プレスリリースPress Releases
『データセンタービジネス市場調査総覧 2017年版(上下巻)』まとまる(2017/4/4発表 第17030号)
NewICT(IoT、人工知能、FinTech)による新たな需要が注目されるデータセンタービジネスの国内市場の調査
- ■2021年市場予測(2016年比)
- ■データセンタービジネスの国内市場 2兆3,895億円(28.5%増)
- メガクラウドサービスの普及によりIaaS/PaaSが大幅に伸びる
- ■IoT関連のデータセンタービジネス需要 750億円(15.0倍)
- ■FinTech関連のデータセンタービジネス需要 310億円(31.6倍)
- ネットワークの高速化、安定した提供電力ニーズなどへの対応でデータセンターの利用が進む
マーケティング&コンサルテーション株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、データセンタービジネスと関連製品の国内市場を調査した。
その結果を報告書「データセンタービジネス市場調査総覧 2017年版(上下巻)」にまとめた。
「上巻:市場編」ではデータセンターサービス8品目、データセンター関連製品13品目の市場を分析し、将来を予測した。また、「下巻:ベンダー戦略/ユーザー実態編」では有力データセンター事業者の動向整理とWebアンケートによるユーザー調査を行った。
クラウドコンピューティングの台頭により、従来データセンタービジネスの中心であったハウジング/ホスティングは伸びが鈍化している。しかし、今後はIoTや人工知能、FinTechといった新たなICTの利用に伴うハイパフォーマンスなコンピューターリソースが必要となるため、対応したサービスの需要が増加するとみられる。
- ■調査結果の概要
-
■データセンタービジネスの国内市場
2016年時点では、ハウジング(基本/アウトソーシング)が30%弱を占めている。依然としてデータセンタービジネスの中心であるが、クラウドコンピューティングの普及とともに、情報系システムをはじめとする業務系システム、インターネット関連システム、開発環境などでは、データセンター事業者が保有するITリソースが利用できるIaaS/PaaSの需要が増えており、ハウジングの伸び率は鈍化している。ただし、セキュリティや通信パフォーマンスなどの要件がIaaS/PaaSでは合わないシステムについてはハウジングのニーズは根強く、また、外資系クラウドサービス事業者向けの大規模なハウジングサービスも活況なため、今後も緩やかな伸びが期待される。
IaaS/PaaSは今後も大幅な伸びが続くとみられ、2021年の市場規模はハウジングに拮抗すると予想される。大幅な伸びの背景には「AWS」「Microsoft Azure」などのメガクラウドサービスの普及がある。「AWS」はさまざまな業務系システムのプラットフォームとしての採用が増えており、「Microsoft Azure」は業務用パッケージソフトの基盤としてオンプレミス(自社運用)サーバーからの置き換えが進んでいる。
ホスティングはサービス価格の低下やIaaS/PaaSへの移行により市場は縮小している。ホスティング(基本)は、ホームページサーバー向けの需要がIaaS/PaaSに、メールサーバー向けの需要がSaaSに移行するなど、クラウドコンピューティングの普及により需要が減少している。ただし、コンシューマー向けのホームページサーバー利用のニーズは根強い。また、ホスティング(アウトソーシング)はメインフレーム/オフコン向けの需要が減少しているが、ホスティングをベースとしたプライベートクラウドの需要は増加している。
その他は、データセンターを起点に提供する関連サービスでSaaSやDaaSなどを対象とした。データセンターを起点としたクラウドコンピューティング関連サービスがけん引して伸びている。 - ■注目市場
-
■NewICT(IoT、人工知能、FinTech)関連のデータセンタービジネス需要
-
■IoT関連のデータセンタービジネス需要
2016年 2021年予測 2016年比 50億円 750億円 15.0倍
現状、IoTは実証実験レベルが中心であり、短期間で利用開始/利用停止ができるクラウドサービスの利用が多く、ハウジングはほとんどみられない。今後はIoTの普及とともに大幅な伸びが予想される。クラウドサービスの利用が進むとみられるが、実用段階に入ればIoT用コンピューターには安定したパフォーマンスや安全性などが求められるため、ユーザーが所有するIoT用コンピューターをデータセンターで運用するハウジングの需要が増えるとみられる。 -
■人工知能関連のデータセンタービジネス需要
2016年 2021年予測 2016年比 31億円 550億円 17.7倍
現状、IoTと同様に短期間で利用開始/利用停止ができるクラウドサービスが大半を占め、金融機関やWebコンテンツ企業などが「AWS」や「Microsoft Azure」が提供する人工知能機能サービスを試験的に利用するケースが多い。今後はクラウドサービスの利用拡大はもちろん、人工知能用の学習機能を搭載したHPCサーバー向けのハウジングやホスティングも伸びるとみられる。HPCサーバーは、ユーザー自身による調達や稼働環境の整備は負担が大きいため、データセンター事業者が利用環境を提供するサービスの需要増加も予想される。 -
■FinTech関連のデータセンタービジネス需要
2016年 2021年予測 2016年比 9.8億円 310億円 31.6倍
現状、FinTechベンチャーを中心にデータセンターの利用が進んでいる。今後はベンチャーに加えて、銀行・証券会社、マイニング(仮想通貨採掘)企業などによるFinTechサービスの提供/開発に伴うデータセンターサービスの新規利用が予想される。主要な金融機関が本格的にサービスを開始すれば、システム開発/運用/保守などの大型需要が発生するため、この分野のデータセンター需要をけん引するとみられる。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(上巻、下巻)をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)