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『メディカルソリューション市場調査総覧 2018』まとまる(2018/8/16発表 第18072号)
各医療機器/システム/サービスの高度化によりAI/IoT/5Gが本格活用 手術支援ロボットの市場を調査
- ■2023年国内市場予測(2017年比)
- ■手術支援ロボット 140億円(2.3倍)
参入メーカーが増加、内視鏡把持タイプ、ロボット操作タイプの製品共に拡大- ■遠隔医療関連システム/サービス 251億円(2.1倍)
システム/サービス単体だけではなく、他の医療システムと合わせて普及が進み、伸長
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、病院情報システムや遠隔医療システムといった『医療機関向けシステム/ソリューション』、撮影装置や画像診断装置といった『診断・計測機器/装置』、手術支援ロボットや術野/術場カメラといった『手術室関連機器/システム』、滅菌器や内視鏡洗浄消毒機などといった『インフェクションコントロール(院内感染防止・制御)関連機器/システム』をメディカルソリューションとし、市場を調査・分析した。
その結果を「メディカルソリューション市場調査総覧 2018」にまとめた。
国内のメディカルソリューション市場は、政府による医療費抑制の施策が引き続きみられるものの、診療報酬改定を契機とした遠隔医療関連システム/サービスの伸長に加え、医用画像機器(モダリティ製品)の需要増加やAI/IoTを活用したハイエンドモデルへの切り替え、クラウド型の電子カルテシステムの普及、「インテリジェント手術室」のニーズ拡大を背景とする映像機器を活用した手術室関連機器/システムの需要増加などにより、拡大している。今後は各医療機器/システム/サービスが高度化していくとみられ、各分野でAI/IoT/5Gが本格的に活用される。
- ■注目市場
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■手術支援ロボット
2018年見込 2017年比 2023年予測 2017年比 64億円 106.7% 140億円 2.3倍
手術支援ロボットは、ロボット操作タイプの製品であるIntuitive Surgicalの「da Vinci」が腹腔鏡手術などの内視鏡手術用途で、大手の医療機関を中心に需要が広がったことで市場が拡大してきた。販売が開始された後は、適用範囲が拡大し、利用機会が増加している。2017年は内視鏡把持タイプであるリバーフィールドの「EMARO」が好調となり、市場は拡大した。2018年以降、内視鏡把持タイプ、ロボット操作タイプの製品ともに開発が進むとみられる。 -
■遠隔医療関連システム/サービス
2018年見込 2017年比 2023年予測 2017年比 133億円 110.8% 251億円 2.1倍
遠隔医療関連システム/サービスにおいて最も規模が大きいのは遠隔画像診断サービスであり、2017年は全体市場の8割を超える98億円となった。2018年は遠隔医療の「PtoP元年」とされ、無料提供、試験導入などの過程を経て参入メーカーが増加しており、今後さらに伸びるとみられる。遠隔診療サービスは2018年の診療報酬改定などから需要増加が期待されており、2023年は2017年比7.2倍の36億円が予測される。遠隔医療機器保守サービスは、医療機器の安定稼働、運用面でのバックアップを目的として立ち上がったばかりの市場であり、人手不足による管理面での懸念や、医療機器のセキュリティに対する意識が高まることで、徐々に需要が増加するとみられる。今後、遠隔医療はシステム/サービス単体だけではなく、電子カルテシステムなど他の医療システムと合わせて普及が進むとみられる。 - ■調査結果の概要
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■国内のメディカルソリューション市場
医療機関向けシステム/ソリューションでは、電子カルテシステムが市場をけん引している。大規模病院の需要は一巡したものの、診療所や中規模病院で、クラウド型の導入が進んでいる。また、診療報酬の改定により、遠隔医療関連システム/サービスの需要が増加している。今後は消費税増税や、2020年の「Windows7」サポート期限終了に伴うリプレース需要が影響し、一時的に市場拡大が期待される。
診断・計測機器/装置では、軟性内視鏡や眼科機が生活習慣病予防検診やがん検診の検査件数増加に伴い、需要が拡大しているものの、価格競争の激化により一部の製品で単価の下落がみられる。モダリティ製品は普及が進んでおり、リプレースを中心とした需要となっている。今後はハイエンドモデルへの切り替えにより、AIやIoTとの連携が期待される。
手術室関連機器/システムでは、硬性内視鏡や手術用顕微鏡システムにおいて3D/4K・8Kの対応製品の普及は緩やかであるものの、大規模病院を中心に導入が進んでいる。術野/術場などの手術室、手術映像の撮影機器は大病院中心の市場であり、術場カメラはナースステーションからの手術進捗管理、術野カメラは手術映像録用途として需要が増加している。また、手術支援ロボットは「da Vinci」の保険対象手術の増加や特許期間終了に伴い、参入企業が増加している。
インフェクションコントロール関連機器/システムは内視鏡検査や内視鏡外科手術の増加、医療機関におけるICR(Infection Control Team)設置に加え、欧米各国の規制強化などを背景に国内においても院内感染対策が進み、市場は堅調に拡大するとみられる。
内容の詳細につきましては『メディカルソリューション市場調査総覧 2018』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)