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『2016 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧』まとまる(2017/1/12発表 第17001号)

自動車部品の世界市場を調査

2025年市場予測
自動車部品 エンジン系、駆動/足回り系部品が拡大をけん引 44兆5,658億円(2015年比13.9%増)
電子ミラー 2017年より市場が立ち上がり拡大 16億円

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、燃費向上に向けた小型軽量化や先端技術の採用が進む自動車部品の世界市場を調査・分析し、その結果を報告書「2016 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧」にまとめた。
 この報告書ではエンジン系部品15品目、駆動/足回り系部品5品目、内装系部品9品目、外装系部品8品目、合計37品目の市場動向に加えて採用材料や採用技術、近年電動化や電子制御化などにより変動しているサプライチェーン動向や自動車部品関連メーカー事例などを捉え、自動車部品市場の将来展望を明らかにした。

調査結果の概要
 自動車の生産台数は新興国で好調である一方、先進国は横ばいとなっている。しかし欧米や中国を中心に強化されている環境規制などを背景に、車体の軽量化、自動車部品の電動化や電子制御化による燃費向上など、高付加価値化が図られている。
自動車部品の世界市場
自動車部品の世界市場:市場規模推移グラフ
各市場を四捨五入して億円単位にしているため、合計が合わない場合がある
 内装系部品は自動車の電装化を背景にワイヤハーネスの搭載が増加している。エンジン系部品や駆動/足回り系部品では環境規制が強化される中、燃費向上のための電子制御化で製品単価が上昇しており、今後も市場拡大が続くとみられる。外装系部品は高価なホットスタンプ材などの採用が欧州を中心に進んでおりボディが堅調に拡大するとみられる。タイヤやガラスはボディと同様に必ず搭載される部品であり、自動車の低燃費化や乗り心地の向上に対するニーズを受けて、低燃費タイヤやUVカット機能を有するガラスなど高付加価値化が先進国を中心に進んでいる。
 自動車部品の高付加価値化が進む一方、それらが搭載される自動車の生産台数は先進国では横ばいとなっている。そのため新興国がけん引し増加する自動車の生産台数と比較すると自動車部品市場は低調であるが、今後はさらなる燃費向上ニーズなどによる高付加価値化、単価上昇を受けて堅調に拡大するとみられる。
注目市場
パッシブセーフティ関連市場【内装系部品】
 2016年見込2025年予測2015年比
エアバッグモジュール/インフレーター1兆3,347億円1兆4,579億円110.0%
ステアリングホイール2,551億円3,162億円125.8%
シートベルトプリテンショナー2,034億円4,193億円2.2倍
 パッシブセーフティは衝突事故の発生後に乗員や歩行者などの被害を軽減するシステムで、主にエアバッグやシートベルトが挙げられる。
 ここではエアバッグを膨張させるインフレーターを含むエアバッグモジュール、運転席用エアバッグモジュールを内蔵するステアリングホイール、エアバッグと協同して車両の衝突時にシートベルトを引き込み、乗員を座席に固定するシートベルトプリテンショナーを対象とした。
 エアバッグモジュール/インフレーターは、前席用エアバッグは日欧米ではほぼ搭載率が100%であり、新興国においても中国や韓国、ブラジル、アルゼンチンなどでは標準搭載となっている。前席用エアバッグは搭載率の低いインドなどの地域で採用が進むほか、今後はサイド、カーテン、ニーエアバッグの搭載が増加し、市場は拡大するとみられる。
 ステアリングホイールは車両1台につき必ず1つ搭載される部品で、市場は自動車の生産台数と連動する。エアバッグを内蔵する製品が市場の大半を占めるため、エアバッグモジュールメーカーによる生産が多い。将来完全自動運転化が実現すると、搭載されなくなる可能性があるが、2025年までにはないとみられる。また、完全自動運転システムが搭載されたとしてもシステムのフェイルセーフとしてステアリングホイールの搭載が続くとみられることから、2025年までは自動車の生産台数にほぼ連動して堅調に拡大すると予測される。
 シートベルトプリテンショナーは、前席用シートベルト向けはすでに各地域で搭載が進んでいるが、先進国で後席用シートベルト向けの搭載が進んでおり市場拡大をけん引している。後席用シートベルト向けの搭載が最も進んでいるのは西欧である。日本や米国での搭載率は2015年時点で3〜4割であるが、自動車メーカーが搭載に積極的であり、2020年には搭載率が8割を超えるとみられる。
電子ミラー【外装系部品】
2020年予測2025年予測
4億円16億円
 電子ミラーは車載カメラで撮像した車両周辺の映像をコックピット内のモニターに表示するシステムである。
 電子ミラーは2015年時点では量産車への採用実績はないが、2017年より採用がはじまり本格的に市場が立ち上がるとみられ、以降拡大していくと予想される。先進的な走行技術の採用に積極的な欧州で先行して市場が拡大し、米国、日本でも普及が進むとみられる。普及のための課題としては運転時に常時作動させる必要があることからバッテリー容量の向上が求められる。その他にも映像の遅延の改善、故障時のフェイルセーフ、高フレームレート化などが挙げられる。
内容の詳細につきましては『2016 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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