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『2017 LED関連市場総調査』まとまる(2017/2/28発表 第17018号)

照明に代わる有望分野として自動車分野、ウェアラブルデバイス分野などが注目…LED関連世界市場を調査

LEDパッケージ世界市場は2025年に2015年比2.0倍6,089億個、同8.7%増の1兆9,718億円に
需要は増加するものの、低価格化が進み市場は横ばい

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、熾烈な価格競争が勃発し、低価格化が進む中、照明に代わる新たな有望分野・アプリケーションが待たれるLED関連の世界市場を調査・分析した。その結果を報告書「2017 LED関連市場総調査」にまとめた。

 この報告書では、LEDパッケージやチップ、それらの材料をはじめ、バックライトや照明光源・器具、自動車用ヘッドライトなどのアプリケーション、LED競合製品の半導体レーザー、有機EL照明など、計46品目を取り上げた。

LEDパッケージ世界市場
 2016年見込2020年予測2025年予測
白色LEDパッケージ数量1,871億個3,421億個4,073億個
金額1兆4,769億円1兆5,569億円1兆5,006億円
有色LEDパッケージ数量1,383億個1,615億個1,907億個
金額3,452億円3,593億円3,812億円
赤外光LEDパッケージ数量68億個86億個108億個
金額256億円274億円304億円
紫外光LEDパッケージ数量0.08億個0.34億個0.66億個
金額62億円495億円596億円
合計数量3,322億個5,122億個6,089億個
金額1兆8,539億円1兆9,931億円1兆9,718億円
四捨五入して億個、億円単位にしている
 LEDパッケージ市場は、ウェイトが高い白色LEDパッケージの動向に大きく左右される。白色LEDパッケージは照明向けが中国メーカーによる低価格攻勢により2015年は大幅に単価が下落した。2017年以降も引き続き低価格化が進んでいくとみられる中、照明向けに代わる新たな有望分野として自動車向けヘッドライトや殺菌・滅菌、生体認証などの用途が注目され急成長が予想される。
白色LEDパッケージ
 中小型から大型バックライト、照明、自動車、その他スマートフォンのフラッシュライトなどが主な用途である。
 数量ベースで照明向けが伸びる一方で従来大きなウェイトを占めていたバックライト向けは大幅に減少している。今後は、引き続き中国やインドなど新興国で照明向けが増えるほか、自動車向けはヘッドライトなどで製品のLED化が進んでおり、今後より一層の成長が予想される。タイプ別では、バックライトや照明などで主に採用されるSMDと、看板やディスプレイ、装飾・イルミネーションなどで採用される砲弾型、一部照明やヘッドライト、バックライトなどに採用されるCSPに大別されるが、中でもCSPは放熱性が非常に高く、高出力が求められるヘッドライトなどで採用が進んでいる。金額ベースでは、照明向けの低価格化が継続しており、微増が続くと予想される。
有色LEDパッケージ
 装飾・イルミネーション、指示灯・スイッチ、ディスプレイ、その他交通標識などが主な用途である。
 数量ベースでは依然として装飾・イルミネーションや指示灯・スイッチ向けが大きなウェイトを占めているが成熟しつつあり、安価な製品が採用されていることから金額ベースでも伸びは鈍化するとみられる。一方でディスプレイ向けが中国で旺盛な需要があり、一台あたりの搭載個数が多いことから、中長期的に大きなウェイトを占めると予想される。
 なお、モバイル端末やウェアラブルデバイス向けに開発された小型のLEDパッケージを搭載したマイクロLEDが注目されている。その特徴はOLEDなどと比較して低消費電力、高精細、広視野角、自発光であるため長寿命で屋外でも反射しないことである。しかし、ディスプレイパネルに使用するLEDパッケージの数量が膨大であり、コスト高となるため、大型パネルへの採用は困難で、現状ではスマートウォッチやヘルスケアバンドなど、パネルサイズ2〜2.5インチ程度の製品への採用が進むとみられる。
赤外光LEDパッケージ
 主な用途としてはフォトインタラプタ向け、IrDA・リモコン向け、監視アプリケーション向けなどがある。
 数量ベースでは、家電やOA機器、産業機器などに採用されるフォトインタラプタやIrDA・リモコン向けのウェイトが高く、今後も安定した需要が予想される。監視カメラなどに採用される監視アプリケーション向けは堅調に伸び、先進国ではインフラのセキュリティ強化、新興国では治安の維持などを目的に需要が高まっているほか、自宅内における見守り機能として設置するホームカメラなどでの採用が増加している。その他、顔認証や虹彩認証といった生体認証向け、ロボット掃除機などIoT・スマートホーム向けが注目されており、今後これら用途に搭載が増えるとみられ、生体認証については、2017年から複数機種のスマートフォンに虹彩認証が搭載されるとみられる。金額ベースでは需要の高まりに伴い生産が伸びていることから単価が下落している一方で、TOF方式距離画像センサー向けなど高単価な製品採用が増加することで市場は微増が続くとみられる。
紫外光LEDパッケージ
 主な用途としては樹脂硬化向け、分光・分析向け、殺菌・滅菌向け、その他医療・美容分野向けやプリント基板直描装置向け、3Dプリンター向けなどがある。
 これまでUV-Aタイプを中心に市場が拡大し、2014年からUV-B、UV-Cタイプの量産が開始されたが、光取り出し効率など改良点が多く需要が伸びず、2015年、2016年は市場のほとんどがUV-Aタイプとなった。UV-Aタイプは、主に樹脂硬化分野、分光・分析分野などで採用され、2016年は数量ベースで樹脂硬化向けが70%以上のウェイトを占めると見込まれる。UV-B、UV-Cタイプは、殺菌・滅菌分野で水中殺菌や空中殺菌の開発が進んでおり、今後需要の増加が予想される。
自動車用ヘッドライトシステム(アプリケーション)
 2016年見込2020年予測2025年予測
白色LEDパッケージ3,580万個7,530万個1億2,420万個
四捨五入して万個単位にしている
 2016年に各自動車メーカーが新車にLED製品の搭載を促進する動きが高まり、LED製品率が15%を超え、2020年には30.7%に達するとみられる。
 ヘッドライトの光源に使用されるLEDパッケージは、片側でロービーム用SMDタイプ1個が一般的であり、1パッケージに高出力LEDチップが4〜6個使用される。今後はLEDチップの実装においてCSPの技術を使ったものが製品化されると予想される。LEDパッケージは、高出力化、低価格化が求められており、今後は搭載個数が急増するとみられる。
LED用蛍光体(LEDパッケージ材料)
 2016年見込2020年予測2025年予測
数量119t260t319t
金額405億円853億円986億円
四捨五入してt、億円単位にしている
 白色LEDパッケージに採用される蛍光体を対象とした。高発光効率・低価格が要求される製品には黄色の蛍光体が単体で採用されるケースが多い。演色性や広い色域が要求される場合には黄色と赤色や、赤色と緑色の組み合わせが採用されている。
 色別では赤や緑が高演色化や広色域化のニーズの高まりにより急伸長するとみられる。用途別では、照明向けのウェイトが最も高く、増加するほか、TV用バックライトユニット向けでは、パッケージは縮小傾向にあるが、広色域化ニーズは増加すると予想される。金額ベースでは蛍光体の低価格化に加え、中国産の安価な製品の増加で伸び率は低くなっている。
内容の詳細につきましては『2017 LED関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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