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『2018 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』まとまる(2018/12/20発表 第18114号)

AI、ブロックチェーン、5G通信、自動運転などの次世代産業における需要が増えている注目半導体デバイスの世界市場を調査

2025年市場予測
半導体デバイス メモリー:38兆191億円 ロジック:9兆4,638億円
メモリー:NANDやDRAMの堅調な需要で市場拡大が続く
ロジック:車載SoC・FPGA、イーサネットスイッチチップなどが大きく伸びる
注目市場
NAND:19兆5,147億円 サーバー/PCのSSD向けの需要が増加
TOFセンサー:1,028億円 スマートフォン向けに加え、自動車向けの採用拡大に期待

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、IoTと人工知能(AI)をキーワードとした次世代産業の活性化における新たなニーズに対応するため、技術開発が進む注目半導体デバイスの世界市場を調査した。
 その結果を「2018 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 IoTとAIの進展により、高品質な「センサー」、高速かつローパワーな「通信デバイス」、膨大なデータを処理するための「プロセッサー」、データを保存する「メモリー」などの需要が高まり、各半導体メーカーはこれらのニーズに対応するための半導体デバイスの開発を活発に進めている。
 この調査では、半導体デバイス20品目、パッケージ3品目、ウェハー/基材6品目、前工程材料/関連製品4品目、後工程材料/関連製品5品目、アプリケーション4品目の市場について現状を調査し、将来を予想した。

調査結果の概要
注目半導体デバイス20品目の世界市場
2018 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望:注目半導体デバイス4分野の世界市場グラフ
 各カテゴリーが堅調に伸びており市場は拡大を続けている。今後、特にDRAMやNANDの需要増加によりメモリーが大きく伸びるとみられる。
 メモリーは、今後も大幅な伸びが予想される。さまざまなクラウドサービスの普及に伴うデータ量の増大や、画像系をはじめとしたセンサーデバイスの増加に伴い、採用されるメモリーの容量拡大は続くとみられ、DRAMはサーバー/PC向け、NANDはSSD向けを中心に引き続き需要増加が期待される。ただし、DRAM、NANDともに供給不足が解消されており、2019年以降は価格低下が予想されるため、金額ベースの伸びは数量ベースを下回るとみられる。次世代メモリーとして期待される強誘電体メモリーや3DXP・MRAM・Z−NANDはサーバー、カード、自動車、医療機器などのデータの信頼性が要求されるアプリケーションを中心に採用が進むとみられる。
 ロジックは、従来の主要アプリケーションであったPCやスマートフォン市場の伸びが鈍化しているものの、自動車やサーバー用LSI、ゲーミングGPUなどでの需要増加により堅調な市場拡大が予想される。今後、伸びが期待される品目はサーバー用CPU・GPU、イーサネットスイッチチップ、車載SoC・FPGAなどである。特に、車載SoC・FPGAはADAS車両や自動運転車両の普及に伴い需要が増加するとみられる。現状、構成比の大きいモバイル用APは、中国のスマートフォン需要が一段落したことで、今後は縮小が予想される。
 RF(高周波)は、LPWAとミリ波チップを対象とした。LPWAはスマートメーターやパーキングなどの従来用途に加えて、今後は物流関連の採用が増加するとみられる。ミリ波チップはADAS/自動運転車両の普及に伴い、堅調な伸びが予想される。
 センサーやディスクリートは、画像、音声、距離といったセンシング情報がエッジAIと密接に関連するため高機能化が進み、特にAI対応が進む画像関連でイメージセンサーの需要が高まると予想される。また、センシング情報をフィードバックするためのモーターや電源はこれまで以上の高効率化が求められており、ディスクリートの採用が進むとみられる。
注目市場
NAND
2017年2018年見込2025年予測2017年比
6兆2,064億円7兆2,835億円19兆5,147億円3.1倍
 SSDの出荷拡大による需要増加や、スマートフォンのメモリー搭載容量の増加により、市場は拡大を続けている。ただし、参入各社による3D−NANDの拡販強化や、量産化進展による供給過剰などを背景に2018年に入って製品単価は下落しており、金額ベースの伸びは数量ベースを下回るとみられる。
 サーバーでの採用が増えているSSD向けは、特にAIをキーワードに学習データの蓄積を目的として大容量ストレージ需要が増加しているため伸びている。また、PC用のSSDの搭載容量は、2018年は256GB製品が標準であったが、2019年には512GB製品が増えるとみられ、市場の伸びに貢献すると予想される。2019年には高容量のQLCタイプの販売が本格化するとみられることも好材料である。
 スマートフォン向けは、スマートフォン市場が横ばいから微増であるものの、中国のローエンドからミドルレンジの機種でメモリー搭載容量が増えていることや、ハイエンド機種で512GBメモリー搭載製品が登場しており、堅調な需要が予想される。
TOFセンサー
2017年2018年見込2025年予測2017年比
146億円199億円1,028億円7.0倍
 TOFセンサーは、Direct TOFとPhase TOFの二方式がある。Direct TOFはスマートフォンのオートフォーカスや近接センサーなどで使用され、Phase TOFは3D顔認証やARなどでの使用が進むとみられる。
 2016年から2017年にかけて、スマートフォンでDirect TOFの搭載が増加した。夜間などの低照度環境におけるオートフォーカスの応答速度向上のために、イメージセンサーを補完する目的でTOFセンサーが使われている。特に中国や韓国のスマートフォンメーカーでの採用が多い。また、近接センサーとしては、従来の赤外線センサーに比べて高精度な存在検知が可能なため採用が増えている。
 一方、Phase TOFは、3Dセンシング用途でスマートフォンのAR向け、車載HMI(ジェスチャーコントロール)、ロボットの空間検知などを目的に採用されている。そのほか、人カウンターや産業機器における障害物検知などでも採用されている。
 今後、スマートフォンで顔認証やARを目的にPhase TOFの本格採用が始まるとみられる。また、Phase TOFは自動車への搭載も期待される。すでにセンターコンソールにおけるHMI向けで採用されているが、ヘッドライトや運転手モニタリング向けの採用も検討されている。ドローンやHMDなどでも採用が増加するとみられる。
車載SoC・FPGA
2017年2018年見込2025年予測2017年比
2,356億円2,819億円5,416億円2.3倍
 自動車に搭載されるSoC(System on Chip)とFPGA(Field-Programmable Gate Array)を対象とする。SoCは特定のシステムの動作に必要な機能を一つの半導体チップに実装した製品である。FPGAは製造後にユーザーが構成を設定できる集積回路製品である。自動運転車両の普及に伴い市場は拡大している。
 2017年時点でADAS車両(自動運転レベル2まで)はおよそ2,000万台、レベル3相当の自動運転車両は1万台が出荷されている。自動運転車両の普及、また、自動運転レベルの向上に伴う搭載数の増加により、車載SoC・FPGAの市場も拡大が期待される。
 車載SoC・FPGAの搭載数はADAS車両でビジョン用、フュージョン用、IVI用のおよそ3個、自動運転レベル3以上では上記に加えて判断用(1〜3個)、ドライバーモニタリング(1個)用が搭載され5〜7個となるため、レベル3以上の自動運転車両の普及が拡大する2025年の市場は5,416億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2018 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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