチ、帯域制御装置のIoT向けの需要を対象とした。
 現状はL2/L3スイッチが中心で、工場/プラントでコントローラーや工作機械、センサーといった装置をネットワーク接続している。ルーターはローエンドルーターが自動販売機、FA機器、医療機器、自動車、気象観測システムなどの監視で利用されている。L4−7スイッチや帯域制御装置は現状の需要は小さいものの、IoTプラットフォームで提供されるアプリケーションサービスの負荷分散や通信品質の向上を目的とした需要が期待される。
通信サービスの国内市場
 2016年度見込2020年度予測2015年度比
全体11兆6,919億円12兆3,899億円107.3%
 インターネット接続2兆3,854億円2兆6,470億円114.1%
移動体通信7兆530億円7兆6,265億円110.5%
その他696億円1,403億円2.6倍
インターネット接続、移動体通信、その他は全体の内数
 インターネット接続は、ADSLからFTTHへの移行、移動体通信キャリアの光コラボレーションモデルのセット割推進による新規需要獲得で市場拡大が予想される。ただし、ブロードバンドサービスの普及飽和や、モバイル利用の増加などにより、伸び率は緩やかとみられる。
 移動体通信では、市場規模の大きい携帯電話サービスは新規加入の増加は鈍化するが、IoT向けが車載関係を中心に伸びるため、微増での市場推移が予想される。MVNOは個人向けでキャリアからの乗り換えが進み、法人向けでもIoT向けの採用が増加するとみられる。WiMAXも対応端末の増加により伸びるとみられる。
 その他では、ビデオやWebの会議系サービスが用途の多様化や安価なサービスによる中堅・中小企業の導入拡大などにより伸びると期待される。MVNOへの参入事業者の増加からMVNEのサービス卸の活用も増えるとみられる。また、クラウド型無線LANが訪日観光客やO2Oなど集客ビジネスの拡大から需要の増加が予想される。
 固定データ通信では、インターネットVPNは、現状、多拠点ネットワーク接続目的で流通系ユーザーの採用が中心だが、今後はIoT向けなどで需要増加が期待される。音声関連サービスは、0AB〜J−IP電話などは伸びるものの、携帯電話の普及や個人向けのコミュニケーションツール多様化により全体では縮小が続くとみられる。
通信サービス市場におけるIoT向け需要
2016年度見込2020年度予測2015年度比
533億円1,131億円2.8倍
 FTTH、ISP、携帯電話、PHS、WiMAX、MVNO、インターネットVPN、加入電話、0AB〜J−IP電話の各サービスがIoT向けのアクセス回線として利用されている。
 現状は携帯電話、MVNO、FTTHの市場が大きい。建設機械や監視カメラなどの状態監視、自動販売機や業務用車両などのデータ伝送など幅広い機器に通信モジュールが組み込まれ、携帯電話サービスが利用されている。MVNOは監視カメラ、バスやトラックなどの業務用車両の運行管理、太陽光発電システムや給湯器などのエネルギー関連機器の状態監視、児童や高齢者の見守りタグなどで採用されている。FTTHは駐車場や集合住宅共用部の監視カメラ、また、加入電話サービスで運用されてきた交通信号機、上下水道、気象観測システムなどのリプレース需要の獲得が期待される。今後も携帯電話、MVNOを中心に需要増加が予想される。
注目市場
MVNOサービス
 2016年度見込2020年度予測2015年度比
個人向け580万回線1,060万回線2.6倍
730億円1,420億円2.8倍
法人向け225万回線850万回線6.5倍
300億円645億円3.4倍
合計805万回線1,910万回線3.5倍
1,030億円2,065億円3.0倍
 個人向けは、認知度の向上、価格面のメリット、対応端末の充実などの要因により新規加入が増えている。また、大手MVNO事業者によるメディア広告やWebを活用したプロモーション、メディアへの露出増加、家電量販店やMVNO事業者直営店舗の増加などがユーザー層の拡大につながっており、2014年度頃までは30、40代の男性が主要ユーザーであったが、2015年度頃から女性のユーザーも増えている。
 また、当初はデータ通信の需要が大半であったが、音声対応サービスが2014年度後半から徐々に普及してきた。対面チャネルやWeb経由でMNP(番号ポータビリティ)手続きが可能となり、サービス移行の空白期間がなくなったことを受けて、2015年度は新規加入者の半数近くが音声対応SIMを契約したとみられる。データSIM利用はSIMフリータブレット向けの新規需要に加え、050IP電話アプリケーションなどの利用による1台目需要や、従来のモバイルルーター用途などにより安定した需要が予想される。
 法人向けは、閉域網活用により高度なセキュリティが実現できるため、金融や地方自治体などのモバイル端末の屋外利用で採用されてきたが、近年はIoT関連の需要が増えている。
注目移動体通信端末
注目移動体通信端末:市場規模推移グラフ
 スマートフォン(キャリアモデル)は高機能化に伴う買い替えサイクルの伸長から減少が続くとみられる。一方、スマートフォン(SIMフリーモデル)はMVNOのユーザーが増加することにより、2020年度には2015年度比2.5倍の380万台が予想される。また、フィーチャーフォンは一部で買い替え需要が残るものの、減少が予想される。
 タブレット端末(Wi−Fiタイプ)は既存ユーザーの買い替えに加え、教育関連向けの新たな需要も期待され、2017年度以降年率10%以上の伸びとなり、2020年度に810万台が予想される。タブレット端末(セルラータイプ)は営業支援端末の用途、倉庫や工場などでデータ入力端末などでの需要が増えるとみられる。
内容の詳細につきましては『2016 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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